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看護あるある手技Q&A 尿検査の検査項目(3)定量検査編

仕事に役立つ看護手技 > アセスメント・記録 編

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尿定量検査とは、何を調べるものですか?

その検査項目の成分が、どのくらい尿の中に含まれているかを調べることで、疾患の有無や状態などについてより詳しく知ることができるのよ。

リコ:尿の定量検査は、定性検査と違って尿中の成分量を測る検査ですよね。

ヨシミ:定性検査では「ある成分の有無」を調べるのに対して、定量検査ではより詳細に「ある成分がどのくらい尿の中に含まれているか」を調べるわけね。
どんな検査項目で何がわかるのか、具体的に確認していきましょう!

尿定量検査の主な検査項目

尿定量検査の検査項目はたくさんあるけれど、まずは主なものから押さえることが大切よ。

・尿タンパク(基準範囲:随時尿10 mg/dL以下 、1日量20~60mg)
尿に含まれるタンパク質の大部分を占めるアルブミンのほか、α1-アンチトリプシン、ムコタンパク、トランスフェリン、免疫グロブリンなどを含めた総タンパク量を調べるものよ。
基準範囲を超える場合は糸球体腎炎やネフローゼ症候群などの腎疾患が疑われるほか、循環器疾患や血液疾患でも数値が上昇することが知られているわ。

・尿糖(基準範囲:随時尿20mg/dL以下、1日量40~85mg)
正常であれば糸球体で濾過され尿細管で再吸収されるグルコースだけれど、腎の糖排泄閾値を超えると尿中に排出されてしまうの。
この数値が高いときは、1型・2型糖尿病はもちろんのこと、甲状腺機能亢進症、クッシング症候群などの二次性糖尿病などが疑われるのよ。

・含窒素成分
クレアチニン(基準範囲:0.02~300 mg/dL)、クレアチン、尿素、尿酸、アンモニアなどが含まれるわ。
クレアチニンは筋肉においてクレアチンから生成されるもので、その数値が低下していれば肝障害や甲状腺機能低下など、上昇していれば筋ジストロフィーや多発性筋炎などが疑われるわね。

・酵素
NAG(基準範囲11.5 IU/L以下)やアミラーゼ(基準範囲:30~950IU/L)などが含まれるわ。
NAGとはN-アセチル-β-D-グルコサミニダーゼのことで、糸球体や尿細管における障害を鋭敏に反映して上昇することが知られているの。
NAGが高値になる主な疾患としては、ネフローゼ症候群、急性腎不全、糸球体腎炎などがあるわ。

ほかにも、電解質(ナトリウム、カリウム、クロール、カルシウム、無機リンなど)や低分子量血漿タンパク(β2-マイクログロブリンなど)を尿定量検査で調べることがあるわ。

1日尿タンパク量を推定できる計算式とは?

これらの検査項目の中でも、特に重要なのは尿タンパクじゃないかしら。
先にも述べたように、尿タンパクは腎疾患の有無や状態の判断材料となるほか、全身疾患とも関連があるわ。
尿タンパクが高い人は心血管系疾患のリスクも高まることがわかっていて、腎臓血管の異常が脳や心臓の血管とも関連していると考えられているのよ。

原則として、尿タンパクは尿量によって濃度が異なることから、随時尿では正しい判断ができないの。
蓄尿が必須だから入院患者さんでしか測定できず、外来では難しい検査なのね。

ただ、「随時尿の尿タンパク÷随時尿の尿中クレアチニン」を計算すれば、1日尿タンパク量を推定することができるわ。
尿中クレアチニン量はその人の筋肉量に応じて決まり、生理的な変動が起こらないため、1日量がほぼ一定であることを利用した計算式なの。
これはクレアチニン補正と呼ばれるもので、特に糖尿病性腎症などのスクリーニングとして頻用されているのよ。


基本的には、定性検査でスクリーニングをした後、より詳しく調べたい項目について定量検査を行うという流れですね。

これで尿検査の項目について、一通り概観できたはずよ。
現場でも積極的に検査値を見るようにして、より実践的な学びにつなげていってくれることを期待しているわ!

監修:医療法人社団航洋会 目黒通りハートクリニック 理事長/院長 安田洋先生

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