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弾性ストッキング・コンダクターに聞く(後編)

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医療法人社団東京育明会 両国あしのクリニック
弾性ストッキング・コンダクター 村樫夕美子さん(マネージャー)/太田美和子さん

資格を取ることでケアに自信を持ち
看護師主導のケアが提供できるようになる

リンパ浮腫などの圧迫療法に用いられる弾性ストッキングは、正しい方法で継続的に使用することが求められます。指導の実際や多くの患者さんを指導している経験から、その課題などについて、前回に引き続き、弾性ストッキング・コンダクターにお話をうかがいます。

時間がかかっても確実にできるようになるまで繰り返し指導することが重要

――実際に患者さんの指導はどのように行っているのでしょうか?
村樫 当院では術後に弾性ストッキングを履いてもらうケースが多く、初診で治療方針が決まると、医師から検査と弾性ストッキングが処方されます。その段階で担当看護師がつき、検査の介助や弾性ストッキングの指導を行います。手術日までに日があく場合は、手術日にも必ず弾性ストッキングが履けるかどうかを確認し、履き方に不安がある場合には再度指導します。履き方に不安がある方には、術後の受診時にも改めて説明したり、場合によっては再指導のために来院してもらいます。遠方の患者さんからは電話連絡を受けることもあるので、事前に渡している写真付きの履き方の指導書を見てもらいながら、説明することもあります。

なかには、他施設で弾性ストッキングを処方された患者さんが「売店で購入して履くように言われたけれど、履けません」と当院を受診するケースもあります。マンパワーの問題もあるのだと思いますが、そうした患者さんは履き方の指導を受けていないことがほとんどです。

当院の場合、時間はかかっても、正しい履き方、履き方のコツを覚えてもらうまで、看護師がマンツーマンで指導します。正しい装着方法を習得すれば、女性であればストッキング、男性であれば靴下を履くような感覚で履けるようになります。

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「学びを深めることでよりよいケアが提供でき、患者さんから『ありがとう』と言ってもらえたときには“働きがい”を感じる」と村樫さん

弾性ストッキング装着指導のレベル全体を引き上げていく役割を担いたい

――患者さんへの指導、ケアにあたっていて課題だと感じることはありますか?
村樫 下肢静脈瘤、リンパ浮腫ともにいえることですが、弾性ストッキングは履き続けなければ意味がありません。手術後は診察の間隔があき、自宅でも確実に、正しく履けているかが把握しにくいため、患者さんの意見を聞く機会が必要だと感じています。その意見から弾性ストッキングを継続できる方法、指導のヒントが得られるのではないか、さらに質の高い指導につなげられるのではないかと考えています。また、弾性ストッキングを継続的に装着するためには、品質も重要です。患者さんからはかぶれるといった声も聞かれるため、実際に使用している患者さんの声を弾性ストッキングのメーカーに伝えていく役割も担えればと思います。

もうひとつは、リンパ浮腫などの治療、ケア全体のレベルアップです。施設によってマンパワーや指導に割ける時間に差があるのが現状ですが、当院だけでなく、他施設の患者さんにもレベルの高いケアや指導が提供されるようになればと思います。メーカーが勉強会を開いたり、施設で使い方の説明をしていますが、指導機会が少ないと、レベルアップは難しいと思います。当院では、他施設からの見学も受け入れていますし、微力ながら伝えられることがあればと考えています。

太田 患者さんに弾性ストッキングを続けてもらうには、看護師の指導力が重要ですので、スタッフ一丸となって知識を身につけ、さまざまな患者さんのニーズに対応できるように努めていきたいと思います。そのためには、患者さんとのコミュニケーションを通じて信頼関係を築くことが重要であり、それが術後ケアへの安心感につながります。患者さんから引き出した本音は、スタッフの課題として活かしていかなければなりませんし、情報を共有することによって、スタッフ全員の経験知を高められればと思います。

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「継続的に弾性ストッキングを装着してもらうためには、患者さんが自分で履けるようになるまでていねいに指導することが大切」と太田さん

患者さんからの「ありがとう」が大きな自信に

――資格取得のメリットや読者へのメッセージをお願いします。
太田 私は入職後の最初の目標が資格を取得することでした。仕事をするうえでのモチベーションも上がりますし、取得できたときには素直にうれしかったです。また、何よりも看護師としての責任感、ケアに自信が持てることが、資格を取ることのいちばんのメリットだと思います。治療や診断技術、医療機器などは進歩していますが、人の身体は変わらないので、直接ケアできる私たちの仕事は年齢を重ねても続けることができます。その質をより高めるためにも、学ぶことは重要ですし、それが自信にもなります。

村樫 当院は専門クリニックですので、専門分野を持ちたいと入職を希望する看護師が多く、自己学習にも積極的です。さらに資格を取得するという目標があると、患者さんへの態度、ケア実践にも積極的な姿勢がみられます。そういった意味でも資格取得は有意義なものではないでしょうか。

専門性を高めていくことで知識が深まり、経験を重ねることで医師からの指示で看護を提供するのではなく、自分が主導でケアができるようになります。患者さんが弾性ストッキングを履けるようになり、「ありがとう」と言われることや、丁寧な説明によって患者さんの理解を得ることができたときは、大きな自信にもつながります。資格を持つことで自信を深め、看護師が主体的に動けるようになることは、看護師自身の“働きがい”を高めるのではないでしょうか。

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弾性ストッキングを処方された患者さんに渡している写真つきの装着方法の説明。遠方の患者さんの場合、この説明書を見ながら電話指導を行うことも

村樫夕美子さん
医療法人社団東京育明会 両国あしのクリニック
急性期病院勤務を経て、2004年に両国あしのクリニックの前身である板橋本町クリニックに入職。2005年に弾性ストッキング・コンダクターの資格を取得。現在は同院のマネージャーを務める

太田美和子さん
医療法人社団東京育明会 両国あしのクリニック
急性期病院勤務後、介護施設を経て、2010年に両国あしのクリニックに入職。2011年に弾性ストッキング・コンダクターの資格を取得


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