リクルートの看護師転職パートナー ナースフル

閉じる

明日役立つ手技から働き方、医療ニュースまで、看護に活かせる情報をお届け ナースフルマガジン

吸入薬(定量噴霧式、ドライパウダー式)の与薬

仕事に役立つ看護手技 > 与薬・薬剤 編

当コンテンツは株式会社 リクルートメディカルキャリアが運営する「ナースフル」というサイト内のコンテンツです。
もし、当コンテンツに関してご不明な点がある場合は、こちらの運営者情報ページからお問い合わせください。


吸入薬を患者さんに投与するとき、膿盆や水を用意するのはなぜですか?

薬剤の種類によっては、 吸入後のうがいが必須だからよ!

リコ:喘息の患者さんに吸入薬の準備をしていたら、先輩に「膿盆と水を忘れているわよ!」と注意されてしまいました。錠剤でもないのに、どうして水が必要なんですか? 膿盆の使い道も、正直よく分からないのですが・・・。

ヨシミ:吸入薬はメリットが多いけれど、吸入前から吸入後まで、確認すべきことがたくさんあるのよ。看護師の対応が悪くて副作用が出てしまった・・・なんてこともあり得るから、ちゃんと確認しておかなくちゃ!

初めての吸引器なら練習すべし!

icon-side-yoshimi

吸入薬のメリットは、濃度の高い薬剤を局所作用させることができるから、少ない量で効果が素早く出ること。しかも、飲み薬などと違って全身に吸収されるわけではないから、基本的には副作用も起こりにくいのよ。

吸入器には大きく分けて2つの種類があるわ。1つ目は、定量噴霧式(MDI)。ガスの圧力で薬剤を噴射するタイプで、吸うタイミングさえつかめれば、呼吸機能が低下していても使用できるわ。2つ目は、ドライパウダー式(DPI)。自力で吸い込む必要があるけれど、自分のタイミングで吸い込めるというメリットがあるの。

いずれにしても、吸入器を使うのが初めての患者さんには、事前に吸入の練習をしてもらうことが大切よ。特に小児や高齢者の場合は、初めて見る吸入器に不安を感じることも少なくないわ。看護師がデモ器を使ってお手本を見せたり、指導に使える映像を見てもらったりしながら、繰り返し練習してもらうといいわね。

指導の際は、まずは軽く息を吐いてもらうところから説明してね。そして、定量噴霧式の場合は「ゆっくりと深く」、ドライパウダー式の場合は「速く強く」吸い込む練習をしてもらうのよ。定量噴霧式はガスの力で薬剤が噴射されるから、それに合わせて深呼吸するようなイメージね。一方のドライパウダー式は、薬剤が患部まで届くよう、思い切って息を吸い込む勢いが大切なの。

吸いこんだら、そのまま5~10秒程度息を止めてから、ゆっくりと息を吐いてもらいましょう。息止めは、吸入薬が患部に到達するために必要なプロセスよ。すぐに息を吐いてしまうと効果が十分に現れないこともあるから、必ず実践するよう指導してね。

吸入にあたっては、患者さんの姿勢も忘れずチェックして。基本的には、深呼吸のしやすい座位で吸入するのがベストよ。それが難しい場合はファウラー位やセミファウラー位をとってね。吸入薬が気管支に到達するためには、背筋と頸部が伸びて、顔が正面を向いていることが大切よ。患者さんが猫背のような姿勢になっていると、薬剤が喉の内側に付いてしまいがちだから気をつけて!

吸入後のうがいが大切な理由とは?

ところで、吸入にあたって、なぜ膿盆と水が必要か分からなかったようね。それは、吸入後に必ずうがいが必要だからよ。吸入した薬剤の約80%が口腔内に残留するというデータもあるくらいだから、それを除去するためのうがいが重要なの。特に、喘息の患者さんに用いる副腎皮質ステロイド薬が口腔内に残っていると、口腔カンジダ症や嗄声など、局所的な副作用が現れることがあるわ。

また、口の中に薬剤がたまっている場合も、飲み込むことなく膿盆に吐き出してもらってね。薬剤の作用が、意図せず全身に現れてしまうおそれがあるから。せっかくの吸入薬のメリットを台無しにしないためにも、事前の準備と患者さんへの指導を忘れないようにしましょう。

ちなみに、定量噴霧式の吸入には、吸入器を口から3cmほど離して吸い込む「オープンマウス法」と、吸入器をくわえて吸い込む「クローズドマウス法」があるわ。どちらでも大丈夫なタイプの吸入薬であれば、私はオープンマウス法をオススメするわね。クローズドマウス法だと、薬剤が口のなかにたまっているだけで、ちゃんと吸入できていないケースも起こりがちなのよ。


吸入後のうがいがそんなに大切なものだったなんて、知りませんでした! ステロイド薬の場合は特に注意が必要なんですね。

その通りよ。ただ、吸入後の息止めやうがいは、薬剤や吸入器の種類によっては必須でないこともあるの。でも、そのそれぞれについて必要性の有無を覚えておくのは大変だし、ミスも起こりやすいから、「必ず息止め・うがいは実施する」としたほうがいいと思うわ。

なるほど。より安全性の高い方法で統一しておくべきということですね。

監修:医療法人社団航洋会 目黒通りハートクリニック 理事長/院長 安田洋先生

TOPへ