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医療的ケア児~地域の受け皿確保への課題

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学校における医療的ケアの現状

生まれたときから重い障害などにより、日常的に医療的ケアが必要な医療的ケア児は、新生児医療の進歩などに伴い増加しています。

2015年度の文部科学省の調査によると、全国の公立特別支援学校で日常的に医療的ケアを必要とする幼児児童は8,143名と、5,901人だった2006年度の同調査と比べ、138%の増加となっています。
公立小・中学校においても、通常学級301人、特別支援学級538人の計839人にのぼっています※1
また、特別支援学校の児童・生徒は重度の障害により、栄養、呼吸管理、排泄管理など、延べ25,728人がケア行為を受けています。
※1 文部科学省「特別支援学校医療的ケア実施体制状況調査結果」

学校における医療的ケア児への対応は、長く保護者のみで行われていました。
2004年に全国的な医療的ケアの体制が整備され、看護師等を中心に、教員との連携によって行われるようになりました
看護師が担う職務は次のようなものが挙げられます。

〈看護師が実施できる行為〉

  • 医療的ケア(痰の吸引、経管栄養その他の医行為)の実施
  • 医療的ケアを必要とする幼児児童生徒への指導等に携わる教職員への指導・助言
  • 医療的ケアに関する保護者相談対応、主治医・放課後等デイサービス等との連絡

医療者が対応すべきケア児が増加

医療的ケア児の増加に伴い、看護師の学校への配置数は増加しています。
また、2012年4月には介護保険法の一部改正に伴う社会福祉士および介護福祉法の一部改正によって、認定特定行為業務従事者研修を受けた教員は、次の特定行為が実施できるようになりました。

〈認定特定行為業務従事者研修修了者が実施できる行為〉

  • 口腔内の喀痰吸引
  • 鼻腔内の喀痰吸引
  • 気管カニューレ内部の喀痰吸引
  • 胃ろうまたは腸ろうによる栄養管理
  • 経鼻経管栄養

しかし、看護師等の医療関係者しか対応できないケアも多く、看護師の学校への配置の拡充が求められています。

地域で医療的ケア児を看ていくために

就学前の医療的ケア児は、保育園や幼稚園などへの入園が難しく、地域に受け皿がないことが問題となっています。
厚生労働省の調査では、「介護、見守りのための時間的拘束に係る負担」が大きいと感じている家族が多く、断続的にしか睡眠を取れないなど、家族の疲弊が懸念されています※2

※2 平成27年度厚生労働省社会・援護局委託事業「在宅医療ケアが必要な子どもに関する調査」速報値

そんななか、2016年に「障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律及び児童福祉法の一部を改正する法律(改正障害者総合支援法)」が交付されました。
これには、医療的ケア児の支援体制の整備について、自治体がその努力義務を負うことが盛り込まれています。
保健、医療、福祉、教育など、様々な分野で連携を図り、切れ目のない支援体制が確立されることが望まれます。

また、看護においては、退院前から、地域の訪問看護ステーションにつなぎ、医療的ケア児だけでなく、家族支援も継続できる体制づくりが求められています。
小児を積極的に受け入れている訪問看護ステーションは少ないといわれていますが、レスパイトケアの提供も含め、今後はさらに看護の役割が重要となっていくのではないでしょうか。

参考
文部科学省:平成 27 年度特別支援学校等の医療的ケアに関する調査結果について
文部科学省初等中等教育局 特別支援教育課:学校における医療的ケアの必要な児童生徒等 への対応について
全国医療的ケア児者支援協議会
厚生労働省:医療的ケアが必要な障害児への支援の充実に向けて
自由民主党:障害児者問題調査会医療的ケア児の支援の在り方を考えるワーキングチーム
内閣府:医療的ケア児の支援に関する保健、医療、福祉、教育等の連携の一層の推進について

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