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最新看護手技キャッチアップ 筋肉注射後、必ず注射部位を揉むとは限らない

仕事に役立つ看護手技 > 注射・点滴 編

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かつては良しとされていた看護手技に、こだわりすぎてしまう場面はありませんか?今回は「筋肉注射」をテーマに、現在の正しい対応方法について考えます。事例をもとにみていきましょう。

【事例】
手術後の患者に対して、ヒドロキシジン塩酸塩注射液を筋肉注射で投与することになった。
注射部位をアルコール綿で消毒し、よく乾燥させてから、刺入部をつまんで45~90度の角度で注射針を刺入した。
薬液を注入して針を抜いた後、乾綿で刺入部を押さえながら、軽い力でマッサージした。

筋肉注射の基本が押さえられていると思いますが・・・何かが間違っているのでしょうか?

焦点は「注射部位のマッサージをすべきなのかどうか」よ。

筋肉注射後に注射部位のマッサージをする目的は?

「筋肉注射を行った後は、注射部位を揉む(マッサージする)」と覚えている看護師さんもいるのではないでしょうか。
患者さんのなかにも、揉んだほうがよいと理解している人がいます。

そもそも注射部位のマッサージは、注入した薬液を広い範囲に拡散して血管内への吸収を促進し、硬結が生じるのを防ぐ目的で行われます。
また、スキンシップによる心理的作用から、注射による疼痛を緩和する効果があるとも考えられています。

筋肉注射でも「揉まなければならない」とされているのは硬結が生じやすい薬剤で、抗生物質製剤(注射用ストレプトマイシン硫酸塩、カナマイシン硫酸塩注射液、注射用ジベカシン硫酸塩など)や、抗ヒスタミン薬(d-クロルフェニラミンマレイン酸塩注射液など)です。
注入した薬剤の量や種類によっても異なりますが、注射部位を1~2分ほどかけて軽い力でマッサージするのが一般的です。

「揉んではならない」薬剤を知っておこう!

一方で注意を要するのが、筋肉注射において注射部位を揉んではならないとされている薬剤の存在です。
「揉んではならない薬剤」は、次の2つに大きく分けることができます。

1.吸収を早めたくない薬剤

持続的な効果を得るためには、薬剤の拡散が早くなりすぎることは避けなければなりません
具体的には、リスペリドン持効性懸濁注射液などの薬剤が該当します。

2.組織障害を引き起こす薬剤

揉むことで皮内・皮下に薬液が漏出するなどして、重度の場合は壊死や皮膚潰瘍、皮膚陥没などを引き起こすおそれがあります
代表的な薬剤は、冒頭の事例で投与されたヒドロキシジン塩酸塩注射液や、トリアムシノロンアセトニド水性懸濁注射液などです。

例えば、ヒドロキシジン塩酸塩注射液は、注射部位の腫脹や硬結を引き起こしたとの報告が多数されています(1994~2008年の間に45例)。
添付文書で「筋肉内注射時に注射部位を揉むことによって、皮内または皮下に薬液が漏出し、壊死、皮膚潰瘍、疼痛等の注射部位反応を起こすことがあるので、注射後、強く揉まず軽く押さえる程度にとどめること」と注意喚起されているにもかかわらず、上記のうち9例で注射部位を揉んでいたことがわかっています。

注射部位を揉む/揉まない薬剤を押さえておき、患者さんにも正しく指導するようにしましょう。


皮膚が壊死することもあるなんて・・・。
「筋肉注射=揉む」という思い込みは危険だということがわかりました。

もちろん、揉む必要がある薬剤では、しっかりとマッサージしましょう。
添付文書などを事前確認する習慣を身に付けたいものね。

NG看護手技

  • 筋肉注射後は、どのような薬剤であっても注射部位を揉む

OK看護手技

  • 吸収を早めたくない薬剤や組織障害を引き起こす薬剤を筋肉注射した後は、注射部位を揉んではならない

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監修:医療法人社団航洋会 目黒通りハートクリニック 理事長/院長 安田洋先生

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