リクルートの看護師転職パートナー ナースフル

閉じる

明日役立つ手技から働き方、医療ニュースまで、看護に活かせる情報をお届け ナースフルマガジン

事例で学ぶ看護技術 薬液投与ルートにまつわる事故予防

仕事に役立つ看護手技 > 与薬・薬剤 編

当コンテンツは株式会社 リクルートメディカルキャリアが運営する「ナースフル」というサイト内のコンテンツです。
もし、当コンテンツに関してご不明な点がある場合は、こちらの運営者情報ページからお問い合わせください。


薬液投与ルートの管理は看護師の日常的な業務の1つですが、多くのミスが起こりがちな業務でもありますね。
ルートの数が多くなればなるほど、さらにルートに三方活栓を多く使用すればするほど、確認すべき点が増えて複雑になり、ミスのリスクも高まるわ。
実際にはどのようなミスが起こりやすいのか、事例から学んでみましょう。
●今回の事例:
ダブルルーメンの中心静脈カテーテルを使用している患者において、ブドウ糖をワンショット投与(側管注)しようとした。
ところが、誤ってアドレナリンのルートを選択したため、アドレナリンが押し出されて急速投与され、患者は心室細動をきたした。

複数のルートは指でたどって確認!

リコ:
今回の事例では、ダブルルーメンの中心静脈カテーテルを使ったワンショット投与において、ルートを誤ったことで重大な事故を引き起こしています。
複数のルートがあるときは、各ルートの役割を理解したうえで管理することが基本中の基本ですね。

ヨシミ師長:
そもそもワンショット投与は薬剤の効果が迅速に現れる効果的な手法だけれど、それだけに誤投与によるリスクが高いといえるわ。
特にダブルルーメンやトリプルルーメンのカテーテルにおいては、どのルートで何を投与しているのか確実にチェックする必要があるわね。

リコ:
複数の薬液投与ルートが交差していることで、輸液ポンプの流量入力を誤ることもあると聞きました。
輸液ポンプから最寄りの輸液バッグに接続されているとは限りませんから、ここも確認が必要なポイントですね。

ヨシミ師長:
ルートの取り扱いにおけるミスという意味では、酸素チューブや硬膜外麻酔用ルートの接続を誤ったり、接続が外れていたりするケースも報告されているのよ。

リコ:
誤接続や接続外れは、そのルートの役割によっては呼吸停止や心停止など最悪の事態を招くおそれもありますね。

ヨシミ師長:
いずれにおいても、複数のルートがある場合は全体をよく見て、正しく接続されているか(どこからどこへ接続されているか)指でたどってみるといいわね。
特に、夜間などで室内が暗い場合には注意が必要よ。

三方活栓では「薬液の流れ」を目視!

リコ:
ところで、ワンショット投与には閉鎖式輸液ラインを用いる場合と、三方活栓を用いる場合がありますよね。

ヨシミ師長:
三方活栓は感染の原因になりやすいといわれていて、現在では感染予防などの観点から閉鎖式輸液ラインの利用が推奨されているわ。
それに三方活栓は取り扱い上の注意点も多いのよね。
特に、薬液の流れる方向をきちんと理解していないと、コックの位置を誤ってしまいがちだわ。

リコ:
三方活栓には、L型(コックが1つで主に180度回転するもの)とR型(コックが3つで360度回転するもの)がありますよね。
「L型はコックのある位置が閉鎖」「R型はコックのある位置が開放」というのも、特に新人のうちは間違えやすいポイントではないでしょうか?

ヨシミ師長:
そうだと思うわ。
ほかにも、処置のために一時的にコックの向きを変えた後、戻すのを忘れて輸液ポンプの閉塞アラームが鳴ってしまったという話もよく聞くところね。

リコ:
コックの位置確認を確実にするため、三方活栓の操作後は必ず薬液の流れる方向を目視で確認することが大切ですね。

ヨシミ師長:
そういえばリコさんも新人の頃は、三方活栓の扱いに苦労していたわね。
180度回転のL型をそれ以上に回転させようとしたためコックが浮き上がって薬液を漏らしたり、三方活栓から点滴チューブを外す際、バルブごと外して薬液を漏らしたり・・・。

リコ:
そういえば、そんなことも・・・。
ルート内で三方活栓を使用するケースがゼロになったわけではありませんから、新人さんが同じ轍を踏まないよう、しっかりと注意点を伝授していきます!

参考資料
1)医薬品医療機器総合機構:薬液投与ルートの取扱いについて,PMDA医療安全情報No.47,2015.
2)医薬品医療機器総合機構:三方活栓の取扱い時の注意について,PMDA医療安全情報No.48,2016.

監修:医療法人社団航洋会 目黒通りハートクリニック 理事長/院長 安田洋先生

TOPへ