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日本糖尿病療養指導士に聞く(前編)

最新ナースコラム > 現場インタビュー「私の転機」

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現在、国内の糖尿病患者は約890万人、予備軍を合わせると約2, 210万人と推定されており、国の医療対策において特に重点をおく5大疾病(がん、脳卒中、心臓病、精神疾患、糖尿病)のひとつとなっています。生活指導が大きなカギを握る糖尿病の療養指導における看護師の果たす役割、仕事のやりがい、資格を持つことのメリットなどについて、今回から2回にわたり、日本糖尿病療養指導士の資格を持つ看護師にお話をうかがいます。

その人の生活背景や歩んだ人生までじっくりと話を聞き
治療を継続できるようにアプローチすることが大切

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医療法人社団明芳会 イムス記念病院
日本糖尿病療養指導士 小池史子さん

症例をまとめることで自分の看護の振り返りができたのがよい経験に

――看護師として学びを深めるきっかけになったことを教えてください。
私は看護学校を卒業後、大学病院に入職して以来ずっと、糖尿病看護に携わっています。糖尿病看護は、患者さんとじっくりかかわれるため、学生時代から興味があり、看護学校の臨地実習前に糖尿病センターを第一希望にしていたのですが、いざ実習に行ってみると、患者さんへの接し方、話し方、どうすれば指導を理解してもらえるかなど、患者さん一人ひとりに合わせたかかわりは難しく、非常に悩みました。そのため入職後、第一希望の配属先に決まったものの、本音は不安でいっぱいでした。しかし、大学病院の糖尿病センターだったこともあり、職場全体に看護を深める、学ぶという風土もありましたし、そんななかで糖尿病看護に携わっていくうちに、患者さんから「血糖値のコントロールがうまくいっている」という話を聞いたときや、「ありがとう」と声をかけてもらえたりすることで達成感、やりがいも感じられるようになりました。今でも糖尿病看護を続けているということは、そういう運命だったのかもしれないと思っています。つらかった臨地実習もよい経験だったと思っています。

――日本糖尿病療養指導士の資格を取得された理由を教えてください。
大学病院では難しい症例にも多くかかわることができ、最先端の治療を学ぶこともできました。日本糖尿病療養指導士の資格も看護師になって4年目の大学病院勤務時代に取得したものです。資格取得は看護師の先輩から勧められたのがきっかけでしたが、私自身、患者さんとのかかわりが正しかったのか、もっとよいかかわり方ができたのではないかと考えていた時期でもあり、これまでの看護を振り返る機会になればと思いました。

受験にあたっては、臨床でやってきたことの確認や病態、検査数値などを覚えなおしました。なかでももっとも勉強になったのは、受験申請時に提出する糖尿病療養指導自験例の記録10症例をまとめることでした。先輩にもアドバイスをもらいながら、症例一つひとつを改めて深く考えることができました。看護師の業務は多忙で、なかなか症例を振り返る機会はありませんが、一度立ち止まって振り返る機会はとても大切だと思います。また、講習会などに参加することで他施設の看護師とさまざまな情報交換をすることもできました。

資格を取得することは、自身の看護への自信にもなりますし、資格を持っている看護師が指導を行うことは、患者さんの安心感につながるようです。もちろん、それだけの責任は伴いますが、専門的な知識を持っていることで信頼してもらいやすいですし、コミュニケーションがスムーズにできたり、指導を受け入れてもらいやすくなると思います。

糖尿病と上手につきあいながら生活ができるような支援を

――患者さんへの療養指導を行ううえで心がけていることを教えてください。
大学病院も働きがいのある職場ではありましたが、もっと地域に密接した小規模な医療機関で働いてみたい、他施設の糖尿病看護をみてみたいという思いがありました。当院を選んだのは、糖尿病のセンター機能を持ち、治療や療養指導に力を入れているところに魅力を感じたからです。当院は小規模ではありますが、近隣のクリニックはもちろん、イムスグループの他施設からも紹介患者さんが来院します。

糖尿病患者さんに限りませんが、これまで長年続けてきた生活習慣を変えるのは容易なことではありません。特に糖尿病患者さんの場合、食べることが好きな方、運動が苦手な方が多いため、ただ食べてはだめ、運動しなさいと言うだけではやる気にはなれません。いかに患者さんに無理せず、糖尿病と上手につきあいながら生活していけるような支援、指導ができるかが重要です。

これまでの生活スタイルを変えてもらうためには、生活背景、それこそどんな人生を歩んできたのか、じっくりと話を聞くことが大切です。誰ひとり同じ人生を歩んだ人はいませんから、その話のなかからどのようにアプローチすればよいかを考えていきます。

また、退院後も継続できるようにするためには、主に食事をつくる奥さんや娘さんなどのキーパーソンの協力を得ることも大切です。もちろん、毎回うまくいくわけではありません。なかには怒ってしまう患者さんもいますし、言い方ひとつで受け入れてもらえないこともあります。それでもなお、根気よく指導していくことで血糖コントロールがうまくいったときには、達成感を感じます。そこが糖尿病看護のやりがいでもあり、難しさでもあると思います。(次号に続く)


小池史子さん
医療法人社団明芳会 イムス記念病院
東京女子医科大学看護専門学校を卒業後、東京女子医科大学病院に入職。糖尿病センターに勤務し、2009年日本糖尿病療養指導士資格を取得。同年、医療法人明芳会イムス記念病院に入職。現在、看護部副主任を務め、内科病棟に勤務。

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