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事例で学ぶ看護技術 胃瘻カテーテル取り扱い時のリスク

仕事に役立つ看護手技 > 疾患・部位別の看護 編

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胃瘻カテーテルの取り扱いのポイントは経鼻胃チューブと共通するものが多いと理解していますが、胃瘻カテーテル特有の問題もあるそうですね。
胃瘻を設置している患者さんはそもそも栄養状態が思わしくなく体力も低下しているから、誤ったカテーテルの取り扱いにより大きなダメージを与えてしまうことも考えられるわ。
適切な胃瘻カテーテルの取り扱いについて、事例から学んでいきましょう。
●今回の事例:
高齢男性の胃瘻カテーテル(パンパー型)を交換後、その留置状態を十分に確認しないまま経腸栄養剤を注入したところ、しばらくして男性は強い腹痛を訴えた。直ちに医師が診察した結果、腹膜炎を起こしていることが判明した。

胃瘻カテーテルでも留置確認がマスト!

リコ:
今回の事例では、経腸栄養剤の注入後、強い腹痛だけでなく血圧低下や顔面蒼白といった症状も見られ、早期に腹膜炎の診断ができたということでした。
ただ、腹膜炎は重篤な場合は命に関わることもあるので、とても恐ろしいですね。

ヨシミ師長:
そもそも胃瘻とは、PEG(経皮内視鏡的胃瘻造設術)によって腹壁から胃壁にかけて瘻孔を作り、そこに留置したカテーテルから経腸栄養剤や薬剤を投与するものよね。
この瘻孔はとてもデリケートだから、胃瘻カテーテル交換時などに損傷してしまわないよう細心の注意が必要だわ。

リコ:
瘻孔の損傷はカテーテルの交換時だけでなく、挿入時や抜去時にも起こるリスクがありますね。
特に瘻孔が完全に形成されていない造設早期や栄養状態が悪い状態では、瘻孔がカテーテル交換時の負荷に耐えられないこともあるかと思います。

ヨシミ師長:
今回の事例は、カテーテルが損傷した瘻孔から腹腔内へと逸脱し、そこへ経腸栄養剤が誤注入されてしまったものね。

リコ:
経鼻経管栄養ではカテーテルが気管に誤挿入されていないか確認する必要がありますが、胃瘻のカテーテルの場合も同様ですね。

ヨシミ師長:
そのための具体的な方法としては、カテーテルや内部ストッパーの状態を直接的に視認する「直接法」と、それ以外の「間接法」があるわ。

リコ:
直接法というのは、経鼻/経口内視鏡や経胃瘻内視鏡、X線撮影により確認する方法ですよね。
間接法にはどんなものがあるのですか?

ヨシミ師長:
経鼻経管栄養のときと同じように、胃内容物の吸引や送気音の聴取により確認することができるわ。
また、より確実性に優れた方法として、インジゴカルミン(青色の着色料)を入れた水を交換前に注入し、交換後に着色水を回収するスカイブルー法も推奨されているのよ。

バンパー型は埋没しないよう毎日チェック!

ヨシミ師長:
胃瘻カテーテルに関してもう一つ、気をつけてほしいポイントがあるわ。
それは、バンパー埋没症候群を防ぐという視点よ。

リコ:
バンパーというのは、カテーテルの内部ストッパーの種類ですよね。
月に1回程度の交換が必要なバルーン型と比べて、バンパー型はカテーテルが抜けにくく4~6か月に1回の交換で済むというメリットがあると聞きました。

ヨシミ師長:
そのバンパー型に特有のトラブルとして知られるのがバンパー埋没症候群よ。
外部ストッパーを過度に締め付けたことが原因となって血流障害から腹壁・胃壁が壊死し、バンパーが瘻孔に埋没してしまった状態を指すわ。
外部ストッパーをいつも通りに締めたつもりでも、患者さんの栄養状態の改善により腹部の脂肪が増加していて、結果的に胃壁が圧迫されてしまうというケースもあるわ。

リコ:
バンパー埋没症候群を防ぐためにはどうしたらいいでしょうか?

ヨシミ師長:
同じ部位に圧迫がかからないよう、定期的に外部ストッパーを回転させる必要があるわ。
1日に1回以上、胃瘻カテーテルを軽く胃内に押し込んで、スムーズに回すことができるか確認するのよ。
抵抗が強ければ、バンパーがすでに埋もれてしまっている可能性があるわ。

リコ:
胃瘻カテーテルを適切に管理するためには、日々のチェックを怠らないことが大切なんですね。

参考資料
1)医薬品医療機器総合機構:胃瘻チューブ取扱い時のリスク,PMDA医療安全情報No.43,2014.
2)日本医療安全調査機構:在宅における胃瘻カテーテル交換時のリスク,医療安全情報No.3,2013.

■胃瘻からの与薬(簡易懸濁法)を学ぶ
https://nurseful.jp/article/magazine/?p=1694

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監修:医療法人社団航洋会 目黒通りハートクリニック 理事長/院長 安田洋先生

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