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いまさら聞けない「介護老人保健施設」の看護師の仕事とは?

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介護老人保健施設(以下、老健)は、1985年に医療と特別養護老人ホーム等の福祉サービスを提供する、病院と在宅の中間に位置づける施設として構想案が打ち出され、88年に新たな高齢者ケア施設に位置づけられました。2000年の介護保険制度施行後に現在の「介護老人保健施設」となっています。

老健の役割とは?

老健は、高齢者の「医療」と「福祉」をつなぎ、在宅での生活が継続できるように在宅ケアを支えるためのサービスを提供する施設です。「介護老人福祉施設」と混同しやすいですが、介護老人福祉施設は老人福祉法に基づく施設で、老健は介護保険法に基づいて設置されているものです。老健は、要介護者に対する看護、医学的管理下での介護、機能訓練等の必要な医療、日常生活の世話を行う施設であり、入所者は病状が安定し、リハビリテーションや看護、介護を必要とする要介護者です。近年では認知症高齢者が増加しており、看護師の役割も重要となっています。

〈主な老健の役割〉
(1)包括的ケアサービスの提供
(医療と福祉サービスの統合)
(2)リハビリテーションの実施
(生活機能の向上を目的とした集中的な維持リハビリテーション)
(3)在宅復帰を目指したケア
(多職種によるチームケア)
(4)在宅生活支援
(家庭生活の継続を目指して高齢者と家族を支える)
(5)地域での生活を支える
(家族や地域ボランティア等にケア技術を指導する)

老健では、在宅復帰後も継続的に生活を支援するショートステイや通所リハビリテーション、在宅での生活を支える居宅介護支援事業者、訪問看護ステーション、訪問介護ステーション、訪問リハビリテーションなどを実施しているケースがあります。

老健で働く看護師のやりがいとは?

老健は看護師の配置基準があり、入所定員100人あたり9人となっています(入所者:介護職員+看護師=3:1、看護2:介護5)。そのなかで看護師は、入所者の健康管理にかかわるすべてを担います。
老健は、在宅復帰を目指す施設です。服薬管理、口腔ケアはもちろん、理学療法士や作業療法士と連携し、食事や入浴など、在宅での生活を常に意識した看護の視点で入所者のケアを行います。
老健の入所者は病状が安定しているとはいえ、急変することもあります。いつもと様子や表情が違う、慢性疾患の悪化や薬の影響をみられる症状がある等の場合には、より注意深く観察して緊急性を見極め、医師に報告したり、救急搬送の必要性を判断したりする必要があります。日中は医師への報告とその指示で動くことができますが、夜間はほぼ看護師が対応することになります。病棟での経験が豊富でアセスメント能力が高い看護師が求められるといえるでしょう。
日本看護協会が行った「介護施設等における看護職員に求められる役割とその体制のあり方に関する調査研究事業」のアンケート調査では、老健の看護師は

  • 入所者の看取りの意向の事前確認
  • 感染対策等の家族への説明
  • 生活者の視点での介護事故予防対策の立案
  • 入所者の一時帰宅の調整
  • 個々の排泄習慣をふまえた上での自立した排泄支援

について、「看護師が実施すべき重要な業務」だと考えている看護師の割合が、施設長や管理者よりも高かったことがわかりました。限られた人員のなか、老健では介護職の業務を看護師が担うケースも多いですが、看護師がどのような業務を担うのか、専門性を発揮できる施設かどうかは施設長や管理者の考え方によっても異なるといえます。

給与や夜勤がネックになることも…

同じ日本看護協会のアンケートによれば、月平均の時間外労働は病院の6.6時間に比べて3.9時間と少なく、日勤常勤という働き方が認められている施設もあります。そのため、家庭と仕事の両立を目指して老健を転職先の選択肢のひとつとする人も少なくありません。病状が安定した高齢者が対象なので、急な業務時間延長もほとんどなく、老年看護に関心のある人にとってはじっくり入所者とかかわることができ、やりがいのある環境だといえるでしょう。
しかし、看護師の夜勤は基準で定められているわけではないものの、多くの施設で看護師が夜勤に入っています。これは人員不足によるところも大きいとみられますが、施設によって看護師の働き方は異なるので、事前にしっかり確認しておく必要があるでしょう。
また老健は病院勤務に比べて給与が低いといわれています。特に夜勤に入らない場合には収入が大幅に減ることもあるので、働き方と業務内容、給与はしっかりと見極めましょう。
病院では医療従事者で最も多いのが看護師ですが、老健では看護師は少数派です。介護職やリハビリ職と、互いの専門性を理解し合えるような働きかけや人間関係の構築も重要です。

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