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看護あるある手技Q&A 不定愁訴をどう受け止める?

仕事に役立つ看護手技 > アセスメント・記録 編

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患者さんから度重なる不定愁訴があり、対応に苦慮しています。どう受け止めればいいでしょうか?

不定愁訴の裏に潜んでいる、患者さんの「本当の思い」を探ってみましょう。

リコ:患者さんの訴えの内容が不明確で、モヤモヤしていてつかみどころがなく、いわゆる不定愁訴というものかもしれないと思っています。
どのように考え、対応したらいいでしょうか?

ヨシミ:「不定愁訴」とラベリングして思考停止していてはダメよ。その訴えの裏にどんな思いがあるのかを探ることで、より良いケアにつなげることができるわ。

まずは患者さんの訴えを受け止めよう

「何となく体が重い」と臥床がちな若い女性や、真夏であるにもかかわらず「寒い、寒い」と言って厚着している高齢者・・・
患者さんの訴えはさまざまで、客観的な様子と本人の訴えにギャップを感じることもあるかもしれないわね。

不定愁訴とは、だるさやめまい、腹痛などの自覚症状を訴えているにもかかわらず、検査をしても特に異常が見当たらず、症状を引き起こす明らかな要因がわからない訴えのことよ。
手がかりが患者さんの主観的な訴えだけになるから、他人からは理解されづらく、そのことが本人の苦痛をさらに強めているケースが少なくないの。

だからこそ、看護師は患者さんが訴える内容を「真」として、いったん受け止める必要があるわ。
患者さんが、少なくとも主観的に困った状態にあることは事実なんだから、その訴えを受けた看護師が
「また言ってるよ」
「どうせたいしたことでもないのに」
なんて思っていてはダメよね。
患者さんが訴える症状の要因は何なのかアセスメントしたうえで、どうも不定愁訴らしいと判断するなら、その裏に何があるのかを探ることが大切よ。

例えば、先に言った「何となく体が重い」という患者さんについて、次の4つのポイントの中でどれを検討すればいいかしら?

(1)食欲や実際の食事の量に問題はないか?
(2)睡眠時間は十分か? 熟睡感はあるか?
(3)気分が沈み込んでいたり意欲が低下していたりすることはあるか?
(4)家族との関係性に変化はないか?

患者さんの「本当の思い」に寄り添おう

正解は・・・どれも正しいわ。
あらためて患者さんの状態を見直す機会として、より深く訴えと関連していそうなポイントを詳しく観察し、アセスメントしていきましょう。
看護師の役割は医師とは異なるから、患者さんが訴える「体の重さ」を医学的に分析することにこだわらなくてもいいの。
必ずしも医学的に明確な要因があるとは限らないしね。

例えば、「(1)食欲や実際の食事の量に問題はないか?」のポイントからは、
「食欲が落ちているのはなぜだろう。食事が好みでないのかしら。
それとも動いていないからお腹が空かないのかしら。
そうだとしたら、車椅子でもかまわないから、気分転換のために少し散歩してもらおうか」
というように対処方法が見つかるかもしれないわね。

また、「(3)気分が沈み込んでいたり意欲が低下していたりすることはあるか?」のポイントからは、
「体が重いと訴えてから、どのくらい時間が経過したかしら。
そういえば、いつもは夕方になるとテレビを観ていたけれど、ここ1週間ほどは観ていない様子だわ。
もしかしたら、今まで楽しめていたことが楽しめないくらい、全般的に意欲が低下しているのかも・・・」
というように考えていけば、精神科的なケアが必要かもしれないという発想に結びつき、主治医に相談することもできるわね。

患者さんの訴えは、「症状に対応してほしい」という思いだけでなく、「私の話を聞いてほしい」「この不安な気持ちに寄り添ってほしい」という思いの表れであることも少なくないわ。
特に病室が個室の場合は一人きりになる時間が長いから、不安や寂しさを感じやすいはず。
患者さんの「本当の思い」に寄り添ったケアをすることで、当初の訴えが徐々に減っていくというケースも少なくないのよ。


患者さんの訴えをきっかけにして、アセスメントを深めていこうという意識が大切なんですね。

もちろん、悩んだら一人で抱え込む必要はないわ。
チームでアセスメントすることで、重要な観察ポイントを見逃さないようにしましょう!

監修:医療法人社団航洋会 目黒通りハートクリニック 理事長/院長 安田洋先生

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