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心臓リハビリテーション指導士に聞く(前編)

最新ナースコラム > 現場インタビュー「私の転機」

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心筋梗塞や狭心症、心不全などの心疾患の治療後には、生活習慣をトータルに見直して運動習慣を身につけることや、禁煙・食生活を中心とした生活習慣を改善することが求められます。適切な評価のもと早期離床を進め、その人に応じた運動レベルや生活指導を行うのが心臓リハビリテーション指導士です。多職種が取得できる資格ですが、特に患者さんに近い存在である看護師には、どのような役割が求められるのでしょうか。今週・来週と2回にわたって心臓リハビリテーション指導士にお話をうかがいます。

循環器看護のキャリアアップを目的に
資格取得を目指して治療態勢が充実した病院に転職

聖マリアンナ医科大学東横病院
心臓リハビリテーション指導士 栗原さゆりさん

長く経験を積んだ循環器看護の専門性を高める資格を取得したい

――看護師として学びを深めるきっかけになったことを教えてください。
私は看護学校を卒業後、大学病院に入職し、9年間、循環器看護に携わりました。順調に経験を積んでいたある日のこと、他施設から心臓リハビリテーション指導士の資格を持つ看護師が入職してきました。当時の私はこの資格があることも知りませんでした。心臓リハビリテーションに関する知識もほとんどありませんでした。

当時、私が所属していた循環器病棟では、心不全や虚血性心疾患などの多くの患者さんが安静を強いられていました。資格を持っていた看護師が同世代だったこともあり、いろいろ話を聞くなかで、患者さんの状態を適切に評価すれば早期離床は可能で、リハビリテーションによって早い時期から動けるようになることを知りました。さらに患者さんの予後にも良い影響があることがわかり、「なぜ、心臓リハビリテーションをもっと広めないのだろう」と考えるようになったのです。

私自身、看護師としてのキャリアアップを考える時期を迎えていましたが、当時は日本看護協会の慢性心不全看護認定看護師分野が創設される前で、循環器疾患の分野はありませんでした。そのため、これまでやってきた循環器看護の専門性を高められる資格を取りたいと考えていたので、心臓リハビリテーション指導士の資格は最適だと思いました。

資格を取得したことで自分の看護に自信が持てるように

――資格取得に向けてどのような準備をされたのでしょうか?
心臓リハビリテーション指導士は、2年以上継続して日本心臓リハビリテーション学会員でなければ受験資格が得られないため、まずは学会に入会をしました。さらに書類審査では、自分が主体的にかかわった10症例の提出が求められます。症例をまとめるためには、心臓リハビリテーションの実施経験が必要なため、経験がある医師や理学療法士のアドバイスなしには困難だと思いました。そこで、この資格を取るという明確な目標を持って、循環器領域が充実している当院に転職しました。看護部が取得を支援している資格のなかに心臓リハビリテーション指導士が含まれていたことも、当院を選んだ理由のひとつでした。

症例報告は、この資格を取得するにあたって最も苦労したことでした。これまで培った経験や知識を違う角度から、つまり看護だけではなく、リハビリテーションの視点からみることが求められます。心臓リハビリテーションでは、心肺運動負荷試験(CPX)の分析と、実際に運動を実施した後の再評価、「この症例にはこの運動負荷が適していたのではないか」という振り返りを繰り返し行います。しかし、看護師は日常の業務でこれらに携わる機会が少なく、私にとって貴重な経験となりました。心臓リハビリテーションに積極的に取り組んでいる医師、理学療法士のもと、勉強しながらさまざまな循環器疾患の症例を経験させてもらいました。

心臓リハビリテーション指導士は、看護師だけでなく、医師や理学療法士、管理栄養士などさまざまな職種が取得可能な資格で、運動生理学から栄養学まで幅広い範囲をカバーしなければなりません。勉強は学会が発行している『指導士資格認定試験準拠 心臓リハビリテーション必携』を読み込んだり、学会誌に掲載されている過去問題を解いたりしました。特に看護師は運動負荷試験の分析が苦手な人が多いと思うのですが、自分の専門分野外も暗記ではなく、しっかり理解していないと解答できない問題ばかりなので、試験直前は休日返上で勉強しました。

症例報告をまとめたり、筆記試験の勉強をしたりと、本当に大変でしたが、資格を取ったことで、自分の看護に自信が持てるようになりました。また、知識を得たことで、詳しい情報提供ができるようになったのは本当に良かったですし、患者さんにも受け入れてもらいやすくなったのではないかと思います(次号に続く)。


栗原さゆりさん
聖マリアンナ医科大学東横病院
獨協医科大学看護専門学校を卒業後、獨協医科大学病院に入職。2008年に聖マリアンナ医科大学東横病院に入職。2011年、心臓リハビリテーション指導士の資格を取得。現在は看護部主任を務め、循環器・消化器外科・消化器内科の混合病棟に勤務。

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