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「アトピー性皮膚炎診療ガイドライン2018」のスキンケアのポイント

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アトピー性皮膚炎は、小児~思春期にかけて有症率が高く、加齢とともに減少する傾向があるといわれています。しかし、20~30歳代にも頻度の高い皮膚疾患であるという調査報告もあり、幅広い年齢が治療・ケアの対象となります。日本皮膚科学会の「アトピー性皮膚炎診療ガイドライン2018」から、アドヒアランスを高める患者指導やスキンケアについて紹介します。

いまさら聞けない?「アトピー性皮膚炎」

アトピー性皮膚炎は、「増悪と軽快を繰り返す掻痒のある湿疹を主病変とする疾患」と定義され、患者さんの多くに「アトピー素因」があります。アトピー素因とは次(1)、(2)のいずれかに当てはまるものをいいます。

(1)家族歴・既往歴(気管支喘息、アレルギー性鼻炎、結膜炎、アトピー性皮膚炎のうちいずれか、あるいは複数の疾患)
(2)IgE抗体を産生しやすい素因

アトピー性皮膚炎はアトピー素因やバリア機能の低下、掻爬刺激、抗原の侵入など、複雑に要因が絡んで発症するもので、さらに痒みが増して掻きむしることでバリア機能の障害が進行する悪循環を引き起こします。

アトピー性皮膚炎と間違えやすい皮膚疾患には、接触皮膚炎・手湿疹、脂漏性皮膚炎・皮膚リンパ腫、単純性痒疹・乾癬などがあります。アトピー性皮膚炎は、湿潤性紅斑や鱗屑、痂皮などが左右対側性に分布するのが特徴で、好発部位は前額、眼囲、口囲、耳介周囲、頸部、四肢関節部、体幹です。また、年齢にかかわらず皮膚が乾燥傾向にあり、皮膚炎があるときにはより顕著に乾燥傾向がみられます。

患者さんや保護者の精神的な負担にも配慮

アトピー性皮膚炎は、QOLを著しく低下させる疾患でもあり、患者さん本人だけでなく、保護者に対する関わりも非常に重要となります。ガイドラインで紹介されている患者さんの主観的評価やQOL評価法などのツールを活用して、子どものアトピー性皮膚炎による生活への影響や保護者の精神的負担に対しても留意して治療を進めることが重要となります。

〈アドヒアランスを高める患者指導〉

アトピー性皮膚炎の治療では、患者さんや保護者が治療方針の決定に参加して、病態や治療の意義を十分に理解したうえで治療に積極的に参加することが重要といわれています(=アドヒアランス)。

アドヒアランスの向上においては、医療者と患者さんの信頼関係、疾患や治療法のわかりやすい説明、継続的な情報提供や支援などが必要です。一方、アドヒアランス低下の要因には、患者さんが多忙であったり、治療法が煩雑であったり、副作用が多い、高価な治療法であることがあげられます。治療の必要性について患者さんが十分に理解できるような説明し、動機づけを行うことが大切で、アトピー性皮膚炎の治療においては、家族の協力やベビーシッターなどの人的サポートなども含めてチームで検討し、治療継続につなげていくことが重要となります。

アトピー性皮膚炎のスキンケア

アトピー性皮膚炎の治療において、看護師がかかわることが多いことのひとつがスキンケアです。アトピー性皮膚炎の患者さんは皮膚のバリア機能や保湿因子が低下しており、抗原が侵入することで皮膚炎が起こりやすい状態になっています。皮膚のバリア機能を回復、維持することで、皮膚炎の悪化を防ぎ、かゆみを抑えることでQOLの向上にも寄与します。

●保湿外用薬の使用
ヘパリン類似物質含有製剤や尿素製剤に代表される保湿性の高い親水基軟膏(oil in water:O/W)や吸水性軟膏(water in oil:W/O)などの外用、傷害された皮膚のバリア機能の代償に白色ワセリンや亜鉛華軟膏、皮膚保護作用がある油脂性軟膏などが使われます。朝・夕と1日2回外用し、ガイドラインでは、そのうち1回を「入浴直後の外用が望ましい」としています。

塗布量は、フィンガーティップユニット(第2指の先端から第一関節部まで)が基本ですが、セルフケアでは塗布量が少ないことが多く、患者指導では、チューブから薬剤を取り出して病変のない部分も含めて十分に塗布するように、実際にやり方を見せながら指導するなどの工夫が必要です。

●入浴(洗浄)
皮膚汚れや体液、黄色ブドウ球菌などが皮膚症状悪化の要因になるため、皮膚を清潔に保つために入浴やシャワー浴を習慣づけるように指導します。

ただし、高い温度での入浴やシャワー浴は掻痒の惹起につながるため、ガイドラインでは38~40℃を勧めています。入浴後は水分が蒸散してドライスキンが進行するため、保湿外用薬を使って十分にケアし、皮膚の乾燥を防ぎます。

●洗浄剤の選択
石鹸や洗浄剤を使って皮膚を清潔に保つことは重要ですが、界面活性剤や色素、香料などの添加物が皮膚への刺激になる可能性もあります。皮脂は約30℃が融点で、38~40℃の湯でもある程度皮脂は除去できるため、乾燥しやすい時期や身体の中心部などの皮脂が溜まりやすい箇所以外は石鹸の使用を最小限にする、洗浄後の乾燥が強い洗浄剤を避ける、低アレルギー性の洗浄剤にするなど、患者さんの状態に応じて指導します。機械的刺激を避けるために洗浄剤を十分に泡立ててなで洗いすること、洗浄剤が皮膚に残存しないようにすすぎを十分行うことなど、丁寧に説明して継続できるように支援することが重要です。

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