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「2018年病院看護実態調査」にみる地域包括ケアシステムの進展は?

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2019年5月に発表された日本看護協会の「2018年病院看護実態調査」では、例年実施している看護師の離職率や給与の状況などに加え、地域包括ケアシステム構築に欠かせない訪問看護体制の実態や今後の方向性についても調査が行われました。

離職率は横ばい傾向で変わらず

「2018年病院看護実態調査」は、日本看護協会が全国の病院を対象に行っている調査で、郵送方式で看護部長に回答を依頼し、今回の有効回答数は3,634でした。

2017年度の正規雇用看護職員の離職率は10.9%で前年度と変わらず、新卒看護職員離職率は7.5%で前年度より0.1ポイント減という結果でした。病床規模では99床以下、100~199床の病院で離職率が高い傾向がみられたのもこれまでと同様でした。

2017年度離職率(2018年調査) 2016年度離職率(2017年調査)
正規雇用看護職員(%) 新卒看護職員(%) 正規雇用看護職員(%) 新卒看護職員(%)
99床以下 13.1 12.2 13.0 12.4
100~199床 12.4 10.7 12.4 10.7
200~299床 10.5 8.1 11.9 9.0
300~399床 10.8 7.5 10.4 7.1
400~499床 10.1 6.4 9.9 7.9
500床以上 10.3 7.0 10.1 6.6
無回答・不明 11.1 6.2 10.1 4.9
10.9 7.5 10.9 7.6

正規雇用看護職員の離職は、業務内容や人間関係などのほかにも出産や介護などの理由が考えられます。また、厚生労働省による「新人看護職員研修に関する検討会」の資料では、「看護基礎教育修了時点での能力と現場が求めている能力のギャップ」などが新卒看護職員の離職につながっていることが指摘されています。病床数が多い病院に比べて研修に時間や人材を投入しにくい小規模病院での離職率を抑えるためには、地域で看護師を育成するための施設間連携、自治体との協働など、資源を十分に活用できる体制を整えていく必要があるといえるでしょう。

退院支援や訪問看護部門で看護師ニーズが拡大

今後の看護師の増減予定では、「今年度と同程度」とする病院が約半数、「今年度よりも増やす予定」が3割を占めています。今後も看護師の需要が高い状態は続くといえるでしょう。

部門別でみると、増加予定の病院にある傾向がみられました。増員予定では、病棟部門の37.8%が最も高い割合で、次いで退院支援・地域連携部門が26.9%となりました。地域包括ケアシステム構築が進められるなかで、退院支援や地域連携の部門は病院のなかでも重要な役割を担います。退院支援や退院調整に必要な知識や技術を学ぶ研修などを受講することも、活躍の場の拡大につながるといえます。

また、地域包括ケアシステムに欠かせない訪問看護部門も今後増員を予定している病院が17.3%にのぼりました。病棟、外来、手術部門が多いのに比べて訪問看護部門がない医療機関は46.1%にのぼりますが、すでに訪問看護部門を持つ病院での増員予定は、地域での訪問看護のニーズが拡大している現状を反映しているといえるでしょう。

特に「100~199床の小規模病院」で増員を検討している割合が高く、急性期や回復期、慢性期など、地域のニーズに合わせた複数の機能を有している病院でその傾向がみられました。

退院後の受け皿となる「在宅」のケア強化へ

今回の調査では、訪問看護部門の設置や訪問看護ステーションの併設など、訪問看護を提供する病院は、全体の52.3%にのぼることがわかりました。現時点で何らかの訪問看護機能を持つ病院は200~299床で最も多く、64%を占めました。次いで100~199床、300~399床となっています。

現時点で訪問看護機能を持たない病院でも、「今後訪問看護ステーション併設を検討または予定している」と回答した病院が10.5%にのぼることがわかりました。また、地域包括ケアシステムの推進で新たに設けられた機能強化型訪問看護ステーションは、機能強化型訪問看護管理療養費3の算定を予定または検討している病院が4.1%でした。機能強化型訪問看護管理療養費3の特徴は、地域の医療機関や訪問看護ステーションを対象とした研修の実施や、地域の訪問看護ステーションや住民に対する訪問看護の情報提供や相談の実施が算定要件となっていることです。病床数では100~199床、地域では東京23区・政令指定都市・中核市以外の病院で併設を予定または検討している割合が高いことがわかりました。

地域の中小規模病院は、急性期から回復期、慢性期まで幅広く地域のニーズに応じる医療機関としての役割だけでなく、高齢化が進むなかで、退院後の受け皿としての「在宅」の整備も求められているといえるでしょう。地域で患者さんが最期まで安心して暮らすことができる街づくりに医療は欠かせないものであり、看護師が働く場も病院から地域へと今後はその広がりが加速していくものとみられます。

ナースフルでは働く看護師さんを応援しています。
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参考:
厚生労働省:平成30年度診療報酬改定の概要

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