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聴覚障がい者とのコミュニケーションはどのように使い分ける?

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聴覚障がい者が診察を受けるときの心配事とは

厚生労働省の全国在宅障害児・者実態調査(平成23年)によれば、「身体障害者手帳」を持つ聴覚障がい者は32万4000人となっています。しかし、日本補聴器工業会が行った「補聴器供給システムの在り方に関する研究」によれば、軽度な難聴なども含む補聴器の使用が必要な人は、日本人の15%以上、つまり6人に1人にのぼるともいわれます。加齢が聞こえの悪さの原因になることもあるため、高齢化が進むにつれ、さらに聴覚障がい者は増えるとみられています。

では、病院を受診したとき、聞こえの悪い人はどのようなことに不安を感じるのでしょうか。病院では多くのコミュニケーションが音声言語によって行われています。受付から診察室で呼ばれるとき、問診、診察、検査、治療など、すべてが音声言語で行われます。しかし、聴覚障がいがあると、それが遮断されてしまう、あるいはごく少ない情報しか入ってこないことになります。コミュニケーションがうまく取れないことは、聴覚障がい者に2次障害(聞こえないこと自体から生じる障がいではなく、人や社会とのかかわりのなかで生じる不自由さ、困難)を与えてしまうことにもなるのです。

聞こえが悪い人へのコミュニケーションの方法

聞こえが悪い人に対しての情報提供の手段には、筆談、拡声、口話、手話、合図など、さまざまなものがあります。聴覚障がい者とひとくくりにするのではなく、加齢による難聴者(老人性難聴)、病気などによる中途失聴者、ろう者では残存聴力や主に使用しているコミュニケーションの手段が異なります。たとえば手話はろう者の多くが使用していますが、中途失聴者では使いこなせない人もいますし、加齢による難聴者とのコミュニケーションには適していません。また、ろう者のなかには読解が苦手という人もいるため、筆談でのコミュニケーションでは不十分な場合もあります。

  • 手話通訳者を依頼する
  • 筆談と口話を交える
  • 筆談は文字だけでなくイラストも使う
  • 痛みの程度など、スケールが使えるものは使用する
  • 補聴器を使用していない高齢者には耳元ではっきりと話す
  • 補聴器をつけている場合にはその人の正面からゆっくりと話す

など、その人にとってもっとも適切なコミュニケーション手段を選択することが大切です。
 

医療者が手話を学ぶことのメリットは?

中途失聴者や加齢による難聴者との会話の場合、医療従事者側は患者から音声言語で情報を聞き取ることができます。しかし、ろう者の場合、その多くは医療従事者も手話通訳者や手話ができる家族などを介して情報を得なければなりません。

現在は、聴覚障がいを持つ人が安心かつ十分な医療が受けられるように、専門外来(聴覚障がい者外来など)を設けている医療機関や、院内に手話通訳者がいる医療機関もありますが、多くの場合は、ろう者自身が手話通訳者を手配しなければなりません。それでも手話通訳が入ることで、患者は自分の病気に関する情報を十分に入手することができますし、納得したうえで治療を選択することができます。医療従事者側も、診断や治療に必要な情報を正確に把握することができます。

しかし、医療者が手話を学ぶことによって、患者と直接コミュニケーションをはかることができ信頼関係が築きやすくなるという面もあります。手話通訳者が一緒に来院した場合であっても、看護師が直接手話で挨拶をすれば、患者にも安心感を与えることができます。また、手話は動きを伴い、表情などでも言葉を表現します。その動き、表情を読み取ることは、ろう者以外の患者さんへのケアにも役立つのではないでしょうか。

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