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看護あるある手技Q&A ヘパリンロックと生食ロック

仕事に役立つ看護手技 > 注射・点滴 編

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点滴ラインをロックするとき、ヘパリン加生理食塩水を使わず生理食塩水だけでOKと聞いたのですが、本当ですか?

そういう意見もあることは確かだけれど、実証データの報告はされていないため、生食ロックがヘパリンロックを代替するとはいえないと思うわ。

リコ:点滴ラインをロックするためヘパリン加生理食塩水を作っていたら、先輩から「ただの生理食塩水で大丈夫よ」と言われました。
これは本当ですか?

ヨシミ:生食のみのロック(生食ロック)ではルートが詰まってしまうのではないか、と言いたいわけね。
生食ロックでかまわないのか、それともヘパリンロックが必要なのか、考えてみましょう。

生食ロックか?ヘパリンロックか?

一時的にでも点滴ラインを外して血管への流入がストップすると、ルート内を血液が逆流してくることになるわ。
血液は凝固する性質を持っているから、そのままではルートが詰まってしまうわね。
フラッシュして開通できなければ点滴を入れ替える必要も出てくるから、患者さんに余計な苦痛を与えてしまうし、感染のリスクも高まることになるわけ。

こうした事態を避けるため、ルートをヘパリン加生食(抗凝固薬のヘパリンを生理食塩水で希釈したもの)で満たしておく処置がヘパリンロックなのね。
このとき、わざわざヘパリンを使わず、生食だけでもルートの開通性は維持できるのではないか、という意見もあるの。
もしそうだったら、手間とコストをかけてヘパリンロックすることもないわよね。

でも、ルート開通性の観点から生食ロックがヘパリンロックの代わりになることを十分に実証した研究報告は今のところないから注意が必要よ。
逆に、ヘパリンロックがルートの開通性を保つことには多くのエビデンスがあるわ。

実際の臨床では、「手間やコストがかかりにくいから」「短時間のロックだから」「仮にルートが閉塞しても末梢であれば交換しやすいから」という理由で生食ロックを選択することがあるけれど、本当にそれでいいのか疑問が残るところね。
ここのところは、個々のスタッフが判断するのではなく、施設としてどんな考えでどんな方針をとっているのか確認しておきましょう。

ヘパリンロックのリスクとは?

生食ロックを推す声が挙がるのは、ヘパリンは薬剤(抗凝固薬)だから、生食に比べて有害事象のリスクがあることも影響していると思うわ。

有名なものにヘパリン起因性血小板減少症(heparin-induced thrombocytopenia;HIT)があり、迅速な診断・治療をしなければ死に至るおそれもあるわ。
発生率はごくまれだけれど、こうしたリスクがあることは知っておきましょう。

また、これはヘパリンそのもののリスクとはいえないけれど、作業効率を重視してヘパリン加生食を作り置きして常温で保存しておいたため、セラチア菌が増殖して集団院内感染を招いたという事例もあるわ。
こうしたリスクは、プレフィルドシリンジを使うことで回避できるわね。

さらに、比較的ささいなことだけれど、ワルファリンなどの抗凝固薬を内服している患者さんの場合、1日に何度もヘパリンロックすると抗凝固薬の効果が正確に判定できなくなるという問題もあるのよ。

生食ロックとヘパリンロック、それぞれのメリットとデメリットを踏まえたうえで、それでもヘパリンロックの有用性は捨ておけないと私は思うけれど、どうかしら?


ヘパリンロックにはリスクもあるけれど、それを踏まえて適切に行えば、確実にルート開通性を維持できるわけですね。

その通りよ。
コストや労力がかからないという施設側の都合だけで生食ロックを選ぶことに医療倫理上の問題があることは確かだから、正しい知識を持っておきたいわね。

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監修:医療法人社団航洋会 目黒通りハートクリニック 理事長/院長 安田洋先生

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