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飛沫感染・空気感染・接触感染―感染経路別予防策とは?

仕事に役立つ看護手技 > 感染管理 編

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標準予防策に加えて行う感染経路別予防策とは、どのようなものですか?

感染症には飛沫感染、空気感染、接触感染という3つの感染経路があるから、ケースに応じて適切な予防策を徹底することが必要よ!

リコ:
いつもの標準予防策(スタンダートプリコーション)のほかに、感染経路別の「プリコーション」があるそうですね。
そういわれてみれば、そうだった気もするのですが、 具体的にどのような予防策なのか、個人防護用具をどのように使うのか、恥ずかしながら理解できていません・・・。

ヨシミ:
手指衛生の実施(一処置一手洗い)と、個人防護用具の着用を基本とする標準予防策のほかに、感染経路別に3種類の予防策があるわ。
標準予防策だけでは感染経路を完全には遮断できないとき、標準予防策に加えて、これらの方法を用いるのよ。

1.飛沫感染予防策(ドロップレットプリコーション)

飛沫感染とは、咳やくしゃみ、会話などに伴って病原微生物を含む飛沫(5μm以上)が散り、他人の粘膜(鼻および口)や結膜に接触することで発生するものだったわね。
飛沫感染する代表的な感染症としては、
・風疹
・流行性耳下腺炎
・百日咳
・マイコプラズマ肺炎
などがあるわ。

飛沫が散るのは1~2mくらいの短い距離で、空気中を漂うことはないというのが、後で話す空気感染との違いね。
ということは、患者さんから1~2mの距離に近づくときは、必ずマスクの着用をしなければならないわね。
ただし、通常のサージカルマスクでよく、N95マスクを使う必要はないわ。

また、患者さんから他の患者さんへの感染拡大を防ぐためには、飛沫感染する感染症の患者さんは個室収容とすることが望ましいわ。
ベッドの都合で難しいかもしれないけれど、その場合は患者さん同士のベッドを2m以上離したり、カーテンを引いたままにして壁を作ったりしましょう。

2.空気感染予防策(エアボーンプリコーション)

空気感染とは、病原微生物を含む微粒子(5μm以下)が空気中を漂って拡散され、これを吸い込むことで発生するものよ。
空気感染する代表的な感染症としては、
・結核
・麻疹
・水痘
などがあるわ。

病原微生物を含む微粒子(飛沫核)が空気に乗ってふわふわと漂うわけだから、曝露のリスクは長時間・広範囲にわたることになるわ。
また、粒子の大きさが5μm以下と微小なため、通常のサージカルマスクでは遮断が難しいの。
したがって、N95マスクの着用が必須になるわ。
しかも、患者さんの病室に入る前に着用しなければダメよ。
また、空気感染する感染症の患者さんは陰圧室に収容して、病原微生物を含む空気が室外に出ないように管理する必要があるわ。

3.接触予防策(コンタクトプリコーション)

接触感染は読んで字のごとくだけれど、院内感染の中でも最も頻度が高いとされる経路ね。
接触感染する代表的な感染症としては、
・MRSA(メチシリン耐性黄色ブドウ球菌)
・VRE(バンコマイシン耐性腸球菌)など多剤耐性菌による感染症
・O-157感染症
・ノロウイルスによる感染性胃腸炎
・流行性角結膜炎
などがあるわ。

接触予防策の大原則は、患者さんの皮膚や周囲にあった器具や機器に触れるときは、必ず手袋を着用すること。
個室管理の場合は、病室に入る時点で手袋を着用したほうがいいわ。
医療者の体に患者さんが触れるケアをするときは、ガウンの着用も必要ね。

血圧計や聴診器、体温計などは、その患者さん専用のものを用意すべきよ。
また、ベッド柵、オーバーテーブル、ドアノブなど特に接触が多いものは、1日1回以上清拭消毒することになるわ。

なお、ある感染症は必ず一つの感染経路しかとらない、というわけじゃないのが難しいところね。
例えば、今年も猛威を振るっているインフルエンザは、飛沫感染が主になるけれど、空気感染や接触感染でも感染が成立すると考えられているの。
感染症自体のこともしっかりと学んで、院内感染から患者さんと自分自身を守っていきましょう!


感染症のタイプに応じた方法で感染経路を遮断しなければ、意味がないんですね。

そうね。ただ、予防策の不足はもちろんダメだけれど、むやみやたらに必要以上の対策をすることも考えものよ。
過不足のない予防策を実践したいものね。

監修:医療法人社団航洋会 目黒通りハートクリニック 理事長/院長 安田洋先生

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