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膀胱留置カテーテル挿入時の尿道損傷の予防|看護あるある手技Q&A

仕事に役立つ看護手技 > 疾患・部位別の看護 編

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膀胱留置カテーテルを挿入・留置する際、尿道損傷を予防するためのポイントはどんなことですか?

尿道や膀胱の構造(男女差を含む)を踏まえて、しっかりとカテーテルを膀胱まで届かせること、カテーテルの不用意な動きを抑えることが大切よ。

リコ:患者さんに膀胱留置カテーテルを挿入したのですが、何だかちょっと痛そうな様子だったのが気になりました・・・。

ヨシミ:膀胱留置カテーテルでは尿道損傷に気をつけて処置をする必要があるわ。
どうすれば予防できるのか、ポイントを見ていきましょう。

感染予防はキホンのキ!

膀胱留置カテーテルは尿道カテーテル(以下、尿カテ)とも言うわね。
尿道を通してバルーンの付いたカテーテルを膀胱まで届かせたら、バルーンを膨らませて抜けないように留置するの。
目的は、例えば術後で水分管理が必要な患者さんに挿入・留置しておき、持続的に蓄尿バッグに尿を排出させることで、経時的に尿量を管理することね。
また、排尿障害を抱えた患者さんが排尿できるようにするためにも使われるわ。

膀胱や尿道内は基本的に無菌状態だから、尿カテの挿入にあたっても無菌操作を厳守する必要があるわ。
ベッド柵や患者さんの寝衣などに触れた尿カテを挿入したり、尿道口の消毒が不十分だったりすると、逆行性の尿路感染症を招くことになるわ。

尿カテの挿入キットは滅菌処理されているけれど、素手で中身に触れてしまったら何にもならないわよね。
また、本当はあり得ないことだけれど、患者さんのベッドの上に挿入キットの中身を広げてから、処置に入る看護師もいるという話よ。
そのほうがやりやすいのかもしれないけれど、ベッドは無菌ではないし、患者さんの体動でキットがひっくり返ってしまうおそれもあるわ。
絶対にマネしてはダメよ!

尿カテを無理に押し進めるのはNG!

尿カテを挿入する際、入れる角度や患者さんの体勢によっては抵抗(引っかかり)を感じることがあるかもしれないわ。
それでも無理に押し込んだら、尿道の内壁を傷付けてしまうおそれがあることは容易に理解できるわよね。
尿道は粘膜だから、とりわけ傷付きやすいのよ。

そうしたときは、いったん少し手前に引いてから入れ直してみましょう。
そもそもカテーテルが合っていないことも考えられるので、サイズをダウンするのもアリね。
あるいは、潤滑剤を多めに使うとか。また、患者さんが緊張していると外尿道括約筋が収縮して挿入しづらくなるから、深呼吸を促してお腹の力を抜いてもらう、羞恥心を抱かせない自然な態度を心がけるといったことも大切ね。

女性の尿道は3~4cmと短いけれど、男性の場合は15~16cmあるから、長い分だけ尿道損傷のリスクが高いことになるわ。
だから、男性への尿カテの挿入は医師が担当することにしている施設もあるのよ。
その場合は、看護師が医師の介助をすることも多いので、常に「次の手順」を意識しながら、スムーズに処置できるようサポートしましょう。
医師が処置をすると余計に患者さんを緊張させてしまうことがあるから、看護師から患者さんへの声かけも忘れずにね。

バルーンの拡張は尿流出の確認後!

尿カテを挿入する際は、
(1)尿の流出を確認
(2)蒸留水を注入
(3)膀胱内でバルーンを拡張
という手順になるけれど、尿の流出を確認する意義は何かしら? そう、尿カテが確実に膀胱内まで届いている証拠になるからよね。
でも、尿の流出を確認しなかったため、実際はバルーンが尿道内にあり、それが膨らむことで尿道損傷を招いたという事例は少なくないわ。

こうした事故を予防するためには、尿カテは十分な長さを挿入すること(尿の流出が確認できたら終わりではなく、さらに奥へ進める)、すぐに尿の流出がない場合は時間を置き、尿の流出を確認した後でバルーンを拡張するといった対策が必要よ。

男性の場合、大腿部での固定はNG!

さっきも言ったけれど、男性は尿道が長いうえ、陰茎が動きやすい構造をしているから、尿道損傷のリスクが女性に比べて高くなるわ。
だから、男性の場合、挿入後の尿カテを大腿部に固定することは避けるべきよ(女性の場合は可)。
体動に備えてゆとりをもたせたうえで、下腹部に固定しましょう。


女性の看護師の場合、男性の尿道の構造は自分のこととして理解できない壁がありますね。

そうね。
でも、解剖をイメージしながら経験を積めばカバーできると思うわよ。

監修:医療法人社団航洋会 目黒通りハートクリニック 理事長/院長 安田洋先生

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