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ナースが知りたい!くすりの知識 排尿機能への副作用を抑えた過活動膀胱治療薬 ビベグロン(商品名ベオーバ)

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中高年になって過活動膀胱で苦しむ人が少なくないという報道を目にしました。
40歳以上の約8人に1人が過活動膀胱を抱えているといいますから、結構な数になりますね。

過活動膀胱の患者さんは、国内だけで1,000万人以上もいるそうよ。
今回は、2018年11月に発売された過活動膀胱治療薬ビベグロン(商品名ベオーバ)を紹介するわ。

投与リスクが小さく使いやすい治療選択肢

過活動膀胱とは、何らかの原因で膀胱の活動が過剰になり、あまり膀胱内に尿がたまっていないのに排尿筋が収縮して、急にトイレへ行きたくなったり、尿意が我慢できず漏れてしまったりする病気よ。
尿のことが気になって外出できなくなったり夜間の排尿で睡眠が妨げられたりして日常生活に支障が出ることもあり、そうなればQOLが大きく損なわれることになるわ。

これまで過活動膀胱の薬物療法では、アセチルコリンの働きを抑えることで排尿筋の異常な収縮を抑制する抗コリン薬(ムスカリン受容体拮抗薬)の使用が一般的だったの。
抗コリン薬は確かに効果的だけれど、口渇、悪心、排尿困難、尿閉、残尿量の増加といった副作用が生じやすいという側面も指摘されているわ。

そこで近年、注目されているのが「選択的β3アドレナリン受容体作動薬」で、このタイプの薬剤として国内2番目の誕生となったのがビベグロンよ。
膀胱にあるβ3アドレナリン受容体へ選択的に結合することで排尿筋を弛緩させ、過活動膀胱の尿意切迫感、頻尿、切迫性尿失禁といった症状を改善してくれるの。
それでいて、抗コリン薬に比べて排尿機能に影響を及ぼしにくいという、うれしい特徴があるわ。

選択的β3アドレナリン受容体作動薬として先行薬であるミラベグロン(商品名ベタニス)には「生殖可能な年齢の患者への本剤の投与はできる限り避けること」「緑内障患者に本剤を投与する場合には、定期的な眼科的診察を行うこと」といった注意喚起があったの。
ベオーバの添付文書にはそのような記載がされていないから、より幅広い患者さんに使いやすいと考えられるわ。
また、薬物相互作用が少ないため、併用禁忌とされている薬剤がないことも使いやすさのポイントね。

効能・効果

過活動膀胱における尿意切迫感、頻尿および切迫性尿失禁

用法・用量

通常、成人にはビベグロンとして50mgを1日1回食後に経口投与する。

錠剤のサイズを見ると、ベタニスが直径12.5mm、厚さ5.2mmなのに対し、ベオーバは直径6.5mm、厚さ3.5mmとなっているわ。
ずいぶんサイズダウンしていて、患者さんにとっても服用しやすいと思うわ。

使用上の注意、副作用

重篤な心疾患や高度の肝機能障害がある患者さんについては、症状の悪化などが懸念されることから、ビベグロンの投与は慎重に行うべきとされているわ。
なお、前立腺肥大症のある患者さんの50~75%は、過活動膀胱を抱えているといわれているの。
前立腺肥大症をはじめとする下部尿路閉塞性疾患を合併している患者さんの場合は、そちらに対する治療が優先となるから注意してね。

過活動膀胱患者を対象とした国内臨床試験では、906例中75例で副作用(臨床検査値異常を含む)が確認されたそうよ。
主な副作用には、口内乾燥と便秘(各1.2%)、尿路感染と残尿量増加(各0.7%)、肝機能異常(0.3%)などがあるわ。
より重大な副作用として尿閉をきたすおそれも否定はできないから、「尿意があるのに排尿できない」といった症状には十分に注意する必要があるわね。


特に抗コリン薬で副作用が強く出てしまう患者さんにとっては、願ってもない治療選択肢が誕生したといえそうですね。

過活動膀胱の治療では、薬物療法だけでなく行動療法や電気刺激療法などを併用することもあるわ。
その患者さんにとってベストの治療を実現できるよう、私たちもサポートしていきましょう!

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参考文献
ベオーバ 添付文書.
※効能・効果・使用上の注意等、医薬品の最新情報につきましては、各製品の添付文書等をご参照ください。

監修:医療法人社団航洋会 目黒通りハートクリニック 理事長/院長 安田洋先生

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