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看護あるある手技Q&A 血液検査の検査項目(生化学:蛋白質・含窒素成分・脂質・糖質関連物質編)

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血液生化学検査において、逸脱酵素のほかにはどんな項目に注目すればいいですか?

蛋白質・含窒素成分・脂質・糖質関連物質についても押さえておきましょう!

リコ:前回は逸脱酵素について詳しく学びましたが、それ以外にも生化学検査にはたくさんの項目がありますよね。

ヨシミ:血液の検査からどれだけ多くのことがわかるのか、あらためて驚いちゃうわね。
今回は、生化学検査のうち蛋白質・含窒素成分・脂質・糖質関連物質について学んでいきましょう。

蛋白質:アルブミンとグロブリンの比に注目!

蛋白質に関する項目では、総蛋白およびアルブミンの数値を確認するのが基本となるわ。

総蛋白は血液中に含まれる蛋白の総量のことで、この値が高ければ栄養過剰脱水症状のほか、高タンパク血症多発性骨髄腫原発性マクログロブリン血症肝硬変などが疑われるわ。
一方、低値を示すときは、蛋白質の摂取不足による栄養障害のほか、ネフローゼ症候群悪性腫瘍などのおそれもあるの。

総蛋白のうち約2/3を占めるのが肝臓で合成されるアルブミンであり、主に栄養状態を反映する指標となるものよ。
残りの1/3はグロブリンと呼ばれ、各種の炎症性疾患や感染症などで増加することが多いわ。
つまり、「総蛋白=アルブミン+グロブリン」となり、グロブリンの数値は「グロブリン=総蛋白-アルブミン」と計算して求められるわけね。

ここで肝心なのが、アルブミンとグロブリンの比(A/G比)よ。
たとえ総蛋白の値が基準範囲内でも、A/G比を見ることで異常を発見できることも多いわ。
特にA/G比が低下しているときは、アルブミンの割合が低下している(=栄養状態が悪い)、グロブリンが増加している(=炎症が増悪している)といった状態を示すため、さらに詳しい検査が必要になるわ。

含窒素成分:血液から分かる腎機能のバロメーター

腎機能を図る指標となる含窒素成分として、まず挙げられるのが尿素窒素よ。
血中尿素に含まれる窒素成分の値を示したもので、腎機能の低下や尿毒症、脱水症などによって高値を示すわ。

そして、尿素窒素と並んで確認したいのがクレアチニンね。
筋肉量が多いとクレアチニンの量も多くなることから、基準値は男女別に設けられているわ。
クレアチニンは腎外性因子の影響を基本的に受けないため、腎機能を示す有力な指標となってくれるの。
クレアチニンが高値の場合は腎炎や糖尿病性腎症、腎不全など、低値の場合は筋ジストロフィーといった筋疾患や妊娠などを示唆するわ。
なお、クレアチニンは腎血流量の減少で上昇するため、利尿薬の投与などでも増加することに注意してね。

脂質:コレステロール値のバランスをチェック

総コレステロールは、脂肪酸と結合していないコレステロールと結合しているコレステロールの2つを合わせた総称で、胆汁やホルモンの材料になったり細胞膜を構成したりと、体内で大切な役割を果たしているわ。
高値の場合は、脂質代謝異常や家族性高コレステロール血症などが疑われるの。

そして、患者さん自身も興味を持つことが多い項目が、「悪玉」とも呼ばれるLDLコレステロールと、「善玉」とも呼ばれるHDLコレステロールね。
LDLコレステロールが高値になると血管壁に蓄積して動脈硬化を進行させてしまい、HDLコレステロールは血管壁の余分なコレステロールを取り除いて肝臓に運んでくれるため、低値になることで動脈硬化のおそれが高まるわ。
一般に、LDLコレステロールとHDLコレステロールの比(LDL-C/HDL-C)が2以下となるのが理想的とされているわ。

糖質関連物質:糖尿病を診断するための重要項目

血糖値は血液中に含まれる糖質のことで、ブドウ糖(グルコース)が主成分となっているわ。
高値であれば糖尿病甲状腺機能亢進症肝炎などの疑いがあるのはもちろん、低値の場合にも肝疾患腎疾患などが予想されるため、精密検査が必要になるの。
血糖値は検査前の食事によって変動するから、採血のタイミングには工夫が必要よ。

また、糖尿病が疑われる患者さんなどを対象に、75gブドウ糖負荷試験(OGTT)を行って、血糖の正常化に遅れがないかインスリンの反応を調べることもあるわ。
具体的には、空腹時に75gのブドウ糖液を飲んでもらい、60分後と120分後に血糖値を測定するというものね。
負荷後2時間の基準値は140mg/dL以下となり、200mg/dL以上なら糖尿病型と判断されるわ。

表 血液生化学検査(蛋白質・含窒素成分・脂質・糖質関連物質)の検査項目と基準範囲

検査項目 基準範囲
総蛋白(TP) 6.5~8.5g/dL
アルブミン(Alb) 4.0~5.2g/dL
A/G比(A/G) 1.4~2.0
尿素窒素(BUN) 9~21mg/dL
クレアチニン(Cr) 男性:0.6~1.0mg/dL
女性:0.5~0.8mg/dL
総コレステロール(T-Chol) 150~219mg/dL
HDLコレステロール(HDL-C) 男性:40~70mg/dL
女性:45~75mg/dL
LDLコレステロール(LDL-C) 70~139mg/dL
グルコース(Glu) 65~109mg/dL

1つの検査値だけでなく、複数の検査値の比率を見ることも時に重要なのですね。

病態の理解や、患者さんからの質問に的確な説明をするうえで重要な項目がたくさん出てきたわね。
現場でも検査値を積極的にチェックして、実践的な力を養っていきましょう。

監修:医療法人社団航洋会 目黒通りハートクリニック 理事長/院長 安田洋先生

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