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「大人の発達障害」うつ病と見過ごされるケースも

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毎年4月2日は国連が定める「世界自閉症啓発デー」。国内では、4月2日~8日を「発達障害啓発週間」としています。そのなかで近年注目されているのが「会社に馴染めない」「同僚や取引先とのトラブルが多い」などの悩みからうつを発症し、医療機関を受診して始めて発達障害と診断を受ける「大人の発達障害」です。

本人も周囲も気づきにくい発達障害

発達障害(発達神経症)は、脳機能の発達が定型でないことにより日常生活に影響が及ぶ状態をいい、代表的なものに自閉スペクトラム症(ASD)注意欠陥多動症(ADHD)限局性学習症(SLD)などがあげられます。

〈主な発達障害〉

自閉スペクトラム症(ASD):
社会的コミュニケーションの障害によって社会的・情緒的な相互関係が構築できない、こだわりが強くパターン化した行動の反復がみられます。また光や色、音の感じ方が過敏であったり鈍麻だったりするのも特徴

注意欠陥多動症(ADHD):
多動性、不注意、衝動性があり、じっとしていられない、集中力が続かず忘れやすい、思いついたら考える前に行動してしまうといった点が特徴

限局性学習症(SLD):
読み書きや計算などの特定のものの習得と使用が困難という点が特徴

発達障害はいずれも低年齢時に症状が現れますが、知的機能や言語発達に遅れがない人も少なくありません。1人でいたり、コミュニケーションが苦手だったりするため、いじめの対象になることもありますが、なかには発達障害と診断されないまま成人になることもあります。

特性と苦手を理解し、得意を活かせる環境の調整が重要

社会人になるとコミュニケーション能力が必要とされる場面が増え、周囲との関係も変化します。周囲とのコミュニケーションが図れなかったり、仕事でミスを繰り返して孤立したりするなど、周囲の理解が得られないことで多くのストレスを抱え、頭痛や食欲低下などの身体症状やうつ、不安障害などの精神症状がみられる人も少なくありません。こうした二次障害の影響で引きこもりになる人もいます。

しかし、自分の特性を理解することで、社会のなかで活躍することにつながります。これまで感じてきた“生きにくさ”の原因が発達障害にあると知ることで不安が軽くなることも多く、治療を受けることで中核症状が緩和されたり、生活環境が調整しやすくなったりします。職場の人やパートナーに協力してもらって詳細に指示をしてもらったり、予定を忘れないように何度も声をかけてもらったり、大事なことをすぐにメモに残してもらったりするなど、得意なことは活かしつつ、環境を調整して苦手だったことをクリアしていくようになると、その姿をみている周囲の人たちからの理解も得られやすくなります。

仕事を選択するうえでも、自分の特性と苦手なことを理解することが大切です。例えば自閉スペクトラム症の人は、個別性が高い顧客対応やコミュニケーション能力が求められる仕事よりも規則性や計画性がある仕事、集中力を要する仕事でその特性を発揮することができます。また、注意欠陥多動症の人は営業職、行動力が求められる企画職などが向いており、逆にスケジュール管理や長期的なプロジェクトにじっくり取り組む仕事は苦手とされています。

支援者に欠かせない特性の理解

発達障害の人は、自閉スペクトラム症と注意欠陥多動症を併発するなど、複数の特性を持ち合わせている人が少なくありません。しかし、幼児期に比べて成人は発達障害であることが周囲からわかりにくくなることがあります。例えば、自閉スペクトラム症の人はコミュニケーションが苦手とされていますが、言語発達や知的機能の低下がない場合、言語的なコミュニケーションには問題がないとみなされることもあり、特に女性にその傾向があるといわれています。それは人生のなかで経験的にその特性を代償する方法を習得しながら生活を続けてきたことによるものであり、一見問題がないと思われる人でも、実際には強いストレスを感じているといわれています。

支援する側にとって重要なことは、その人が発達障害の診断を受けているかどうか以上に、「その人にどんな特性があるのか」を理解することです。その特性を理解することで、得意なことを分担したり、曖昧な指示を出さないようにしたり、必ずメモに残して事前に確認をしたりといった対応策が考えられるようになります。

また、周囲の人も1人で抱え込まないようにすることが大切。特に発達障害の人のパートナーは、情緒的な関係が築けない、コミュニケーションがとれないことを自分のせいだと考えてしまうことがあり、診断や治療に至っていないケースではその傾向が強くなります。それが原因でうつを発症したり、婚姻生活の破綻の原因になったりすることも少なくありません。医療者は発達障害の人の治療やケアだけでなく、発達障害の人を支えるその周囲の人にも目を配り、共感的な姿勢で対応することが大切といえるでしょう。

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参考
厚生労働省:知ることからはじめようみんなのメンタルヘルス」発達障害

国立障害者リハビリテーションセンター「ライフステージに応じた自閉症スペクトラム者に対する支援のための手引き」

国立障害者リハビリテーションセンター:発達障害情報・支援センター「発達障害を理解する」

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