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日本看護協会の認定看護師制度再構築の背景とは

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特定の看護分野で高い看護技術と知識を持ち、実践や相談、指導を担う認定看護師。1995年に皮膚・排泄ケアと救急看護分野が特定され、翌年から教育課程がスタートし、現在は21分野にまで増えています。一方で社会の変化に伴い、医療や看護におけるニーズが変わっていくなかで、現行の認定看護師制度では対応が難しい状況も発生していることから、日本看護協会では、認定看護師制度の再構築を進めています。

認定看護師が活躍するフィールドの拡大

認定看護師制度は、特定の分野で高い水準の知識や技術を学んだ看護師が、その専門性を発揮して質の高いケアを提供したり、相談や指導にあたったりすることを目的に創設された制度です。例えば救急看護認定看護師は、救急医療現場における病態に応じた迅速な救命技術やトリアージ、災害時の急性期医療ニーズに対するケアが求められます。皮膚・排泄ケア認定看護師では、褥瘡などの創傷管理や、ストーマ・失禁などの排泄管理やセルフケアの支援など、その分野に応じて求められる知識、実践能力があります。

2017年には認定者数が21分野で18,728人にのぼり、1,000人を超える分野も7分野にまで増えています。
認定看護師の90%は病院に所属しており、最も多いのは300~399床の病院ですが、近年では200床以下の病院に所属する認定看護師の増加率が高くなっています。また、高齢化が進んで合併症を抱える患者さんの増加や、在宅への移行が進んでいます。

そのため認定看護師の活動自体も院内のコンサルテーションにとどまらず、地域へと拡大しています。急性期医療から在宅医療、病院から地域まで、と療養の場が拡大するなかで、今後も認定看護師がその知識や技術を発揮する場は広がっていくものとみられます。幅広く連携をはかり、あらゆる場で看護が必要な人を対象に、質の高いケアを提供できる人材が求められているといえるでしょう。

こうした医療・看護ニーズの変化のなかで、現行の認定看護師制度では、そのニーズに合致しなくなってきた側面があります。そのため、日本看護協会が制度の再構築へと乗り出しました。

認定看護師教育と特定行為研修を統合した新制度

さらに認定看護師制度の再構築には、特定行為研修の創設も深くかかわっているといえます。特定行為研修は、看護師が手順書によって特定行為を行う場合に必要とされる専門的な知識や技術、さらに臨床における判断力や思考力を身につける研修制度です。

慢性的な医師不足のなかで、特定行為研修を修了した看護師によるタイムリーなケアの提供は、医療者側だけでなく患者さんにとってもメリットが大きいです。そのため研修受講志望者を積極的に支援する医療機関も増えています。また、厚生労働省でも「2025年に向けて10万人以上の養成を目指す」としており、身近な場所で研修を受けられる教育機関などの整備を進めています。

現在、日本看護協会が実施する特定行為研修は認定看護師の教育がベースとなっていますが、その他の研修施設においては、認定看護師の資格が受講要件とはなっていません。今後も指定研修機関の増加が見込まれるなかで、教育の質の担保は大きな課題といえます。

日本看護協会は以下の2点を目標とした認定看護師制度への改定を目指しています。認定看護師制度を維持し、さらにその価値を高めていくことを念頭に、再構築をはかっていく考えです。

(1)医療とケア、生活を見据えた地域完結型の医療体制のなかで専門的な知識と実践力の習得
(2)特定行為研修における臨床推論やフィジカルアセスメント、臨床薬理学などの修学

〈新しい認定看護師制度のイメージ〉

“新”認定看護師制度の枠組みとスケジュール

日本看護協会では、新しい枠組みの認定看護師教育を2020年度に開始し、現行制度での認定看護師教育は、2026年度に廃止するスケジュールで計画を進めています。2020年度から2026年度までは現行の認定看護師教育と新しい認定看護師教育が並行して行われることになります。

すでに認定看護師の資格を取得している看護師に対しては、所定の特定行為研修を修了することで新制度への移行を可能にする予定です。
新しい認定看護師制度の枠組みは、これまでと違い、疾患軸(5疾患5事業)と、生活軸、成長発達軸、活動の場の軸の4点で整理しています。現在は21分野の認定看護師制度ですが、この軸のなかで重なる分野を統合し、新制度では18分野で検討を進めています。

〈現行の認定看護師分野と新制度の認定看護師分野(案)〉

現行の認定看護師分野 新制度の認定看護師分野(案)
緩和ケア がん緩和ケア
がん性疼痛看護
がん化学療法看護 がん薬物療法看護
がん放射線療法看護 がん放射線療法看護
乳がん看護 乳がん看護
新生児集中ケア こどもケア
小児救急看護
救急看護 クリティカルケア
集中ケア
手術看護 手術看護
不妊症看護 生殖看護
訪問看護 在宅ケア
慢性呼吸器疾患看護 呼吸器疾患看護
慢性心不全看護 心不全看護
脳卒中リハビリテーション看護 脳卒中看護
透析看護 腎不全看護
認知症看護 認知症看護
摂食・嚥下障害看護 摂食嚥下障害看護
糖尿病看護 糖尿病看護
皮膚・排泄ケア 皮膚・排泄ケア
感染管理 感染管理

今後さらに詳細が明らかになってくるものとみられますが、これから認定看護師を目指す人、特定行為研修の受講を考えている人は、新しい制度についての情報を随時入手しておきましょう。

ナースフルでは働く看護師さんを応援しています。
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参考
日本看護協会:認定看護師制度の再構築
日本看護協会:協会ニュース
厚生労働省:指定研修機関における特定行為区分一覧(平成30年2月現在)

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