リクルートの看護師転職パートナー ナースフル

閉じる

明日役立つ手技から働き方、医療ニュースまで、看護に活かせる情報をお届け ナースフルマガジン

糖尿病足病変のセルフケア指導|看護あるある手技Q&A

仕事に役立つ看護手技 > 疾患・部位別の看護 編

当コンテンツは株式会社 リクルートメディカルキャリアが運営する「ナースフル」というサイト内のコンテンツです。
もし、当コンテンツに関してご不明な点がある場合は、こちらの運営者情報ページからお問い合わせください。


糖尿病足病変の患者さんにセルフケアをしてもらうとき、看護師にできる指導のポイントはありますか?

患者さんの生活習慣や性格を踏まえながら、無理なく実践できる方法を探っていきましょう。

リコ:糖尿病の患者さんにフットケアの指導をすることがありますが、いろいろと伝えても、結局実践してもらえないことが多いです。必要なことを確実に行ってもらうためには、どんな指導方法が効果的でしょうか?

ヨシミ:教科書的な「正解」を伝えるにとどまらず、患者さんと一緒に実践しやすい方法を見つけようとする姿勢が大切よ。

そもそもフットケアが必要な理由は?

なぜ、糖尿病になるとフットケアが必要なのか、明確に説明できるかしら?
1つめの理由は、高血糖の状態が続くと神経障害が生じて足の感覚が鈍くなり、ヤケドやケガに気づきにくくなるから。結果的に処置が遅れて、状態が悪化してしまうおそれがあるわ。加えて、動脈硬化が進むことで末梢の血流が悪化しがちなのよ。足の細胞に酸素や栄養が行き届かなくなるから、どうしても傷の治りが遅くなってしまうわ。
2つめの理由としては、高血糖の状態が続くと体の抵抗力が低下するから、傷から感染しやすくなってしまうの。ほんの少しの傷でさえ、大きなダメージにつながりかねないわ。

つまり、「異変を自覚しづらく」「治りにくい」から、傷の早期発見・早期治療が重要というわけね。適切な対応ができずに傷が悪化すると、細胞が壊死するだけでなく、最悪の場合は切断ということも考えられるわ。医療従事者の目が行き届かない外来患者さんには、特にしっかりとセルフケアをしてもらう必要があるわね。
そのために大切なのは、患者さんが実践しやすいレベルまで指導の内容を落とし込むこと。この観点から、「動機付け」「観察」「報告」という3つのポイントに分けてみていきましょう。

「観察」と「異変の報告」ができれば合格ライン!

まずは、観察のための動機付けよ。健康な人なら、「足の小指が柱にぶつかって痛い」といった感覚があれば、まず間違いなく自分の足の観察をするわよね。でも、感覚が鈍くなっている糖尿病の患者さんは、このようなプロセスをたどることができないから、感覚に頼らず意識的・習慣的に観察してもらう必要があるの。「なぜ、観察する必要があるのか?」「観察しなければどうなるのか?」を理解してもらえば、行動に移してもらいやすいはずよ。症例写真なども活用しながら、わかりやすい言葉で説明しましょう。
どうしても自分のこととして意識しにくいようなら、糖尿病の患者会に参加してもらうのも一つの手ね。医療従事者の言葉よりも、同じ疾患を抱える人たちのリアルな言葉のほうが耳を傾けやすいということもあるんじゃないかしら。

次に、具体的な観察の方法ね。普段の生活の中で素足を出す場面というと、帰宅後に靴や靴下を脱ぐときや、入浴時などかしら。そのタイミングで、習慣的に足を見てもらえるような工夫を考えてみましょう。
例えば、玄関や脱衣所などに鏡を置いたり、自分の足の写真を貼ったりするとどうかしら? 意識していなくても自分の足のことを思い出し、鏡で観察してくれるかもしれないわ。「穴があったら覗きたくなる」「矢印の方向を目で追ってしまう」というような人間心理を利用すると、さらに効果的ね。
また、日記や記録をつけるのが得意な患者さんなら、チェックシートやカレンダーを活用してもいいわね。

最後に大切なのが、異変をすぐに医療従事者に伝えることよ。ここまでできるようになれば、ひとまず合格ラインといえるわね。異変に対して自分で対処できるのは、もっと上のレベルだと思うわ。いきなり自分での対処まで求めて細かな指導をするのは、ほとんどの患者さんにとってハードルが高すぎるはず。結局、あまり理解できないままだったり、自己流で対応して傷が悪化してしまったりすることもあるのよ。初めのうちは、医療施設で治療を受けながら徐々にセルフケアの方法を学ぶことが、確実なセルフケアにつながるわ。実際の足の状態を写真に残し、それに対するケア方法とセットで記録しておくのもいいわね。自分だけのセルフケアノートができると、目に見える形で学びを残すことができ、患者さんのモチベーションアップにもつながるわ。


患者さんの習慣や得意なことに目を向けて、それに合わせた方法を指導することで、効果的なセルフケアが期待できるわけですね。

一律の指導方法を押し通すのではなく、一人ひとりの患者さんに合わせながら方法を工夫することが、看護師として腕の見せ所なのよ。

監修:医療法人社団航洋会 目黒通りハートクリニック 理事長/院長 安田洋先生

TOPへ