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抑制を最低限にとどめるには?|看護あるある手技Q&A

仕事に役立つ看護手技 > 生活介助・ケア 編

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抑制を必要かつ最低限の範囲にとどめるために、看護師としてできることはありますか?

常に抑制解除の可能性を視野に入れるとともに、抑制に代わる方法、抑制の程度を軽減する方法を考えていきましょう。

リコ:患者さんを抑制することは、やむを得ないケースであったとしても、とても心苦しいものですね。できるだけ早く抑制を解除したいのですが……。

ヨシミ:とても重要な視点ね。代替案や軽減策の検討を含め、ポイントを見ていきましょう。

抑制解除を考えるタイミングは?

医療現場での抑制は、チューブ類の自己抜去や転倒・転落などを予防して患者さんの安全を確保するため、やむを得ないケースに限って行われるものよ。人権に配慮して原則禁止としている施設が多いけれど、必要性に関して明確かつ正当な根拠があれば、慎重に検討したうえで導入することもあるわ。その場合でも、常に解除の可能性を視野に入れておくこと、抑制の程度を軽減したり代替の方法を用いたりすることができないか考えることが重要よ。

抑制にはいくつか方法があるけれど、それらに共通する解除の視点をみていきましょう。解除を考えるタイミングは2つあると思うわ。

まずは、抑制を要すると判断された原因が改善したタイミングね。生活リズムが整って睡眠が十分に取れ、認知機能が安定してきた場合とか。医師や薬剤師に相談して薬剤を変更し、副作用の影響が減ったとか。リハビリテーションが順調に進んで下肢の筋力がつき、ふらつきの程度が改善することもあるわね。
このように、原因を取り除くアプローチを続けることで早期解除が望めるわ。

ただ、夜間の抑制をいきなり解除するのはリスクが高いわね。昼間の人手がある時間帯に抑制しない時間を設け、家族の協力も得ながら様子を観察してみましょう。その時間を少しずつ伸ばしていくことで、患者さんのストレス軽減や意欲向上にも繋がるはずよ。「もし、解除しても○○するようなら、やはり抑制が必要」という約束を前もって本人や家族と交わしておくと、解除を試みやすくなるわね。

また、抑制により不利益が生じたタイミングでも解除を検討すべきよ。抑制に伴って患者さんのメンタル面が変化することはままあるけれど、ストレスがかかりすぎて認知機能がより低下したとかね。抑制で興奮が高まり、転倒・転落リスクや自傷・他傷行動が生じたら本末転倒よ。抑制部位に発赤や潰瘍などが生じた場合も、そのまま継続すべきではないわ。

意外にたくさんある抑制の代替案

解除へ向けた意識と同じくらい重要なのが、抑制の代替案を探ろうとする意識よ。具体的に考えてみましょう。

1.自己抜去の予防を目的とした代替案

点滴などのチューブを触ったり、SpO2プローブを取ったりする患者さんに、ミトンをはめることがあるわね。手先の動きを妨げて自己抜去を防ぐのが目的だけれど、考えてみれば、患者さんがチューブ類に触ったとしても実際に抜去できなければ問題ないともいえるわ。この観点に立ったとき、どうすれば抑制なしで自己抜去を防げるかしら?

例えば、チューブ類が患者さんから見えないように保護してはどうかしら。目に見えていれば、つい触りたくなってしまうものね。点滴の場合なら、テープで固定されている刺入部位を丸ごと包帯でくるんだり、長袖を着てもらって点滴チューブが衣服の中を通るようにしたりといった方法が考えられるわ。点滴部位を腕でなく、視野に入りにくい脚に変更するのもいいわね。
医師と相談して可能であれば、点滴から内服薬に切り替える、24時間持続の必要がなければ、点滴の都度針を抜いて留置しないといった方法も考えられるわ。

2.転倒・転落の予防を目的とした代替案

ベッドからの転落を予防するため、抑制帯を使うこともあるわね。でも、ベッド柵に沿って枕やクッションを置き、患者さんが動くスペースを制限するだけで転落リスクを減らせる可能性もあるわ。

また、手すりや壁を伝って歩行できる患者さんの転倒を予防するため、センサーマットを敷いて“監視”することもあるわね。でも、例えばトイレに向かう際の転倒リスクの低減は、トイレに近い病室に変えたり、トイレ付きの病室にしたりすることでも達成可能かもしれない。また、飲み物を取ろうとした際の転倒を予防するには、冷蔵庫をベッドのすぐ横に配置して容易に手が届くようにするのも効果的ね。


代替案もいろいろと考えられるんですね。工夫次第で何とかなるケースは多いのかもしれませんね。

そうね。いったん抑制を始めると解除するのが不安になるという声もあるけれど、必要以上の抑制とならないよう、チームで協力しながら患者さんを見守っていきましょう。

監修:医療法人社団航洋会 目黒通りハートクリニック 理事長/院長 安田洋先生

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