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看護あるある手技Q&A 院内感染に注意!冬季に流行する呼吸器感染症

仕事に役立つ看護手技 > 感染管理 編

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冬季に流行する呼吸器感染症で、特に院内感染予防に注意すべきものは何でしょうか?

インフルエンザやノロウイルス感染症だけでなく、RSウイルス感染症やマイコプラズマ肺炎についても知っておきましょう!

リコ:今年も、感染症が猛威を振るう時季が近づいてきましたね。
インフルエンザやノロウイルスの脅威がまず思い浮かびますが、そのほかに注意したい冬季感染症にはどんなものがありますか?

ヨシミ:院内感染の予防は常に大切なことだけれど、これからの季節は特に意識したいものね。
今回は、RSウイルス感染症とマイコプラズマ肺炎について学んでいきましょう。

RSウイルス感染症―乳幼児で重症化しやすく、大人も要注意

RSウイルスは世界中に存在し、日本でも毎年のように秋から新春にかけて流行しているわ。
感染すると、鼻水や咳、発熱といった症状を伴う急性の上気道炎症状を引き起こし、罹患期間は一般的に1~2週間程度。

感染力がきわめて強く、特に小児病棟での院内感染が問題になるわね。
というのも、乳幼児期、特に生後6か月以内の乳児や、心肺系に基礎疾患を持つ子どもがRSウイルスに感染すると重症化しやすく、致死率も高いのよ。
2歳までにほぼ100%の子どもが罹患するのだけれど、そのうち約30%は上気道炎や気管支炎から下気道炎へ進展すると考えられており、乳幼児期における肺炎の約50%がRSウイルスによるものという報告もあるわ。
また、1歳以下では中耳炎を合併することも少なくないわね。

成人が罹患した場合、普通感冒を引き起こすだけのことが多いものの、RSウイルスに感染した患児をケアする保護者や医療従事者は、初感染児から排出される大量のウイルスにさらされることでインフルエンザ様症状を発症することもあるわ。
また、高齢者が感染すると急性かつ重症の下気道炎が引き起こされることがあり、高齢者の多い病棟や福祉施設などでも集団感染が問題となっているの。

主な感染経路は、飛沫感染と接触感染の2つ。
院内感染は、患者さんとの濃厚接触や、分泌物に汚染されたものへの接触が原因となることが多いわ。
例えば、患者さんの鼻汁や痰が付着した手指、そして衣服やおもちゃなども付着後4~7時間は感染性を持っているから、手指衛生を意識した標準予防策および接触感染予防策を徹底することが求められるわ。

鼻や眼からも感染すると考えられているため、マスクの有効性は限定的とする意見もあるけれど、一般的には飛沫感染を防ぐためにマスク着用が望ましいと思うわ。
なお、RSウイルスは消毒薬への抵抗性が弱い傾向にあるから、消毒用アルコールや次亜塩素酸ナトリウムを活用するのもいいわね。

マイコプラズマ肺炎―若年層に多く、解熱後も咳が長引く

マイコプラズマはウイルスと細菌の中間ともいえる存在の病原微生物で、感染すると咽頭炎や気管支炎、そして肺炎を引き起こすことがあるわ。
マイコプラズマ肺炎が最も多くみられるのは5~9歳、次いで10~14歳で、主に学童期の子どもよ。
実は、5~35歳における肺炎の大部分をマイコプラズマ肺炎が占めていて、高齢者の罹患が多い肺炎球菌による肺炎に比べると、若年層にみられるケースが多いことがわかるわね。

感染すると、発熱、頭痛、徐々に強くなる咳といった症状が出るのが基本で、急性期では40%ほどに喘鳴が認められるわ。
さらに、中耳炎、無菌性髄膜炎、脳炎、肝炎、ギラン・バレー症候群、スティーブンス・ジョンソン症候群など多様な合併症も確認されているのよ。

マイコプラズマ肺炎の特徴は、2~3週間の長い潜伏期と、解熱後も1ヵ月ほど長引く咳ね。
患者さん本人の症状が軽くなっていっても、数週間から数ヵ月にわたってマイコプラズマを排出することがあり、学校や医療施設などで流行すると数ヵ月にわたって感染が広がってしまうことも少なくないの。
肺炎の中では症状が比較的軽めで、通院治療を受ける人が多いことから、アメリカでは「歩く肺炎」と呼ばれることもあるそうよ。

感染経路は、RSウイルスと同様に飛沫感染と接触感染よ。
院内においては、基本的に患者さんを個室管理あるいはコホーティング(集団隔離)することが基本。
手指衛生などの徹底が必要なことは言うまでもないわね。
さらに、医療従事者が入室するときはもちろん、どうしても患者さんが病室から出るという場合にも、サージカルマスクの着用を徹底すること。
現在のところ有効なワクチンは存在しないけれど、接触者の発病を防ぐためにアジスロマイシンを予防投与薬として用いるのが効果的との報告もあるわ。


いずれも持続的な免疫ができづらく、再感染するおそれのある感染症だから、「一度かかったから大丈夫」と患者さんが誤解しないよう、しっかりと説明することを心がけてね。

患者さんが小さな子どもであれば、保護者にも感染予防の意識を継続して持ってもらうことが大切ですね。

監修:医療法人社団航洋会 目黒通りハートクリニック 理事長/院長 安田洋先生

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