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ワーファリン(R)に代わるNOACとは?

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PTーINRモニタリングが不要となった新しい抗凝固薬

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1962年の発売以降、心房細動に伴う脳血栓症予防や下肢静脈血栓症に対する抗凝固療法薬として長く使われてきた「ワーファリン(R)」。
看護師のみなさんにとっても、臨床で扱う機会の多い薬剤のひとつではないでしょうか。
しかし、ワーファリンはプロトロンビン時間国際標準比(PTーINR)のモニタリングによって増減を調整する必要があり、効果の表れ方にも個人差があること、食事制限(ビタミンKを含む納豆など)が必要といった点で使いにくさが指摘されていました。

長年の研究開発により、2011年に発売された新しい抗凝固薬「ダビガトラン」は、ワーファリン(R)のさまざまな問題点を克服し、非弁膜症性心房細動(NVAF:Non-ValvularAtrial Fibrillation)の患者さんにおける虚血性脳卒中および全身性閉塞症の発症抑制に優れた効果を発揮する薬剤として注目されました。
以降、2012年には「リバーロキサバン」、2013年には「アピキサバン」が発売され、2014年9月、静脈血栓症予防薬である「エドキサバン」にNVAFに伴う血栓症予防の効能が追加されています。
これらの新しい経口抗凝固薬を通称NOAC(novel oral anticoagulants)といいます。

4種の新しい抗凝固薬の特徴を理解する

現在、NOACは4種類発売されています。その主な特徴を紹介します。

(1)ダビガトラン(製品名:プラザキサ)

トロンビン直接阻害薬といわれる薬剤で、80%が腎排泄されます。
新規抗凝固薬として初めて発売された製品であることから服用している患者さんも多いでしょう。
1回150mgを1日2回服用するのが通常量です。出血リスクが高い患者や、脳梗塞のリスクが高く出血リスクが低い患者などに使われます。

(2)リバーロキサバン(製品名:イグザレルト)

1日1回投与が特徴。
1回投与量は15mgで、ヨーロッパでは急性冠動脈症候群(ACS)発症後のアテローム血栓性イベントの予防に効果があるとの報告もあることから、虚血性心疾患既往患者に使われることが多いです。
脳卒中再発予防、腎機能低下例、消化器症状の強い患者、1日1回服用を希望する患者に処方されることが多い薬剤です。

(3)アピキサバン(製品名:エリキュース)

リバーロキサバンと同じXa阻害薬で併用禁忌薬はなく、投与禁忌も少ないのが特徴。
「心房細動治療(薬物)ガイドライン2013年改訂版」では、心房細動による脳卒中発症リスク指標であるCHADS2スコアが1点であっても推奨される薬剤に指定されています。
出血リスクが高い患者、消化管出血既往例、脳卒中再発予防、腎機能低下例、消化器症状の強い患者などに使われます。

(4)エドキサバン(製品名:リクシアナ)

純国産のNOAC薬で、一般名の「エド」は、本剤を研究・開発した第一三共株式会社の研究所がある江戸川区の「江戸」が由来。
海外では、NVAFに対し、ワーファリン(R)内服群との比較で全身性塞栓症を有意に予防し、大出血が少ないというデータが出ています。

どのような患者を対象に処方されているのかを理解しておく

新たな薬剤の登場により、患者の服薬コンプライアンスは高まり、より高い効果も期待されます。
しかしながらまだ新しい薬であり、腎機能障害のある患者には使いにくい、出血性の合併症があったときの拮抗薬がない、消化器症状がみられる場合があるなどのデメリットもあります。
そのため、ワーファリンも含めて、それぞれの薬がどのような患者を対象に処方されているのかを理解しておくことが重要です。

また、NOACの服用対象の多くは高齢者であり、複数の合併症を抱えている人も少なくありません。
NOACに限りませんが、新しい薬が採用されたときには、薬剤師からも情報を収集し、副作用などについて学んでおきましょう。


引用・参考文献

  1. 明石嘉浩:新しい抗凝固薬が次々と出てきている! ワーファリン(R)に代わるNOACとは?.月刊ナーシング,34(14):5~7,2014.
  2. 合同研究班参加学会(日本循環器学会,日本心臓病学会,日本心電学会、日本不整脈学会):循環器病の診断と治療に関するガイドライン(2012年度合同研究班報告)心房細動治療(薬物)ガイドライン(2013年改訂版).
  3. Savelieva I,Camm AJ:Practical considerations for using novel oral anticoagulants in patients with atrial fibrillation. Clin Cardiol, 37(1) : 32-47, 2014.
  4. 第一三共株式会社:バリューレポート特集「エドキサバンを日本から世界へ」.

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