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患者さんに説明できますか?「新型タバコ」の健康への影響と業界の動き

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患者さんの中には「新型タバコだから安全!」と考えている方もいらっしゃるかもしれません。しっかりとその健康被害を説明できるよう、確認しておきましょう。

日本の喫煙状況はどう変わっているのか

喫煙ならびに受動喫煙による健康被害が問題となり、国内においては2003年に健康増進法が施行されました。これにより公共の場での喫煙が制限され、さらにタバコの値上げ、経口禁煙補助薬の保険適用などが続いたことで喫煙率は減少傾向にあります。

しかしながら、先進諸国のなかではいまだ喫煙率は高く、女性の喫煙率の増加などの新たな課題もあるなか、新型タバコが登場し、紙巻きタバコの置き換え品として、急速に普及していきました。この急速な普及の背景には、煙が水蒸気に近く、消費者に受動喫煙のリスクが低い印象を与えていることなどがあげられるでしょう。嗅ぎタバコのような無煙タバコにおいても同様です。

新型タバコの特徴は?

日本国内で販売されている「新型タバコ」と呼ばれるものには、大きく分けて「電子タバコ」と「非燃焼・加熱式タバコ」の2種類があり、近年話題となっているものは「非燃焼・加熱式タバコ」です。

非燃焼・加熱式タバコとは?

非燃焼・加熱式タバコは、葉タバコを使用したもので、バッテリーによって葉タバコを加熱して気化した蒸気を吸煙するものです。紙巻きタバコに比べて煙が目に見えないことから、「紙巻きタバコより安全」「受動喫煙が防止できる」といったイメージを持つ消費者もいます。しかし有害物質がないわけではなく、喫煙者の呼気にはニコチンが含まれているため、受動喫煙の防止にはなりません。また、ニコチンを含むことから依存症のリスクもなくなりません。

電子タバコとは?

電子タバコはリキッドを加熱し、発生した蒸気を吸煙するものです。国内で店頭販売されている電子タバコは、食品添加物などに利用されているグリセロールなどを基剤とした毒性がほとんどないリキッドが採用されています。
しかしながら、製品によっては電子タバコによって発生する水蒸気に有害物質が含まれているケースがあるといわれています。
また、禁煙を視野に電子タバコに移行する人もいますが、「ニコチンを含まない電子タバコでは、禁煙成功率は電子タバコ非使用者よりも低い」との報告もあります。

ニコチン入りの電子タバコが普及する海外では、健康被害を低減させる「ハーム・リダクション」の方法として電子タバコを取り入れるという考え方も広がっています。しかし、長期の使用に対する健康被害の程度については、今後の研究を待たなければなりません。

新型タバコに対する医学界の動き

いまだ健康への影響が明確になっていない新型タバコに対しては、日本呼吸器学会の禁煙推進委員会が「健康に悪影響がもたらされる可能性がある」という見解を発表しています。このなかで、委員会では世界保健機構(WHO)の「受動喫煙者の健康を脅かす可能性があると考えることが合理的である」との見解を支持したうえで、使用者にも受動喫煙をさせられる人にとっても、「非燃焼・加熱式タバコや電子タバコの使用は推奨できない」としています。

2018年3月に閣議決定された健康増進法の一部を改正する法律案では、加熱式タバコも規制の対象となりましたが、一方で、一部専用の喫煙室で食事をしながらの喫煙は可能となっています。これに対して全国がん患者団体連合会や日本癌学会などの関連団体や学会では、より厳格な対応を求めています。

この対応は、現時点では受動喫煙による健康への影響が確立されていないことによる暫定的なものととらえることができます。しかし、喫煙にはがんや呼吸器疾患、循環器疾患、糖尿病、歯周病など、多くの影響があることがわかっており、受動喫煙においても健康被害があります。新型タバコに変えたから「健康被害はまったくない」「禁煙できる」など、誤った認識を持つ消費者、患者さんに対しては、正しい知識の普及と指導に努めましょう。

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参考
厚生労働省:加熱式タバコにおける科学的知見

日本呼吸器学会禁煙推進委員会:非燃焼・加熱式タバコや電子タバコに対する日本呼吸器学会の見解

全国がん患者団体連合会:受動喫煙防止対策を強化する健康増進法改正案に関する要望書について

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