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飯田恭子先生の 「明日使える」ナースのための英語Lesson 第6回 処置室での採血・注射

医療英語 > ナースのための英語Lesson

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 看護師にとって採血や注射は日常的な診療の補助業務の1つですが、患者さんにとっては緊張や不安が大きいもの。安心して採血や注射を受けてもらうためには看護師の技術だけでなく、声がけも重要です。

 ちなみにアメリカには、病院やクリニックで採血やライン確保を専門に行う「フレボトミスト(Phlebotomist)」という職種があります。phleb-とは、ラテン語で「静脈」を指し、フレボトミストは「静脈切開を施す人」という意味です。

 日本ではライン確保は医師が行いますが、将来は特定看護師やNP(ナースプラクティショナー)などのスペシャリストの領域になる方向のようです。その他、看護師資格だけでは採血業務ができず、講習や実技試験を受けるなど採血を行うための資格を取得する必要がある国もあります。国によって看護師の業務範囲が異なることも覚えておきましょう。

 今回は、採血・注射時の会話例からポイントを紹介します。

【今回の場面】

医師から採血の指示を受け、患者さんに処置室に入るように伝えた。採血の準備をして看護師が処置室に入る。

〈会話例〉

ミスター スミス、
Mr. Smith,
プリーズ テイク ア シート
please take a seat.
スミスさん。
こちらにお座りください。

オーケー
Okay.
わかりました。

アイ アム ゴーイング トゥ テイク ア ブラッド サンプル。
I’m going to take a blood sample.
採血をします。

プリーズ セイ ユア フル ネーム
Please say your full name.
お名前をフルネームで言ってください。

アイム ジョン スミス
I’m John Smith.
私はジョン・スミスです。

(採血管の名前を確認する)
ハブ ユー エヴァー フェルト シック
Have you ever felt sick
デュアリング ア ブロッド テスト?
during a blood test?
採血で気分が悪くなったことはありますか?

エヴァー デベロップド ア ラッシュ
Ever developed a rash
ビコーズ オブ ラビング アルコール?
because of rubbing alcohol?
アルコールでかぶれたことはありますか?

ノー ネバー
No. Never.
いいえ。

オーケー。
Okay.
プリーズ エクスポーズ ユア アーム
Please expose your arm.
わかりました。
腕を出してください。

アイ ヘイト ニードルズ
I hate needles.
私は注射が嫌いです。

アイ シー。
I see.
ソー ユー ヘイト ニードルズ
So, you hate needles.
そうですか。
注射嫌いなのですね。

ユー キャン ドゥ イット
You can do it.
がんばりましょうね。

キャン ユー プット ユア サム
Can you put your thumb
イン ユア パーム アンド メイク ア フィスト?
in your palm and make a fist?
親指を中に入れて握ってください。

アイ ホープ イット ウォント ハート
I hope it won’t hurt.
痛くないようにしてください。

イット ウィル ビー オーバー スーン
It will be over soon.
すぐに済みますよ。

ディス マイト プリック ア リトル
This might prick a little.
少しチクっとします。

アイ シー
I see.
わかりました。

プリーズ ブリーズ スローリー アンド リラックス
Please breathe slowly and relax.
ゆっくり呼吸をして力を抜いてください。

レット アス ノー
Let us know
イフ ユー ビギン トゥ フィール アンウェル
if you begin to feel unwell.
気分が悪くなったら教えてください。

~採血実施後~

プリーズ オープン ユア ハンド スローリィ
Please open your hand slowly,
アンド リラックス
and relax.
ゆっくり手を開いて楽にしてください。

ディス イズ イット
This is it.
これで終わりです。

プレス ハード ウィザウト マッサージング
Press hard without massaging.
もまずにぐっと押さえてください。

オーケー
Okay.
わかりました。

ユー ディド ヴェリー ウェル
You did very well.
よくがんばりましたね。

ディド ザット ハート
Did that hurt?
痛かったですか?

ア リトル。
A little.
バット イッツ オーケー
But, it’s okay.
少し。
でも大丈夫だよ。

ザッツ グッド
That’s good.
それはよかったです。

プリーズ ウェイト イン ザ ウェイティング ルーム
Please wait in the waiting room
アンティル ユア ネーム イズ コールド
until your name is called.
お名前が呼ばれるまで待合室でお待ちください。

サンキュー
Thank you.
ありがとう。

ポイント1:苦手なことも励ましの言葉で乗りきれる

 苦手な検査、治療を受ける患者さんに対しては、一言励ましの言葉を添えたいものです。会話例のなかにあったYou can do it.やYou did very well.などの直接的な励まし以外にも、That’s good. やI’ll do my best.など、相手のがんばりをともに喜び、看護師が最善を尽くす姿勢を言葉で示すこと、It will be over soon.のように「すぐに終わります」と伝えることも励ましの言葉に含まれます。手技が終わった後は、Did that hurt? と確認するなどの配慮も必要でしょう。

