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事例で学ぶ看護技術 未滅菌の医療材料・器具の誤使用

看護あるある 手技Q&A > その他の手技・知識 編
未滅菌の医療材料(衛生材料)や器具を間違って手術などに使ってしまったという事例が、たびたび起こっているそうですね。
報告された事例の原因を分析すると、「院内での滅菌や備品管理が適切にされなかったことによるミス」「市販製品の包装に起因したミス」という2種類に大別できることがわかったわ。
それぞれどのような背景で起こったケースなのか、さっそくみていきましょう!
●今回の事例:
手術中、間接介助を受け持っていた看護師Aは、滅菌済みのものが保管されているはずの棚から腹部臓器手術用開創補助パッドを取り出し、直接介助担当の看護師Bに渡した。しかし、その棚には滅菌済みのパッドと未滅菌のパッドが混在していることに後から気づき確認すると、手術に使用したパッドは未滅菌のものだった。

「つい、うっかり」が怖い!医療材料・器具の管理ミス

リコ:
滅菌済みのパッドと未滅菌のパッドが1つの棚の中で混在していたなんて、よりにもよって手術室の収納棚で、どうしてそんなことが起こったのでしょう?

ヨシミ師長:
実は、この病院では

未滅菌のパッドを購入

院内で滅菌処理

手術室の収納棚に保管
(滅菌済みの表示をする)

というルールがあったの。
ところが、そのことを知らなかった事務スタッフが、未滅菌のパッドをそのまま棚に収納してしまったのよ。

リコ:
「忙しそうな看護師に代わって棚に入れておいてあげよう」という親切心からの行為だったかもしれませんね。
医療材料は購入等の実務を担当する事務スタッフがタッチすることも多いはずだから、事前にその取り扱い方法についてマニュアルなどで共有しておく必要があったのではないでしょうか。

ヨシミ師長:
パッドの収納場所にあるはずの「滅菌済み」「未滅菌」といった表示も、誰にでも(医療従事者以外にも)一目で判別できるようなものに工夫できるといいわね。

リコ:
院内での滅菌といえば、「滅菌器のスタートボタンを押し忘れて、未滅菌の鉗子類を手術に使用してしまった」という話を聞いたことがあります。
その事実が術後に判明して、患者さんは抗菌薬の投与を5日間延長されたとか。

ヨシミ師長:
スタートボタンの押し忘れのほか、滅菌器そのものに動作不良があり、それに気づかず医療器具を清潔野に入れてしまったという事例もあるわね。

リコ:
インジケータ(滅菌感知テープ)の色が確実に変わっているか、確認を徹底することが大切ですね。
滅菌器の余熱でインジケータの色が多少変わっており、しかし実際には滅菌できていないというケースもあるようですから。

ヨシミ師長:
手術器具準備時における滅菌の確認は、指差し呼称を確実に実施するとともに、ダブルチェック体制が取れるといいわね。

どこまでが清潔?多重包装製品は要注意!

ヨシミ師長:
院内での滅菌や備品管理にまつわるもの以外にも、市販の製品の包装がわかりづらいことが原因で未滅菌の医療材料を術野に入れてしまったケースが報告されているわ。
例えば、袋に入っていて滅菌済みと誤認しやすい弾性包帯(実際には未滅菌)を、人工股関節手術の手術野で使ってしまったというものね。

リコ:
包装のされ方による思い込みには注意が必要ですね。
特に人工血管のように何重にも包装されているものは、「パッケージのどこからが清潔なのか」「どのように取り扱えば清潔な状態が保てるのか」がわかりづらいと思います。

ヨシミ師長:
確かに人工血管は製品によって二重包装、三重包装、四重包装のものなどがあり、未滅菌のパッケージ部分を直接介助の看護師に渡してしまったという事例もいくつか起こっているようね。

リコ:
メーカーにも直感的に理解しやすい包装の仕方や注意書きになるよう改善を求めたいというのが正直なところですが・・・まずは自分たちで多重包装製品など誤認が生じやすい製品の取り扱いについて情報共有すべきですね。

ヨシミ師長:
当たり前のことだけれど、その医療材料・器具の取り扱いに慣れていなかったり、急に必要となって焦っていたりするとミスが起こりやすいわ。
院内で使用する滅菌済み/未滅菌の物品の管理や取り扱いについて、日頃から習熟しておく必要があるわね。

参考資料
日本医療機能評価機構:医療事故情報収集等事業 第39回報告書(平成26年7月~9月).

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