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知っておきたい最近の性感染症事情 ~プライバシーに配慮した指導、教育が重要~

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法律に基づく届出・報告義務対象の性感染症

 性感染症は、感染に気づかないまま進行すると、さまざまな疾患を引き起こすことがあります。男女ともに若者を中心に患者数は増加していますが、症状に気づきにくい、自覚症状はあっても羞恥心から医療機関を受診しにくく、治療が遅れるといった問題点があります。しかし、生殖年齢にある女性が感染を放置しておくと、妊娠時に母子感染を引き起こすこともあるため、予防や早期発見の啓発活動、治療に対する正しい知識の周知が求められています。
 性感染症は、「感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律(感染症法)」のなかで届出や報告が義務づけられており、下記のような種類があります。

・4類感染症:A型肝炎
・5類感染症(全数把握疾患):後天性免疫不全症候群(エイズとして発症していないものも含む)、梅毒
・5類感染症(定点把握疾患):淋菌感染症、性器クラミジア感染症、性器ヘルペス感染症、尖圭コンジローマ

 これらのうち、後天性免疫不全症候群を除く感染症については、「性感染症に関する特定感染症予防指針」が、後天性免疫不全症候群に関しては、「後天性免疫不全症候群に関する特定感染症予防指針」が厚生労働省大臣より公示されています。

増加する女性の「梅毒」感染者

 近年、特に女性の感染が問題となっている性感染症に、梅毒があげられます。
 梅毒は感染後2~3週間後に陰部に分泌物を伴う固いしこりが発生し、鼠径リンパ節の腫れなどの症状が見られることがありますが、痛みはなく、次第に症状も消失します。梅毒の進行は1~4期に大きくわけられ、その度に症状が消失することが特徴です。しかし、症状が消失しても治ったわけではなく、適切な治療を受けなければ徐々に進行していきます。抗菌薬の開発が進み、現在は3~4期の患者はほぼみられなくなりましたが、一度治療しても再感染の危険性があるため、注意が必要です。
 梅毒の病原菌である梅毒トレポネーマは感染力が非常に強いことでも知られており、後天性免疫不全症候群と同様に、全数把握疾患の5類感染症に分類されています。女性の感染拡大で母子感染した先天梅毒の増加も懸念されており、先天梅毒の胎児には、生後まもなく皮膚病変などがみられます。

感染拡大を防ぐために看護師としてできること

 国立感染症研究所の発表によれば、2015年10月28日時点で、2015年第1週から43週の報告症例数が2,037例にのぼりました。これは2014年の同時期の1.5倍に相当し、うち男性は1,463例と対前年同時期比で1.4倍、女性が574例で2.0倍でした。患者数は男性のほうが多いものの、増加率の高さでは女性が目立つ結果となっています。梅毒は抗菌薬の開発によって大幅に減少し、もはや過去の病気と考えられてきたことで、予防に対する意識が希薄になっていたことが感染者増加の原因のひとつと考えられます。
 特に男女の異性間性的接触による報告数が増加していることからも、男性から女性へ、女性から男性へと感染が拡大する悪循環に陥っているとみられます。患者数が増加する若年層を中心に、コンドームの使用による予防法や、不特定多数との性的接触が高リスクであることなどを周知させ、病気の正しい知識を啓発していくことが重要となります。
 看護師が事前に聞き取りを行う際には、プライバシーに配慮し、身体的な症状だけでなく、抱えている不安を受け止め、傾聴する姿勢が求められます。そのうえで患者さんに対しては、感染を拡大させないためにも適切な治療を受けることが重要であり、症状が消失しても継続する必要があることなど、パートーナーとの関係性を理解したうえで個別性の高い感染予防教育をすることが必要です。

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