リクルートの看護師転職パートナー ナースフル

閉じる

明日役立つ手技から働き方、医療ニュースまで、看護に活かせる情報をお届け ナースフルマガジン

2018年診療報酬改定のポイント 地域への移行を推進する早期退院支援

最新ナースコラム > 医療の最新ニュース

当コンテンツは株式会社 リクルートメディカルキャリアが運営する「ナースフル」というサイト内のコンテンツです。
もし、当コンテンツに関してご不明な点がある場合は、こちらの運営者情報ページからお問い合わせください。


2018年4月の診療報酬改定は、介護報酬改定と同時に行われることから、高い注目を集めていました。そのなかから、3つの項目をピックアップして紹介します。

2025年を見据えた入院基本料の再編

2018年度の診療報酬・介護報酬の同時改定は、2025年問題に対応できる最後の同時改定となること、さらに障害福祉サービス等報酬の報酬改定も行われることから、高い注目を集めてきました。診療報酬本体は全体で0.55%のプラス改定となりました。
その基本方針は、少子高齢化を見据えた4つの柱からなっています。

(1) 地域包括ケアシステムの構築と医療機能の分化・強化、連携の推進
(2) 新しいニーズにも対応でき、安心・安全で納得できる質の高い医療の実現・充実
(3) 医療従事者の負担軽減、働き方改革の推進
(4) 効率化・適正化を通じた制度の安定性・持続可能性の向上

今回の改定で注目されたことのひとつが入院基本料・入院料の再編・統合です。これは、(1)地域包括ケアシステムの構築と医療機能の分化・強化、連携の推進のひとつで、少子高齢化に伴う7対1の急性期医療のニーズ減少を見込んだものです。従来の一般病棟7対1入院基本料と一般病棟10対1の入院基本料では報酬の差が大きく、経営的にも届出変更は難しいことから、評価方法を細分化して急性期医療の入院基本料を1~7に設定しました。

【現行の急性期一般病棟入院基本料】

【改定後の急性期入院基本料】

※ 入院料4~7(10対1)から入院料2~3に直接届出はできない(入院料1の実績が必要)
※ 入院料2~3は、入院料1の届出実績が必要で調査の対象となる。該当患者の割合は診療実績データを用いて評価する
※ 入院料2~3は、200床未満の経過措置
※ カッコ内は重症度、医療・看護必要度Ⅱの該当患者割合

早期退院支援は入院前から

もうひとつ、入院に関連して改定のポイントとなっているのが、退院支援に関する算定です。地域包括ケアシステムを推進するなかで、入院は在宅復帰を視野に入れた積極的な取り組みが求められています。
2016年の診療報酬改定では、「退院調整加算」が「退院支援加算」へと変わり、退院支援、地域連携業務を行う専従看護師の配置などの算定要件が加わりました。一方、今回の2018年度の改定では、「退院支援加算」から「入退院支援加算」に名称が変更となり、予定手術などの入院患者さんに対しては、入院前から退院調整を担う各職種がチームで介入することが求められます。
例えば、入院前に介護者となる家族の情報、退院後に必要となる公的な支援などの問題を把握することで、早い段階から介入でき、スムーズな退院支援が可能となります。これは医療者の負担軽減や経営面の効率化だけでなく、患者さんへの適切な支援の提供につながります。
近年、予定入院については専門チームが介入するPFM(Patient Flow Management)を基幹病院や大学病院が積極的に導入しており、その成果を受けたものといえるでしょう。

【新設】

入退院支援加算(退院時1回)

  • 自宅等(他の保険医療機関から転院する患者以外)から入院する予定入院患者で、入退院支援加算を算定する患者に対して算定
  • 入院の予定が決まった患者に対して、入院中の治療や入院生活にかかる計画に備え、入院前に次の内容を含む支援を行い、入院中の看護や栄養管理等にかかる療養支援の計画を立て、患者および関係者と共有する

(1) 身体的・社会的・精神的背景を含めた患者情報の把握
(2) 褥瘡に関する危険因子の評価
(3) 栄養状態の評価
(4) 持参薬の確認
(5) 入院中に行われる治療・検査の説明
(6) 入院生活の説明
(7) 退院困難な要因の有無の評価

ガイドラインを踏まえた看取りの充実

住み慣れた地域で最期までその人らしく生活ができること、その支援に欠かせないのが在宅での看取りです。医療と介護の連携を推進し、その人が望む看取りを実現するためにターミナルケアにおいては、「人生の最終段階における医療の決定プロセスに関するガイドライン」等を踏まえた対応を行うことが算定要件に盛り込まれました。
また、特別養護老人ホーム等の入所者に対するターミナルケアを含めた訪問診療、訪問看護の提供の評価を充実させています。

【現行】※診療報酬における対応

在宅ターミナルケア加算(在宅患者訪問診療料)
機能強化型在支診・在支病(病床あり) 6,000点
機能強化型在支診・在支病(病床なし) 5,000点
在支診・在支病 4,000点
その他の医療機関 3,000点
訪問看護ターミナルケア療養費 20,000円

【改定後】

在宅ターミナルケア加算(在宅患者訪問診療料)
※ 有料老人ホーム等とそれ以外で報酬を区分
機能強化型在支診・在支病(病床あり) 6,500点
機能強化型在支診・在支病(病床なし) 5,500点
在支診・在支病 4,500点
その他の医療機関 3,500点
訪問看護ターミナルケア療養費※1
 訪問看護ターミナルケア療養費1 25,000円
(新設)
 訪問看護ターミナルケア療養費2 10,000円

※1 在宅患者訪問看護・指導料・同一建物居住者訪問看護・指導料の該当加算についても同様

また、介護報酬改定における対応においても、訪問看護、定期巡回、随時対応型訪問介護看護、看護小規模多機能型居宅介護のターミナルケア加算の算定要件として、「人生の最終段階における医療の決定プロセスに関するガイドライン」などの内容をふまえて、利用者本人の意思決定を支援、尊重するとともに、医療・介護職が連携して対応することとなりました。

今回は、注目度の高い改定のポイントを3つに絞って紹介しました。看護師のなかには、経営やコストなどについてはあまり自信がないという人が多いかもしれません。しかし、管理者を目指す人や自分で看護専門外来を開設したいと考えている人の場合、経営の視点は欠かせません。自分が関わるケアについて、特に診療報酬が算定できる場合には注意深く情報を追うことが重要です。

参考
厚生労働省:中央社会保険医療協議会
厚生労働省:平成30年度診療報酬改定について

TOPへ