リクルートの看護師転職パートナー ナースフル

閉じる

明日役立つ手技から働き方、医療ニュースまで、看護に活かせる情報をお届け ナースフルマガジン

看護あるある手技Q&A フォーカスチャーティングによる看護記録

看護あるある 手技Q&A > アセスメント・記録 編

看護記録の「フォーカスチャーティング」とは、どんな記録方式ですか?

患者さんの身に起こった出来事に着目し、経過を“D・A・R”に区分して記録する方法よ。

リコ:違う病院に勤めている友人が、「来年度から看護記録がフォーカスチャーティングに変わるから」と勉強していました。
その名称は聞いたことがあるものの、いったいどんな記録方式なのでしょうか?

ヨシミ:フォーカスチャーティングは、SOAPよりも比較的新しい記録方式で、まだなじみがないという人も多いかもしれないわね。

フォーカスチャーティングとSOAPの違い

以前に説明したSOAPは、1つの看護問題ごとに
「S=(患者さんの)主観的情報」
「O=客観的情報」
「A=アセスメント」
「P=計画」
を記述して、患者さんのケアに役立てるというものだったわね。
看護師が入手した情報から何をどう考えたのかをわかりやすく記録していく、アセスメント能力が問われる記録方式ともいえるわ。

一方、同じ叙述的な記録でも、得られた情報を医療過程に沿って系統的に記載していく方法がフォーカスチャーティング(focus charting)よ。
1981年にアメリカの看護師スーザン・ランピーが発表したもので、現在では日本でも採用する医療施設が増えているわ。

フォーカスチャーティングの特徴は、「問題」に着目するSOAPとは異なり、患者さんの身に起きた「出来事」に着目することよ。
この方式で書いた記録は、患者さんの状態をパッと見でとらえやすく、医療従事者同士で情報共有しやすいというメリットがあるわ。
患者さんと医療従事者の「相互作用」(どんなケアにどう反応したか、など)も書き残しやすいわね。
また、経過に沿った記録であることから、患者さんやご家族へ説明する際にも使いやすいと思うわ。

フォーカスチャーティングのDARとは?

では、フォーカスチャーティングの具体的な書き方を見ていきましょう。
まず、本文とは独立したフォーカス欄(F)を設けて、そこに患者さんの状態、重要な出来事、看護目標などを書くわ。
そして、このフォーカスに関する経過を次に説明する“D・A・R”の3つに区分して記録していくというのが大まかなイメージよ。

  • D(data):フォーカスを支持する主観的・客観的な情報を記載する。具体的にはバイタルサインや検査データ、記録者が見聞きしたことなど。
  • A(action):患者に対して医療従事者が実施したケアや治療、指導の内容を記載する。
  • R(reaction):Aを受けた患者の反応を記載する。ケアがどんな結果をもたらしたか、看護計画の簡易的な評価を記載する部分でもある。

それでは最後に、排便困難に関する記録であればどのように書くのか、簡単な例を見て確認していきましょう。

日時 F DAR 記載者
2月7日
10:00
F:
便秘による苦痛の訴え
D:
本日まで5日間排便なし。腹部の強い膨満感、軽い腹痛あり。朝の訪室時時に話を聞くと、「まだ出ない」といらだった様子
A:
昨日に引き続き、温湿布による温罨法を実施(腰部)
R:
「体がぽかぽかして気持ちいい」と穏やかな表情になる
佐藤
15:00 F:
ポータブルトイレでの排便
D:
ナースコールあり。「早くしてくれ」と焦った様子で訴える
A:
ベッドから移動介助し、ポータブルトイレへ誘導。5分ほどかけて排便(やや硬い便、中等量)
R:
腹部の膨満感が解消。「お腹がすっきりした」と落ち着いた表情
田中

SOAPとは一味違った方式で、けっこう新鮮ですね!

看護師としても自分のケアに対する患者さんの反応を振り返りやすいから、臨床から学ぶにもぴったりの記録方式ね。

監修:目黒通りハートクリニック院長 安田洋先生

TOPへ