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話題の腸内フローラ 期待される高齢者ケアへの効果

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高齢になるほど腸内の有害菌の割合が増加

健康雑誌やメディアで取り上げられるなど、一般の人にも広く知られるようになってきた腸内フローラ(腸内細菌叢)。
近年、遺伝子解析などによって腸内細菌の研究が進み、医療や介護の現場における高齢者ケアに役立つとして注目されています。

腸内細菌には有用菌(善玉菌)、有害菌(悪玉菌)、日和見菌の3種類があります。
有用菌の代表は、ビフィズス菌や納豆菌などで、有害菌の代表はウェルシュ菌、ブドウ球菌、大腸菌など。
有用菌2:有害菌1:日和見菌7 の割合が腸内にとって最も良い環境だといわれますが、腸内フローラの割合は年齢とともに変化し、高齢になるほど有害菌の割合が増えます。

高齢者は、腸内環境の乱れに加えて食事量や水分量の減少、運動不足などで便秘になりやすく、緩下剤を処方されている人も少なくありません。
しかし、長期間漫然と服用を続けるのではなく、日々の食生活で腸内環境を整えることが重要となります。

手軽に摂取できるプロバイオティクスとプレバイオティクス

そこで注目されているのが、プロバイオティクスとプレバイオティクス。
プロバイオティクスは、腸内細菌のバランスを整える微生物やそれを含む食品で、ビフィズス菌などの発酵乳をいいます。
一方プレバイオティクスは、有用菌を増殖させたり、有害菌の増殖を抑えたりする難消化性食品の成分で、オリゴ糖や食物繊維が該当します。
プロバイオティクスやプレバイオティクスは、栄養補助食品で簡単に取り入れることができ、経口摂取可能な人であればヨーグルトなどの発酵食品を食べて補うことができます。

特に高齢者ケアでは、経腸栄養法を実施している患者さんへの有用性にも期待が寄せられています。
経腸栄養法を受けている患者さんに対しては、漫然と腸刺激性下剤や浣腸が使用されている現状があり、患者さんに苦痛を与える原因にもなっています。
おむつを使用している場合、頻回な下痢はスキントラブルにつながりやすいですが、食品で腸内環境が整えられれば、スタッフや家族のケアの負担も大きく減らすことができます。
また、腸内環境の改善は、感染症予防にも役立つことがわかっており、プロバイオティクスによる感染性胃腸炎の予防、症状軽減効果などを期待して取り入れる病院や介護施設が増えています。

近年では、プロバイオティクスとプレバイオティクスの両方が含まれる食品、シンバイオティクスの効果についても研究が進んでいます。
また、直接あるいは腸内フローラを介した免疫賦活作用、整腸作用、血圧降下作用などがある乳酸菌の菌体成分、植物フラボノイド、DHA、EPAなどのバイオジェニックスと呼ばれる食品にも注目が集まっています。

腸内環境を整えることは、生活習慣病やがん予防にも役立つ

同じ条件下で生活をしていても、腸内フローラの違いによって肥満や高血圧、糖尿病へのなりやすさが変わるなど、生活習慣病の発症にも影響を与えるといわれています。
このほか、ろ過した健康な腸内フローラをもつ人の便を腸内に移植することで腸内環境を整え、クロストリジウム・ディフィシル感染症や潰瘍性大腸炎などを治療する糞便移植療法の研究が進められるなど、腸内環境の正常化が治療になる可能性も高まっています。

年齢だけでなく、生活習慣の乱れ、過多なストレスなどによって日和見菌は有害菌へと傾くため、仕事で疲労が溜まっている人、ストレスを抱えている人は要注意。
便やおならが臭う、腹部が張る、肌荒れや体臭、口臭がある、疲労感が強く、風邪を引きやすい・・・、こんなときは有害菌が優位となっていると考えられます。
患者さんへのケアにプロバイオティクスやプレバイオティクスを活用することはもちろんですが、自身の体調管理のためにも、腸内環境の改善に努めましょう。

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