リクルートの看護師転職パートナー ナースフル

閉じる

明日役立つ手技から働き方、医療ニュースまで、看護に活かせる情報をお届け ナースフルマガジン

看護あるある手技Q&A 消毒・滅菌――こんなときはどうする?

仕事に役立つ看護手技 > 感染管理 編

当コンテンツは株式会社 リクルートメディカルキャリアが運営する「ナースフル」というサイト内のコンテンツです。
もし、当コンテンツに関してご不明な点がある場合は、こちらの運営者情報ページからお問い合わせください。


器具やケア場面に応じた消毒・滅菌の方法を覚えることができません。
マニュアルを覚えろと言われたら、それまでですが・・・。

「なぜ、その方法を選択するのか」という根拠から考えることで、次第に頭に入ってくるはずよ。

リコ:ベッドサイドで仕事をするうえで、看護師が消毒や滅菌を検討・実施する機会は多いですよね。
でも、器具やケア場面に応じてさまざまな方法があり、いつも混乱してしまいます。

ヨシミ:大事なのは「なぜ、その方法を選択するのか」という根拠から考えることよ。
これから消毒や滅菌に関して「こんなときはどうする?」という質問をするから、自分ならどうするか考えてみましょう。

Q.1 体温計や血圧計は消毒が必要?

看護師が日常的に使う体温計や血圧計だけれど、これらの消毒はどうしたらいいかしら?
家庭で使うときは、きっと多くの人が消毒していないでしょう。
でも、医療現場ではそうはいかないわ。
医療器具・器材の消毒については、クリティカル、セミクリティカル、ノンクリティカルという分類に基づいて消毒の要否や方法を考えるのよ。

  • クリティカル:
    血管内や無菌の体内に入るもの→基本的には滅菌が必要
  • セミクリティカル:
    粘膜や損傷皮膚に接触するもの→中等度~高度の消毒が必要
  • ノンクリティカル:
    正常皮膚に接触するもの→基本的には消毒不要

この分類に従って考えると、体温計でも口腔用や直腸用は粘膜に接触するもの(=セミクリティカル)だから、使用するたびに消毒(アルコール消毒で十分)が必要ということになるわ。
一方、血圧計は正常皮膚に接触するもの(=ノンクリティカル)だから、消毒は不要ということね。

Q.2 目に見える汚れがない環境表面は消毒が必要?

基本的には、目に見える汚れがない場合は消毒の必要はなく、水拭きだけで問題ないわ。
ただし、目に見えなくても環境表面がMRSAで汚染されていることは意外に多いものよ。

例えば、多くの人が触れるドアノブがMRSAで汚染されていたら、院内感染を引き起こしかねないわよね。
したがって、MRSA防止の観点からは、アルコールや0.1%塩化ベンザルコニウムで消毒することが有効だといえるわ。
同時に、医療従事者の手指衛生を徹底することがMRSAを含む院内感染の予防につながることは言うまでもないわね。
手指衛生の仕方についてはこちらの記事を参照してね。

Q.3 褥瘡には消毒が必要?

褥瘡は開放創だから、創表面で細菌が繁殖することは避けられないわ。
だとすると、やはり消毒が必要なのかといえば、実はそうではないの。
消毒薬は細胞毒性を有するため、肉芽組織にダメージを与え、創傷治癒過程を阻害してしまうのよ。

したがって、創表面で細菌が繁殖しているだけで体に悪影響を及ぼさない状態であれば、十分な量の生理食塩水か水道水を加圧して洗浄するだけでOKなの。
なお、本来なら、清潔であるうえ浸透圧が細胞外液に近い生理食塩水を使うのがベストだけれど、日本の水道水は清潔だから、浸透圧が低いとはいえ許容範囲だと考えられるわ。

Q.4 気管切開部には消毒が必要?

この問いに関しては、よくよく考えてみると結構悩んでしまうわね。
うちの病院のマニュアルを見ると、「気管切開後1週間はポビドンヨードで消毒(1日1回)、その後は0.02%塩化ベンザルコニウムで消毒し、Yガーゼで切開部を覆う」と書いてあるわ。

ただ、気管切開部に消毒は不要とする声も大きくなっているの。
その理由は、気管切開部は常在菌が存在する汚染創であり、それをポビドンヨードで消毒しても1~2時間もすれば常在菌が復活するため意味がないということ。
また、先にも言ったように消毒薬は細胞毒性を持つため、気管切開部の上皮化を遅延させかねないということね。
ちなみに気管挿管中の患者の口腔ケアについては、こちらの記事を参考にしてね。

このように意見が分かれることもあるほど、消毒や滅菌というのは奥深いテーマなのね。
疑問に思うことがあったら、成書や論文にあたって見識を深めていきましょう。


根拠を考えて消毒の要否や方法を決めるというのは、こういうことなんですね。

今回考えてみたのは臨床のごく一部の場面にすぎないけれど、消毒・滅菌に関して悩んだら根拠に立ち戻って考えてみるという姿勢を持っておきたいものね。

■一般病棟の公開求人をみる
https://nurseful.jp/biz_type-219/

■常勤(2交代)の公開求人をみる
https://nurseful.jp/job_type-15/

監修:医療法人社団航洋会 目黒通りハートクリニック 理事長/院長 安田洋先生

TOPへ