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看護あるある手技Q&A 身長・体重の測定

仕事に役立つ看護手技 > 生活介助・ケア 編

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立位が保持できない患者さんの身体測定はどのように行ったらいいですか?

身長・体重の推定値を求める計算式を使う方法もあるわよ。

リコ:特に高齢の患者さんなどは、立位を保持して身長や体重を計測するのが難しいときがありますよね。
体を支えながら計測できるケースもあるかと思いますが、転倒のリスクも出てきます。
無理に立ってもらわずに、安全に身体測定を行う方法はありませんか?

ヨシミ:ベーシックな測定方法に加えて、推定値を求める方法を知っておくと役立つと思うわ。

きちんとできている?正確な身体測定のコツ

身長や体重を測定するなんて簡単なことだと思われがちだけれど、正確に測定するためには押さえるべきポイントがあるわ。
ベーシックな身長・体重の測定方法を確認するところから始めましょう。

まずは測定前の環境調整だけれど、寒冷刺激によって筋緊張が起こると、測定結果にも影響が出てしまうわ。
室温は25℃程度に調整して、薄着になっても寒さを感じないように配慮しましょう。
また、身長計や体重計は安定した水平な場所に設置し、デジタル式なら電源が入るかチェックしておいてね。

身長を測定する際は、患者さんの姿勢に気をつけましょう。
後頭部、背部、殿部、踵部の4点をぴたりと尺柱につけるよう説明してね。
このとき、足先は30~40度くらいに開くことで、自然に両膝が伸びやすくなるだけでなく、安定した姿勢を保つことができるようになるわ。
顔は耳眼水平位(耳と目を結ぶ線が水平になる位置)を保つようにして、正面を向いてもらってね。
目盛りを読み取るときは、自分の目の高さを示度と水平にするのよ。

体重測定では、なるべく衣類を脱ぎ、薄着(下着姿など)になってもらったほうが正確に計測できるわ。
難しい場合は、衣類の重さを測定後に差し引きましょう。
デジタル式なら、事前に衣類の重さを入力しておくことで、正しい体重を表示させることも可能よ。
準備が整ったらゆっくりと台の中心に乗り、数値が安定するまでは動かずに立位を保ってもらいましょう。
誤差が生まれないよう、測定中は体重計以外のものに身体が触れていないか確認してね。

身長と体重を「推定」する方法は?

このように身長・体重測定の際は一定の時間、立位を保持する必要があるわけだけれど、高齢の患者さんのように立位が不安定だったり、拘縮があって四肢伸展が困難だったりする場合は、通常の方法では測定できないことがあるわ。
そこで、推定値をはじき出す方法が複数考案されてきたのよ。

身長の場合は、膝高を使った宮澤式推定計算式が有名ね。
膝高を求めるには、仰臥位で膝関節と足関節を90度に曲げ、踵の真下の足裏から脛骨に沿って膝の真上までの長さを計測するの。
0.1cmの近似値を読み取り、2回計測して平均値を求めるのがより正確な方法よ。
そうして出た値を次の計算式に当てはめてみましょう。

【宮澤式身長推定計算式】

男性の推定身長(cm)
=64.02+膝高(cm)×2.12-年齢(歳)×0.07

女性の推定身長(cm)
=77.88+膝高(cm)×1.77-年齢(歳)×0.10

また、両上肢を左右水平に伸ばして、両手の中指先端を結ぶように測った長さが身長に近いともいわれているわ。

体重の場合は、横になったまま測定できるストレッチャータイプや、車椅子のまま乗れるタイプの計測器もあるわ。
そうした計測器がない場合は、簡易的な体重推定法として、次のような計算式が考案されているのよ(いずれも起立困難な高齢者を対象とした研究より導かれたもの)。

【膝高と腹囲から求める体重推定式の一例】1)

推定体重(kg)=
-34.2-1.95×性別(1 or 2)-0.104×年齢(歳)+0.712×腹囲(cm)+0.778×膝高(cm)
※性別は、男性は1、女性は2として計算する。

【性別ごとに求める体重推定式の一例】2)

男性の推定体重(kg)=
0.660×腹囲(cm)+0.702×下腿周囲長(cm)+0.096×年齢(歳)-26.917

女性の推定体重(kg)=
0.315×腹囲(cm)+0.684×上腕周囲長(cm)+0.183×身長(cm)-28.788

もちろん、これらはあくまで推定値にすぎないけれど、立位保持が困難な患者さんでは役立つ場面もあるはずよ。
まずは自分の体の測定値を計算式に当てはめてみて、どんな結果が出るか確かめてみるといいと思うわ。


身長や体重は治療やケアの基礎となるデータの1つですから、できるだけ正確に測定しようとする意識が大切ですね!

測定が難しいと患者さんの自己申告をもって身長・体重のデータとしてしまうこともあるようね。
ただ、患者さんの思い違いがあったり、かなり古い測定結果だったりする場合もあるから、気をつける必要があるわよ。

参考文献
1)瀬埼美貴, 飯島良江, 佐々木貴子・他: 起立困難な高齢者における簡易体重推定法の検討.日本静脈経腸栄養学会雑誌. 2016; 31(3): 843-8.

2)大西玲子, 藤井弘二, 津田博子・他: 寝たきり要介護高齢者における体重推定式の作成.日本老年医学会雑誌. 2012; 49(6): 746-51.

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監修:医療法人社団航洋会 目黒通りハートクリニック 理事長/院長 安田洋先生

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