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看護あるある手技Q&A 血液検査の検査項目(凝固・線溶検査編)

仕事に役立つ看護手技 > アセスメント・記録 編

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凝固・線溶検査によって、どんなことがわかるのでしょうか?

血液を凝固させる、あるいは線溶させる力の強さを調べることで、様々な疾患や異常の存在を見つけることができるのよ。

リコ:出血傾向のある患者さんの血液検査結果が出たのですが、どの項目に注目したら状態を正しく把握できるのでしょう・・・。

ヨシミ:それじゃあ、前回学んだ血液一般検査に引き続き、今回は凝固・線溶検査についておさらいしましょう。

凝固・線溶検査で何が分かる?

凝固・線溶検査を理解する前提として、まずは止血が起こる仕組みについて押さえておきましょう。

血液凝固による止血は、最初のステップでは出血部位に血小板が集まって血小板血栓を作り、破れた血管に蓋をするように行われるわ(一次止血)。
さらに二次止血という段階があって、フィブリンというタンパク質が血小板と協力することで、より強固に出血部位を塞ぐの。
二次止血の機序は、血漿内成分のみが関与する内因系凝固と、血管外の組織因子も関与する外因系凝固に分けられるわ。
こうして起こった血液凝固も、やがては止血の役割を終えて線溶(血栓を作るフィブリンが溶解)することになるのね。

凝固・線溶検査は、このような血液の凝固能と線溶能を調べる検査で、出血傾向または血栓傾向が生じている場合の原因を突き止めるために行うものよ。
また、抗凝固薬を使った治療におけるモニタリングの指標にもなるわ。
というわけで、各項目の検査値が示唆する内容を基準値(基準範囲)()とともに見ていきましょう。

凝固能を反映する主な検査値

〇プロトロンビン時間(PT)

プロトロンビン時間は、出血が始まってから血液凝固因子であるプロトロンビンが産生されるまでの時間(秒)を測定するもので、外因系凝固のスクリーニング検査として行われるわ。
この時間が長くなればなるほど(PT延長)、凝固能が低下しているというわけね。
PT延長を示す代表的な疾患は播種性血管内凝固症候群(DIC)だけれど、ほかにも肝機能障害、ビタミンK欠乏症、ビタミンK拮抗薬であるワルファリン投与などでも延長が見られるの。

なお、プロトロンビン時間に関しては、正常なPT活性値100%に対する被検者のPT活性値を%で示したプロトロンビン時間活性(PT%)、測定値のばらつきや施設間差をなくすため、国際血液学標準化委員会の勧告に基づいて計算されるプロトロンビン時間国際標準比(PT-INR)という検査値もあるわ。

〇活性化部分トロンボプラスチン時間(APTT)

活性化部分トロンボプラスチン時間は、出血が始まってからフィブリンが形成されるまでの時間(秒)を測定するもので、内因系凝固のスクリーニング検査として行われるの。
プロトロンビン時間と同じように、APTTが延長するほど凝固能の低下を示唆するというわけ。
APTT延長を示す代表的な疾患としては、血友病A/Bやvon Willebrand病が挙げられるわ。

線溶能を反映する主な検査値

〇フィブリン・フィブリノゲン分解産物(FDP)/フィブリン分解産物Dダイマー(D-dimer)

フィブリンと、その前駆物質であるフィブリノゲンが、タンパク質分解酵素であるプラスミンに分解されて生じた産物がFDPで、線溶系亢進のマーカーの一つとして測定されるわ。

また、安定化フィブリンがプラスミンに分解された生じた産物がD-dimerで、これも線溶系亢進のマーカーの1つだけれど、二次線溶(フィブリン溶解による一般的な線溶)のみにおいて増加する点でFDPとは違った特徴があるの。

FDPもD-dimerも、播種性血管内凝固症候群や各種血栓性疾患の診断、病態把握、治療効果判定の指標などとして頼りにされているのよ。


凝固・線溶に関することだけでも、多くの検査値があるんですね。

ちょっと難しかったかもしれないけれど、それぞれの異常値が患者さんのどんな状態を示しているのか、少しずつでも覚えていきましょうね。

表 凝固・線溶検査の検査項目と基準範囲

検査項目 基準範囲
プロトロンビン時間(PT) 対照値±2秒
プロトロンビン時間活性(PT%) 70~100%
プロトロンビン時間国際標準比(PT-INR) 1±0.1
活性化部分トロンボプラスチン時間(APTT) 対照値±10秒
フィブリノゲン(Fbg) 150~400mg/dL
ヘパプラスチンテスト(HPT) 70~100%
アンチトロンビンIII(ATIII) 86.6~118.0%
フィブリン・フィブリノゲン分解産物(FDP) 10µg/mL以下
フィブリン分解産物Dダイマー(D-dimer) 1µg/mL以下
出血時間 1~5分

監修:医療法人社団航洋会 目黒通りハートクリニック 理事長/院長 安田洋先生

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