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疾患別の食事療法|看護あるある手技Q&A

仕事に役立つ看護手技 > 疾患・部位別の看護 編

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食事療法として出される病院食の内容は、病気によってどんな違いがありますか?

塩分やエネルギー量などに食事療法として必要な制限をかけつつ、食べやすさにも配慮したメニューが開発されているわ。

リコ:食事療法を受ける患者さんの場合、病気の種類や具合によって病院食の内容が異なることはわかりますが、具体的にはどんな違いがあるんでしょう? 食事を患者さんのところへ運んでいても、「なぜ、この患者さんにはこの食事なのか」、いまいちわかりません。

ヨシミ:同じ病院内で働く専門職でも、栄養士さんと直接話す機会は意外と少ないものね。
まずは主な疾患ごとに、どのような食事療法が必要とされるかを把握しておきましょう。

生活習慣病の食事療法で必要なことは?

そもそも食事療法は、病気を予防したり悪化を防いだりするための一つの手段。
もちろん薬物療法も大切だけれど、適切な食事療法は治療を後押しする重要なものなのよ。
例えば、生活習慣病なら、まずは肥満を解消して適切な体重を維持することが基本になるわ。
そのためには、カロリーコントロールしながらバランス良く栄養を摂取すべきだけれど、病気によってはそれだけでは済まないのよね。

糖尿病の患者さんであれば、血糖値や合併症の有無などを考慮しながら、医師が決めたエネルギー摂取量を守ることが大切になるわ。
糖尿病の食事療法では、エネルギー摂取量の計算を容易にするため、80kcalを1単位として計算する食品交換表を用いることが多いの。
6つに分けられた食品グループごとに、指示通りの単位分のエネルギーを摂取できるのが理想とされているわ。
さらに、血糖値を安定させるため、毎日決まった時間に3食を摂るという点も重要よ。

また、高血圧の患者さんであれば、塩分の制限が必須よね。
厚生労働省が推奨する1日当たりの塩分摂取目標量は2015年4月に改訂され、男性で8g、女性で7g以下となっているけれど、高血圧の患者さんでは男女共に6g未満が目標とされているわ。

とはいえ、単に塩分を減らすだけでは食事が物足りない味になって目標を達成することも難しいから、「美味しさ」と「減塩」を両立させるため、調理上さまざまな工夫が凝らされているの。例えば、かつお節や昆布の出汁はもちろん、きのこ類やトマトなど旨味の強い食材を効果的に使うことで、食べた人の満足感が強くなるわ。
香辛料や、酸味のある柑橘類などを際立たせることも効果的ね。
さらに、「しっかりした味付けの主菜と薄味の副菜」というように、1食のなかで味にメリハリをつける方法もあるわよ。

脂質異常症の場合は、一般的なカロリーコントロールと同時に、脂質の摂取量にも配慮する必要があるわ。
高LDLコレステロール血症であれば、コレステロールを多く含む食品はもちろん、飽和脂肪酸やトランス脂肪酸の摂りすぎに注意が必要ね。
一方、高トリグリセリド血症であれば、糖質を多く含む菓子類、果物、清涼飲料水などに制限が設けられる場合があるわ。

腎臓疾患の食事療法には注意点がいっぱい!

食事療法で注意すべき点が多いのが腎臓疾患ね。
まず、腎臓の機能が低下することでナトリウム排泄が低下するため、高血圧と同様に塩分の摂取制限(6g未満)が求められるわ。
さらに特徴的なのが、タンパク質制限の必要もあること。
タンパク質を過剰に摂取すると腎臓に負担がかかり、より腎機能が悪化してしまうの。
肉、魚、卵、大豆製品などについて決められた摂取量を守るほか、腎臓疾患の患者さん専用に開発された低タンパク質食品を活用することもあるわ。
そのうえ、病状によってはカリウムや水分を制限するケースもあるの。

ここで気をつけたいのが、これらを制限したうえで十分なエネルギー量を摂取できているかということね。
エネルギー量が足りていないと、体内のタンパク質がエネルギーとして消費され、血中の窒素化合物(老廃物)が増えることから、腎臓の負担が増えてしまうのよ。
だから、糖質や脂質をうまく利用して摂取エネルギーを増やす工夫が必要になるの。
例えば、ご飯をチャーハンに代えたり、野菜を天ぷらにしたりと、同じ材料でも調理法を変えて調整することもあるのよ。

食事療法として提供される病院食は、さまざまな制限をクリアすると同時に、食事としての「美味しさ」も考慮して工夫されたメニューよ。
基本的な知識をもつことで、栄養士さんが食事に込めた思いをくみ取り、患者さんからの質問にも的確に答えられるようにしていきたいわね。


病院食は「美味しくない」とか「味気ない」とか言われることもあるけれど、実は専門的な工夫やきめ細かい配慮が隠されているんですね。
これからの配膳時は注意してメニューをチェックしてみます!

食事療法は外来で行われることも多いから、看護師が患者さんに食事指導するときにも役立つはずよ。

監修:医療法人社団航洋会 目黒通りハートクリニック 理事長/院長 安田洋先生

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