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看護あるある手技Q&A 呼吸理学療法(体位ドレナージ)

仕事に役立つ看護手技 > 疾患・部位別の看護 編

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体位ドレナージを効果的に行うには、どんなポイントに気をつければいいですか?

気道分泌物の貯留している肺区域が気管支より上位になるように、気管支が垂直になるようにすることが体位を決めるポイントよ。

リコ:患者さんの排痰を促すために体位ドレナージをしたのですが、思ったような効果が得られませんでした。
これは体位が正しくなかったからでしょうか?

ヨシミ:もちろん、適切なドレナージ体位を選ぶことは大切だけれど、気道分泌物を排除しやすくするためには、そのほかにも注意すべきポイントがあるの。
実際の流れを押さえながら、体位ドレナージを安全かつ効果的に行う方法を学んでいきましょう!

ドレナージ体位はどう決める?

体位ドレナージとは、重力を利用して気道分泌物を太い気管に移動させ、換気や酸素化を改善するため、患者さんに適切な体位を取ってもらう手法よ。
無気肺や肺炎などの発症を防ぐため、人工呼吸器使用中や長期臥床中などの患者さんで予防的に実施するケースと、すでに発症してしまった無気肺や肺膿瘍などの患者さんで治療的に実施するケースがあるわ。

ただし、患者さんの体位を変えることで、大きなエネルギーを消費したり、循環器系へ影響が出たりすることが考えられるから、体位ドレナージを行う前提として、患者さんのバイタルサインが安定していることが必要よ。
特に、加齢などにより体力が低下している患者さんや、術後の患者さん(特に出血傾向や循環動態の不安定が見られる場合)に対しては禁忌ということを覚えておいてね。

体位ドレナージを効果的に行うために大切なのは、聴診などで分泌物の貯留部位を把握し、肺のどの部分をターゲットにして体位ドレナージを行うか、よく検討することよ。
分泌物が貯留している場合は、聴診で低調性連続性副雑音(グーグー)や粗めの断続性副雑音(ブクブク)が確認できるはずよ。

分泌物の貯留部位が分かったら、いよいよ体位を決めるわ。
このときは、分泌物が貯留している肺区域を気管支より上位に、そして気管支を垂直にすることがポイント
こうすれば、粘稠度の高い痰でも中心気道に移動させやすくなるわけね。
具体的には、貯留区域が肺前面の上葉にあるなら半座位(ファウラー位)、肺後面の下葉にあるなら腹臥位+頭低位となるわ。

リスクを避け、効果的に行うポイントは?

それでは、実際に体位ドレナージを実践するときの流れを見ていきましょう。
まず大切なのは、患者さんの状況をよく確認することね。
食直後に実施すると嘔吐を誘発しやすいから、食後2時間以上は経過してからにしましょう。
また、体位によっては患者さんの疼痛を誘発するおそれもあるから、必要に応じて事前に鎮痛薬を投与してから(除痛が図られてから)実施することを心がけてね。
逆に、睡眠中は同じ姿勢をとりがちで、分泌物が肺の末梢にたまりやすいから、覚醒直後の体位ドレナージはとても効果的よ。

さらに、体位を変えることで点滴ラインやドレーン、人工呼吸器のチューブなどが抜去・屈曲してしまうことのないよう、チェックするのを忘れないでね。
特に、心電図モニタパッチが圧迫されると皮膚損傷につながりかねないから、体位に応じて貼付位置を変更しておくといいわ。
チューブ類が多い場合などは、複数の看護師で体位ドレナージを行ったほうが安全よ。

患者さんのバイタルサインをチェックしたら、ネブライザー吸入をしておくことで、より分泌物を排出しやすくなるわ。
患者さんの状態に応じたドレナージ体位にしたら「それでよし」じゃなく、バイタルサインの変動はもちろん、苦痛の訴えや顔色の変化などにも気を配りましょう。
特に、手足が下になるような体位の場合、循環障害や神経障害が起こっていないか注意して観察しましょう。

なお、体位ドレナージはまとめて行うよりも、数回に分けるほうが効果的とされているわ。
1つの体位は5~15分程度、1回の体位ドレナージは30分程度とするのが基本よ。

体位ドレナージ終了後はもちろん、実施中にも適宜呼吸音を聴いて、分泌物が移動していることが分かったら排痰を促しましょう。
患者さんが痰を飲み込んでしまわないよう、きちんと指導してね。
体位を戻すときにも、患者さんのバイタルサインやチューブ類の取り扱いには注意し、最後まで気を抜かないことが大切よ。


体位変換の際には、ベッドからの転落にも注意する必要がありますね。

そのリスクを考えても、やはり看護師複数体制で対応したいわね。
患者さんに苦痛や危険が及ばないよう十分に配慮しながら、効果的な体位ドレナージを行っていきましょう!

監修:医療法人社団航洋会 目黒通りハートクリニック 理事長/院長 安田洋先生

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