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部分浴(手浴・足浴)の効果

仕事に役立つ看護手技 > 生活介助・ケア 編

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患者さんの状態によって全身浴が難しいとき、手や足をお湯に浸けるだけでも一定の効果があると聞きました。本当ですか?

本当よ。特に足浴は効果が高いと言われているわ。
状況が許せば、積極的に患者さんにお勧めしてみるといいわ。

リコ:先輩が患者さんの足浴をしているところを見たのですが、お湯に浸かった途端に表情がフワッと柔らかくなって、とても気持ち良さそうでした。
「清拭以上の何か」があるんでしょうか。

ヨシミ:なかなか観察の着眼点がいいわね。
足浴のような部分浴の効果について、今回は考えてみましょうか。

お湯に浸かることでどんなメリットが?

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お湯に浸かることで得られる効果としては、どんなことが考えられると思う?
(1)血流やリンパ液の循環が促進される
(2)皮脂や汗を除去して清潔を保つことができる
(3)温熱効果でリラックスできる

といったところが代表的かしら。それぞれについて、見ていきましょうか。

まず(1)についてだけれど、お湯の温かさの作用で血管が拡張し、血液の流れが良くなると、お湯に浸かった部分だけでなく全身の血液循環が良くなるのよ。
血管は全身を走っているわけだから。
リンパの流れも同じね。
リンパ管が拡張して周囲のリンパ液がリンパ管に戻ることを促進すれば、老廃物の滞りも改善することが期待できるわ。

(2)はわかりやすいわね。
お湯で皮膚が潤って表面に付着している皮脂や汗などの汚れが取れやすくなるし、お湯の温かさの作用で毛穴が開くから毛穴に詰まっている老廃物も除去できるわ。
皮膚を清潔に保つことは些細な話のように思うかもしれないけれど、ケアや治療にも大きな好影響をもたらすのよ。
例えば、自力で体動を起こしにくい患者さんでは、褥瘡のリスクが高まるでしょ。
このとき、皮膚が清潔でなかったり脆弱だったりすると、一段と褥瘡リスクが高まるわ。
また、皮膚に傷がある場合、その周囲を清潔に保ったり血流を良くしたりすることは、創治癒を早めることにつながるのよ。

そして(3)は、精神的ケアにも関連する話ね。
例えば、健康な人であっても、キャンプや登山でシャワーさえ満足に浴びることができない環境に置かれたら、かなりストレスがたまるはず。
ただ、湯舟に浸かることは望めなくても、簡易シャワーを浴びることができれば、疲れが吹き飛んで爽快な気分になるでしょう。
温泉の足湯なんかもそうだけれど、お湯に浸かること自体にリラクセーション効果があるわけね。

部分浴のやり方には、こんな工夫もアリ!

こうして「お湯に浸かることの効果」を見てくると、必ずしも全身浴でなければ効果が得られないわけではないことが分かるわね。
1日に何度も温泉に入ると「湯疲れ」することからも分かるように、全身浴は結構な体力を消耗するけれど、部分浴なら体力的に困難と思われる患者さんでも医師の許可が出ることがあるわ。
そうであれば、ぜひ患者さんにやってあげてね。

部分浴は簡便性も大きなメリットだから、大きなバケツがなくても洗面器にお湯をためるだけでいいわ。
ビニール袋にお湯を入れて片手・片足ずつ部分浴するという工夫もアリね。
ドレーンを挿入している患者さん、人工呼吸器を装着している患者さん、術後まもない患者さん、終末期の患者さんなどでも、状態によっては部分浴が可能よ。

ちなみに、部分浴をするとき、周囲の環境を整えると、よりいっそうリラクセーション効果を高めることができるのよ。
例えば、部屋の照明を落としたり、ヒーリングミュージックを流したり、アロマを使ったりね。
アロマは、ただ香りを嗅ぐだけの方法もあれば、お湯に香りの元となるエッセンシャルオイルを垂らす方法もあるわ。
エッセンシャルオイルは植物から抽出したもので、血流促進作用や殺菌作用などを得ることもできるのよ。
患者さんの好みに合わせてアレンジできればいいわね。

疲れているし時間もないからと湯舟に浸かる習慣がない人がいるけれど、それでも、洗面台にお湯を張って手浴をしたり、シャワー中に洗面器で足浴をしたりするだけで、疲れの取れ具合が違ってくると思うわよ。
患者さんだけでなく自分自身のケアにも使えるという視点で、部分浴をとらえてみてもいいかもしれないわね。


私はしっかり湯舟に浸かる派なんですが、自分が病気で全身浴ができない状態になったとしたら、部分浴でもかなり気持ち良いだろうなあと思いました。

そうよね。状況が許せば、清拭で済ませるより患者さんに喜んでもらえるんじゃないかしら。

監修:医療法人社団航洋会 目黒通りハートクリニック 理事長/院長 安田洋先生

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