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「授乳・離乳の支援ガイド」改定のポイント~子育て環境の変化に対応する

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就労女性の増加などにより、授乳や離乳を取り巻く環境は近年大きく変化しています。そのなかで、医療従事者が所属する施設や専門性を問わず、共有すべき基本的な事項をまとめた「授乳・離乳の支援ガイド」が12年ぶりに改定されました。そのポイントについてご紹介します。

「授乳・離乳」の一貫した支援の指針

国内では高齢化率の上昇と少子化が進むとともに、晩婚化による出産平均年齢の上昇傾向が続いています。また、核家族化が進んで地域のなかでのつながりが希薄となるなかで、子育ての悩みを相談したり、子どもを預けたりすることが難しくなり、子育てで中心的な役割を担う母親の負担が増大し、孤立を招いているといわれています。

授乳・離乳期支援の指針として長く活用されてきた「授乳・離乳の支援ガイド」は、1980年に当時の厚生省の研究グループが示した「離乳の基本」が基になっています。そして、少子化や核家族化、ライフスタイル、保護者の健康や食生活への考え方など、様々な時代の変化に合わせて、1995年、2007年に改定されてきました。12年ぶりに改定され、2019年3月に公表された「授乳・離乳の支援ガイド」では、最新のエビデンスに基づいた情報が掲載され、発売開始がニュースでも取り上げられた「液体ミルク」についても紹介されています。

妊産婦や子どもに関わる医療従事者にとって、現在の母子健康支援のポイントを確認する重要な指針となるものです。社会情勢の変化や新たな課題についてもおさえておきましょう。

「授乳・離乳の支援ガイド」改定のポイント

3月に公開された「授乳・離乳の支援ガイド」のポイントは次の4点です。

(1)授乳・離乳に関する最新のエビデンスなどを反映した適切な支援の充実
(2)授乳開始から授乳リズム確立時期の支援内容の充実
(3)食物アレルギー予防に関する支援の充実
(4)妊娠期からの授乳・離乳等に関する情報提供のあり方

授乳の支援では、妊娠中から母乳で育てることを希望する母親が9割を超えており、支援ガイドのなかでも母乳の利点について、①乳児に最適な成分組成で少ない代謝負担、②感染症の発症および重症度の低下、③小児期の肥満やのちの2型糖尿病の発症リスク低下があげられています。このほかにも産後の母体回復促進や母子関係の良好な形成などのメリットがあります。

医療者は、母乳での授乳を希望する母親に対し、自然に無理なく実現できるように妊娠中から支援することが重要となります。しかし、2015年に厚生労働省が母乳のインターネット売買の実態を受けて衛生面のリスクについて注意喚起するなど、母乳のメリット以上にリスクが懸念される事態も発生しています。母乳だけにこだわらず、必要に応じて育児用ミルクを使うなど、適切な支援が必要であり、育児用ミルクを選択した場合にもその決定を尊重して支援すること、父親や家族とその授乳方法について共通理解が持てるように関わることが、安心かつ継続的な子どもへの対応につながるとしています。

食物アレルギーの内容を充実

食物アレルギーについては、2007年改定時の支援ガイドにコラムとして紹介されていましたが、その後患者数が増加していることを受けて、今回の改定でエビデンスに基づいた情報を充実させています。

〈食物アレルギーへの対応例〉

  • 妊娠および授乳中の母親が特定の食品やサプリメントを過剰に摂取したり避けたりすることによる効果は示されていない
  • 食物アレルギー発症を心配して離乳の開始や特定の食物の摂取開始を遅らせても食物アレルギーの予防効果があるという科学的根拠はない(生後5~6ヵ月ごろから離乳を始める)
  • 離乳を進めるにあたり、食物アレルギーが疑われる症状がみられた場合、自己判断で対応せずに、必ず医師の診断に基づいて進めることが必要 など

このほか、母乳育児の場合に不足しやすい栄養素である鉄やビタミンDについて、適切な時期に離乳を開始して鉄やビタミンDを含む食品を意識的にとることや、離乳食の調理方法などについても具体的に示されています。子育てと仕事を両立させるうえで欠かせないものとなっている「ベビーフード」の利用についてもその留意点などがコラムで紹介されています。コラムでは最新のトピックスが取り上げられているため、すぐに指導に役立てられます。

授乳期・離乳期の母子支援は、医療機関だけでは限界がありますが、情報過多といわれるなか、信頼できる情報を得る方法やどこで相談ができるのかなどを伝え、地域のなかで支援をつなぐことが重要となります。改定された支援ガイドでは、産後ケア事業などの母子保健事業や子育て世代包括支援センターなどの相談支援機関などの取り組みや、支援ガイドの内容の根拠となっている参考資料も掲載しています。特に妊産婦や小児医療に携わる看護師にとっては、支援の方法や最新のエビデンスの理解にも役立ちます。

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