 このほかにも緊急時などに、I assure youアイ アシュラ ユー,the doctor will come soonザ ドクター ウィル カム スーン. (医師がもうすぐ来るので大丈夫ですよ)などの声がけをすることも大切です。assureは「保証する」「確信する」という意味で、患者さんを安心させるときに使います。

ポイント2:患者さんの言葉を繰り返すことで不安への理解を示す

 痛みを伴う検査や治療を受ける際、患者さんは不安なものです。その思いを伝えているにも関わらず、何も答えずに次、次と進んでしまったら、患者さんはますます不安になるでしょう。患者さんが不安を口にしたとき、その言葉を繰り返すことで、不安を受け止めていることを患者さんに伝えることができます。

 今回の会話例では、注射が嫌いで不安に感じている患者さんが、I hate needles.と伝えています。これに対して看護師がI see. So, you hate needles.と繰り返すことで、その思いを受け止めていることが患者さんにも伝わり、不安の軽減につながるのではないでしょうか。

 また、外国人の患者さんにとって、次の行為がわからない状況は不安なものです。診察、検査、治療を受ける場合はもちろん、その合間の行動に対しても明確に指示をすることが重要です。会話例で示したようなPlease take a seat.やI’m going to take a blood sample.なども患者さんに明確に伝えましょう。また、医療安全の視点からも名前や採血で気分が悪くなったことがあるかなどを確認することが重要です。

 処置が終わった後はどうすればよいのか、会話例のPlease wait in the waiting room until your name is called. のように、次の指示をはっきりと伝えることも大切です。

今回紹介した会話の用語解説

rubbing alcoholラビング アルコール(皮膚の)消毒用のアルコール
rubbingは動詞「rub」の現在分詞で、rubはこする、摩擦するという意味。
blood sampleブラッド サンプル 血液検体
take a blood sampleで採血をするという意味になります。
blood testブラッド テスト=血液検査、
blood typeブラッド タイプ=血液型、
blood sugar levelブラッド シュガー レベル=血糖値、
blood in the urineブラッド イン ザ ウリン=血尿
です。
thumbサム 親指
little finger=小指、
third finger=薬指、
middle[second] finger=中指、
forefingerフォアフィンガー=人差し指
palmパルム 手掌
fistフィスト 握りこぶし


 今回紹介したのは採血の場面でしたが、注射や点滴なども患者さんの状態を確認し、声がけをしながら行うことが大切です。また、医療安全の視点から、患者さんの名前確認など、院内で決められたチェックを忘れないように、英語での表現も学んでおきましょう。

(コラム)明日職場で話したくなる英語の語源~医療英語を楽しもう~

 医療現場でよく使われている単語のなかから、語源の意味や共通の語源を持つ単語を紹介します。明日職場で話したくなるのではないでしょうか。

Q.temperatureテンプラチャーのtemp-と同じ語源をもつ料理は?
 temperatureは、体温、熱、高熱などの意味で、医療現場においては、rectalレクタル temperature=直腸温、oralオーラル temperature=口腔温、axillaryアクシラリー temperature=腋窩温など、さまざまな温度測定の方法が用いられています。temp-と同じ語源をもつ料理は何でしょうか。

A. 天ぷら
 temperatureに関連する単語は、ラテン語のtempus(時)といわれています。ちなみに「こめかみ」は英語で「temple」といいますが、これも語源はtempusといわれています。こめかみは脈がふれる場所で、時を刻む部位だといえます。

 一方、天ぷらの語源には諸説あります。そのうちのひとつがポルトガル語の「temporas」で、「斎時」を意味する単語です。この「temporas」のルーツとされているのがラテン語のtempusで、temperatureと同じ語源となります。ポルトガルでは、斎時に衣をつけて揚げた料理を食べる習慣があり、ポルトガルからこの料理が日本に伝わったときに、天ぷらと名付けられたとする説があります。

Q.plateletプレートレットのplat-と同じ語源を持つ歴史上の人物は?
 血小板を意味するplateletのplat-と同じ語源を持つ名前の歴史上の人物は誰でしょうか。

A.プラトン
 古代ギリシャの哲学者で、ソクラテスを師に持つプラトンは、その弟子のアリストテレスとともに、西洋哲学の祖としても知られています。本名はアリストクレスですが、そのがっちりとした体格、平らで広い肩幅から、「平ら」の意味を持つ「プラトン」と呼ばれるようになりました。plat-には「皿」という意味があり、プラトンの名はその平らで広い肩幅が皿のようでもあったことから付けられた名前だったのです。ちなみにplateletのletは「小さい」ことを表す指小辞で、血小板は、「小さい皿」という意味です。


監修:飯田恭子
AFS8期生。神戸女学院大学英文学科卒業、東京大学理科Ⅱ類から医学部保健学科、同大学院博士課程修了。保健学博士。東京都立保健科学大学大学院教授を経て、現在、首都大学東京名誉教授、日本医療科学大学保健医療学部長を務める。
主な著書:「カレントメディカルイングリッシュ」「カタカナでわかる医療英単語」(医学書院)、「ナースのための早引き看護用語・略語ハンドブック」「早引き看護・カルテ用語事典」(ナツメ社)など

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