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アレルギーマーチと対策 多職種連携によるアレルギー診療充実への取り組み

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アレルギー疾患対策基本法が施行され、アレルギー分野は研究や診療体制の充実がはかられています。なかでも小児から成人にかけて段階的に発症するアレルギーマーチを進行させないためには、保護者が正しい知識を身につけて対応できるように働きかけることが重要です。

国民の約30%が持っている免疫アレルギー疾患

2014年に成立した「アレルギー疾患対策基本法」に基づき、研究分野、医療提供体制など、各専門家による検討会が開かれ、その報告書が2018年に示されました。「免疫アレルギー疾患研究10か年戦略」では、免疫アレルギー疾患に対する「発症予防・重症化予防によるQOL改善」「防ぎ得る死の根絶」を目指した研究が今春から具体的に進められていく予定です。

一方、医療提供体制では、国立研究開発法人国立成育医療研究センターおよび独立行政法人国立病院機構相模原病院など、アレルギー疾患の全国的な拠点と地域拠点病院、かかりつけ医の連携強化が進められます。人材育成においては、エビデンスに基づいた免疫アレルギー診療の充実をはかるための医療従事者の育成の推進も掲げられており、都道府県拠点病院へのアレルギー疾患に関する専門的な知識を有する薬剤師、看護師、管理栄養士などの配置も明記されています。

関節リウマチ、気管支喘息、アトピー性皮膚炎、花粉症などの免疫アレルギー疾患を持つ患者さんは国民の約30%にものぼるといわれています。今後の診療体制の連携強化と研究開発の推進に大きな期待が寄せられる一方、免疫アレルギー疾患に関しては、様々な情報が氾濫しており、その情報に患者さんや家族が振り回されることがないよう、正しい情報の普及が求められています。そのためにも専門知識を持つ医療者の育成は重要といえるでしょう。

アレルギーマーチへの対応は新生児から

年齢によって別のアレルギー症状が現れることを「アレルギーマーチ」といいます。年齢が上がるなかでアレルギーの原因物質が変化していくもので、一つひとつの症状が重なるのではなく、ひとつの症状が改善したら別の症状が出ることが多いといわれています。このうち乳児期にみられるのがアトピー性皮膚炎と食物アレルギーです。アトピー性皮膚炎の患者さんの多くはアトピー素因(家族歴や既往歴、IgE抗体を産生しやすい)を持っており、アトピー性皮膚炎で皮膚のバリア機能が低下することが、食物アレルギー発症に影響することがわかっています。

つまり、乳児期のアトピー性皮膚炎は、アレルギーマーチにつながる高リスクであるということです。新生児に対する保湿剤の塗布など、皮膚のバリア機能を保つケアが食物アレルギーの発症を予防する対策のひとつでもあることが近年の研究でわかっています。

また、近年増えているのが、新しい食物アレルギーの口腔アレルギー症候群や食物依存性運動誘発性アナフィラキシーです。

口腔アレルギー症候群は、果物や野菜が原因抗原となり、口腔内のみにアレルギー症状がみられることが多いのが特徴です。このアレルギーは花粉症との関連性が指摘されています。

食物依存性運動誘発性アナフィラキシーは、特定の食物+運動の組み合わせで発症するもので、小麦や魚介類が原因抗原になることが多いことが知られています。原因抗原を摂取した後に激しい運動をすると蕁麻疹や喉頭浮腫、喘鳴などの症状が起こり、アナフィラキシーを引き起こすこともあります。

〈アレルギーマーチ〉

アレルギー疾患の専門知識を身につける

アレルギーの治療は医師、看護師、薬剤師、管理栄養士によるチーム医療の推進によるQOL向上が課題のひとつでもあり、専門知識を身につけるためのコメディカル向けの研修も広く行われています。

そのひとつが日本小児臨床アレルギー学会認定資格の、小児アレルギーエデュケーターです。これは、2009年に開始され、主に小児科医とともに小児アレルギー診療に携わる看護師、薬剤師、管理栄養士が対象で、准看護師の受験も可能です。

資格を取得するには、臨床経験のほかに日本アレルギー学会認定アレルギー専門医のもとで指導を受けた症例実績を報告する必要があります。また、日本小児臨床アレルギー学会による小児アレルギー疾患基礎講習会の受講、受講資格試験合格、学術集会参加歴、認定講習会の受講と認定試験合格が必要です。また、学会への入会も要件となります。

日本アレルギー学会でも医師、薬剤師、看護師、管理栄養士など、幅広くアレルギー診療に携わる専門職を対象に、2018年から臨床アレルギー講習会を開催しています。2019年は8月に開催される予定となっており、喘息(小児・成人)、皮膚アレルギー、鼻アレルギー、眼アレルギー、食物アレルギー・アナフィラキシーをテーマにした講義を受け、吸入手技やスキンケア、食物負荷テストなどについても学びます。

アレルギー対策が推進されるなかで専門知識を持つ看護師のニーズも高まっており、学会認定の資格取得や講習会は、今後研究が進むアレルギー領域のタイムリーな情報が得られる場ともなるでしょう。

ナースフルでは働く看護師さんを応援しています。
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参考
厚生労働省:アレルギー疾患医療提供体制の在り方について

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