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いまさら聞けない!?「特定行為に係る看護師の研修制度」

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特定看護師の研修制度開始の背景

 2025年の超高齢化社会を前に、医療のニーズがさらに高まることが予測されています。継続的な医療の提供には職種間の協働、チーム医療は欠かせないものであり、厚生労働省の「チーム医療の推進に関する検討会」などでは、専門性の高い看護師による役割の拡大について検討が重ねられてきました。2015年10月には専門的な臨床実践能力を持つ看護師による特定行為実施に向けた看護師の研修制度が開始されています。

 特定行為とは、保助看法第37条2において、「診療の補助であって、看護師が手順書により行う場合には、実践的な理解力、思考力及び判断力並びに高度かつ専門的な知識及び技能が特に必要とされるもの」と規定されています。現在、特定行為および特定行為区分は38行為、21区分指定されています。

【特定行為の区分と行為】

特定行為区分 特定行為
呼吸器(気道確保に係るもの)関連 経口用気管チューブまたは経鼻用気管チューブの位置の調整
呼吸器(人工呼吸療法に係るもの)関連
  • 侵襲的陽圧換気の設定の変更
  • 非侵襲的陽圧換気の設定の変更
  • 人工呼吸管理がなされている者に対する鎮静薬の投与量の調整
  • 人工呼吸器からの離脱
呼吸器(長期呼吸療法に係るもの)関連 気管カニューレの交換
循環器関連
  • 一時的ペースメーカの操作および管理
  • 一時的ペースメーカリードの除去
  • 経皮的心肺補助装置の操作および管理
  • 大動脈内バルーンパンピングからの離脱を行うときの補助頻度の調整
心嚢ドレーン管理関連 心嚢ドレーンの除去
胸腔ドレーン管理関連
  • 低圧胸腔内持続吸引器の吸引圧の設定および設定の変更
  • 胸腔ドレーンの抜去
腹腔ドレーン管理関連 腹腔ドレーンの抜去(腹腔内に留置された穿刺針の抜針を含む)
瘻孔管理関連
  • 胃瘻カテーテルもしくは腸瘻カテーテルまたは胃瘻ボタンの交換
  • 膀胱瘻カテーテルの交換
栄養に係るカテーテル管理(中心静脈カテーテル管理)関連 中心静脈カテーテルの抜去
栄養にかかるカテーテル管理(末梢留置型中心静脈注射用カテーテル管理)関連 末梢留置型中心静脈注射用カテーテルの挿入
創傷管理関連
  • 褥瘡または慢性創傷の治療における血流のない壊死組織の除去
  • 創傷に対する陰圧閉鎖療法
創部ドレーン管理関連 創部ドレーンの抜去
動脈血液ガス分析関連
  • 直接動脈穿刺法による採血
  • 橈骨動脈ラインの確保
透析管理関連
  • 急性血液浄化療法における血液透析器または血液透析濾過器の操作および管理
栄養および水分管理に係る薬剤投与関連
  • 持続点滴中の高カロリー輸液の投与量の調整
  • 脱水症状に対する輸液による補正
感染にかかる薬剤投与関連 感染徴候がある者に対する薬剤の臨時の投与
血糖コントロールに係る薬剤投与関連 インスリン投与量の調整
術後疼痛管理関連 硬膜外カテーテルによる鎮痛剤の投与及び投与量の調整
循環動態に係る薬剤投与関連
  • 持続点滴中のカテコラミンの投与量の調整
  • 持続点滴中のナトリウム、カリウムまたはクロールの投与量の調整
  • 持続点滴中の降圧剤の投与量の調整
  • 持続点滴中の糖質輸液または電解質輸液の投与量の調整
  • 持続点滴中の利尿剤の投与量の調整
精神および神経症状に係る薬剤投与関連
  • 抗けいれん剤の臨時の投与
  • 抗精神病薬の臨時の投与
  • 抗不安薬の臨時の投与
皮膚損傷に係る薬剤投与関連
  • 抗がん剤その他の薬剤が血管外に漏出したときのステロイド薬の局所注射および投与量の調整

どこが違うの? 特定行為を実施できる場合とは?

 これらの特定行為の中には、これまでも看護師が医師の指示のもとに実施してきた行為が含まれています。この制度はそのような従来の行為を制限したり、研修の受講を義務づけたりするものではありません。ただし、研修を受講していない場合、従来通り医師の指示のもと、観察した患者さんの状態を医師に報告し、その指示を待って実施する必要があります。

 一方、研修修了後は手順書によって病状を確認し、あらかじめ示された病状の範囲内であれば、特定行為が必要かどうかの判断を看護師が行い、実施することができます。また、指定された特定行為は難易度の高い行為であることから、日本看護協会では、「特定行為の実施には、特定行為研修の受講が不可欠」との見解を示しています。

「特定行為に係る看護師の研修制度」の内容は?

 特定行為研修を受講した看護師には、どのような役割が求められているのでしょうか。特定行為研修は、特定行為のみを行うためのものではなく、特定行為も含めた医療を提供するために、さらに専門性を高めて看護師の活躍の場を広げ、難易度の高い行為に対する安全性を担保するためのものです。

 特定行為研修は全国21か所の指定施設で行われており、共通科目と区分別科目があります。共通科目では、看護師が手順書によって特定行為を行う場合に必要とされるすべての特定行為区分に共通する実践的な理解力、思考力および判断力をはじめ、高度かつ専門的な知識を学びます。区分別科目は、手順書によって特定行為を行う際、該当する特定行為の知識や技術の基礎、実践的な理解力や思考力、判断力などを習得します。

 特定行為研修は、日本看護協会看護研修学校のみ認定看護師を対象としていますが、その他の施設では臨床経験5年以上など、各研修施設の応募要件を満たしていれば出願可能です。

 厚生労働省では、10万人の特定看護師の養成を目指しており、急性期から在宅へと、切れ目なく患者さんを支えるために、本制度の活用を推進しています。看護師の活躍の場も拡がり、その役割にさらなる期待が寄せられています

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