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看護あるある手技Q&A 心電図異常(5):心室頻拍

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心電図で心室頻拍を判読するポイントはどこにありますか?

正常時より速いペースながら規則正しい心拍で、心室期外収縮が3回以上連続するという特徴的な波形がみられるわ。

リコ:比較的特徴的な心電図を示す心室頻拍ですが、致死的なリスクを伴うこともあるので、確実に判読できるようにしておきたいですね。

ヨシミ:心室頻拍を認めた後、ナースとしてどのように動いて救命につなげるのかという部分を含めて押さえておきたいわね。

心室頻拍のタイプ別のリスクは?

心室頻拍では、心臓が正常時に比べて速いペースながら規則正しく収縮しており、心室筋の異常な興奮(心室期外収縮)が3回以上連続して現れるわ。

上記の心電図では、たしかに心拍数は通常の2倍程度(約200/分)でありながらRR間隔は正で、心室期外収縮が連発しているわね。
幅広のQRS波が立て続けに現れるため、P波はそれに埋もれてしまって、どこにあるか判然としないわ。

なお、頻拍が起こっている間の心電図波形が単一であるものを単形性心室頻拍、単一ではなく各々違っているものを多形性心室頻拍と呼ぶの。
異常な興奮が心室の1ヵ所から発生しているのか、あるいは複数の場所から発生しているのかによって、心電図にも違いが出てくるわけ。
上記の心電図は、一定の形のQRS波が現れているから単形性心室頻拍だとわかるわね。
単形性心室頻拍も十分に危険な状態だけれど、多形性心室頻拍はさらに危険で救命のために早急な処置が必要になるわ。

また、頻拍の持続時間が30秒以上のものを持続性心室頻拍、30秒未満のものを非持続性心室頻拍と呼ぶの。
非持続性心室頻拍なら大事に至らないことも少なくないけれど、持続性心室頻拍を放置すると心室細動に移行するリスクがあることを知っておきましょう。

心室頻拍は、健康な人でも起こることがあるけれど、心疾患が基礎にあり心ポンプ機能が低下している患者さんで起こると特にリスクが高く、命に関わることもあるの。
実際、上記の心電図を示した患者さんは3年前に心筋梗塞の既往があり、PTCA(経皮的冠動脈形成術)を受けていたのだけれど、息苦しさと動機発作を訴えて検査入院した後、ベッド上で意識を失っていたの。
実は、心室頻拍が起こると同時に血圧も低下しており、低拍出性のショック状態に陥っていたのね。
このまま推移すると全身の循環不全を起こして、致死的な心室細動へ移行しかねないところだったわ。

心室頻拍の救命対応

患者さんが心室頻拍によりショック状態に陥っていることを看護師が確認したら、至急ドクターコールしましょう。
意識と脈拍が失われていたら、救急カートやAED、バイタルサインの持続的モニタリングを準備し、CPR(心肺蘇生)に入るわ。
医師以外のスタッフへの応援要請を含めて、初動でいかに迅速に動けるかが患者さんの救命に直結すると言っても過言ではないわね。

救命が達成できたら、植込み型除細動器の装着、抗不整脈薬の投与、カテーテルアブレーション(心筋焼灼術)などの治療に移っていくわ。
心疾患が基礎にある持続性心室頻拍に対しては、植込み型除細動器の装着が最も効果的と考えられているの。
一方、心疾患が基礎にない場合は、カテーテルアブレーションで根治できることもあるわ。


心室頻拍を引き起こす心疾患としては、今回の事例となった心筋梗塞のほか、心筋症やQT延長症候群などが知られているから覚えておいてね。

特に注意すべき心疾患を抱えている患者さんでは、心室頻拍の可能性を頭に入れておく必要があるわけですね。

監修:目黒通りハートクリニック院長 安田洋先生

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