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最新看護手技キャッチアップ 血糖自己測定の採血は指の「側面」から行う

仕事に役立つ看護手技 > 注射・点滴 編

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かつては良しとされていた看護手技に、こだわりすぎてしまう場面はありませんか?今回は「血糖自己測定」をテーマに、現在の正しい対応方法について考えます。事例をもとにみていきましょう。

【事例】
2型糖尿病の50代男性患者に対して、看護師が血糖自己測定のための採血のやり方を指導した。
その際、血糖値の変化が反映されやすい指先からの採血を勧め、確実に穿刺できるよう指の正面(指の腹)へ穿刺するよう説明した。

血糖自己測定の採血部位は指先で問題ないと思うのですが、何かおかしいでしょうか?

「日常生活の中で繰り返し行う」という血糖自己測定ならではの点を考慮すると、ちょっと不適切な指導内容だと考えられるわ。

1日に何度も穿刺するからこその注意点とは?

糖尿病の患者さんにとって、合併症の発症や増悪を予防するためにも、日々の血糖コントロールは極めて重要な課題です。
そこで、患者さんが自ら自宅で簡単に採血し、血糖値をモニタリングするため、簡易血糖測定器を用いた血糖自己測定が行われます。

測定のタイミングや頻度は患者さんにより異なりますが、毎食前後の6回(あるいは就寝前を含めた7回)実施することも少なくありません。
ペン先のようになっている小さな針を自らの肌に刺して採血するわけですから、大きな傷にはならないとはいえ、何度も穿刺する患者さんの負担は決して小さくありません。

自己採血は、指先や耳朶、手掌部などから行います。
穿刺時の痛みを軽減するために前腕からの採血も可能とされていますが、血流が遅いことから血糖値の急激な変化をとらえにくいという欠点があることに注意が必要です。
穿刺しやすく失敗しにくい、必要な血液量を確保しやすい、血糖値の変化が分かりやすいといった点から、実際には指先を選択するケースが多いでしょう。

ただし、指先の正面(指の腹)に穿刺すると止血しづらくなってしまいます。
ここは日常生活で何かに触ったりつかんだりと頻繁に使用する部位であり、想像以上に摩擦が多くなります。
そこに針を刺せば、なかなか止血に至らない、傷が治りにくいといった問題が起こりやすくなってしまいます。
そこで、同じ指先でも側面へ穿刺することがより望ましいと考えられます。

なお、自己採血時に痛がる患者さんの多くは第2指(人差し指)や第3指(中指)の腹面に穿刺しているものの、より痛そうに思える第5指(小指)や第4指(薬指)の側面に穿刺したほうが実際は痛みを感じにくいという研究報告もあります。

正確な血糖測定のためのポイント

血糖値を正確に測定するためには、穿刺する前の段階から注意すべき点があります。

まずは、しっかりと手洗いや消毒を行い、十分に穿刺部位を乾燥させておくことです。
簡易血糖測定器のタイプにもよりますが、血糖自己測定における採血量はゴマ粒ほどで、ちょっとした汚れや水分が混入しても正しく測定できないおそれがあります。
手指に付いていた果汁が影響して、血糖値が異常に高くなることもあるほどです。

また、うまく血液が出てこないとき、穿刺してから無理に絞り出そうとするのはNGです。
透明な細胞内液が血液に混入して血液が薄まることで、血糖値が低く測定されるおそれがあるからです。
特に気温が低い日など、血液が出づらいことが予測されるときには、指先を温めたりマッサージしたりしてから穿刺するとよいでしょう。

なお、耳朶からの採血については、患者さん自身で行うことは難しく、介助者が行う場合に限って選択されることがあります。
耳朶のように薄い部位へ穿刺すると針が貫通するおそれがある上、介助者の指に針が刺さって血液感染のリスクも考えられるため、穿刺時は耳朶の裏側に指を置かないよう注意する必要があります。


採血時の痛みで心が折れてしまい、血糖自己測定を中断してしまう患者さんは少なくないわ。

血糖自己測定を無理なく継続してもらうためにも、患者さんの気持ちに寄り添いながら、より痛みが少ない方法を提案していきたいですね。

NG看護手技

  • 血糖測定のために自己採血するときは、指の腹に穿刺する。

OK看護手技

  • 血糖測定のために自己採血するときは、指の側面に穿刺する。

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監修:医療法人社団航洋会 目黒通りハートクリニック 理事長/院長 安田洋先生

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