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ドクターヘリで迅速に看護を行うフライトナース

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スピード感のある判断力と対応力で患者の不安を軽減

 ドクターヘリコプター(以下、ドクターヘリ)は、重症患者が発生した際、救急医療の専門スタッフを搬送することで、初療開始時間を大幅に短縮する目的で配備されています。このドクターヘリに搭乗する看護師はフライトナースと呼ばれ、通常、救急外来や病棟に配属されています。ドクターヘリの出動要請を受けると、フライトドクター、フライトナース、操縦士、整備士からなるチームが、迅速にヘリに搭乗して5分以内に離陸。病院で患者さんを受け入れる救急外来と異なり、医師や看護師が現場に赴くのが特徴です。
 ヘリの内部にはぎっしりと医療機器を積んでいますが、それでも必要最小限です。そんななかで、迅速に重症患者の病態を判断し、必要な処置を行うには、看護師としての経験と知識が求められます。また、周囲の協力も得ながら情報収集を行い、搬送先に情報を的確に伝えることができるコミュニケーション能力が必要となります。
 ドクターヘリの出動基準は、施設によって多少の違いはあるものの、
・ 生命の危険が切迫しているか、その可能性が疑われるとき
・ 重症患者であって搬送に長時間を要することが予想されるとき
・ 特殊救急疾患の患者(重症熱傷・多発外傷・指肢切断など)で搬送時間の短縮を特にはかるとき
・ 救急現場で救急診断処置に医師を必要とするとき
を満たしているケースです。切迫する状況下にある場合が多く、患者さんはもちろん、周囲も混乱し、騒然とした現場に少ない情報のみで駆けつけることになります。そのため、患者さんの救命救急処置を第一にしながらも、意識ある患者さんや不安を抱える家族にも配慮し、声がけすることも看護師の大きな役割です。

的確な処置によって重症患者の生存率が向上

 救急患者さんの搬送は救急車によるものがほとんどですが、時間との勝負となる救急医療では一刻を争うケースが多くあります。実際にフライトドクターとフライトナースが現場で呼吸循環管理を開始することで、重症患者の病態を改善し、生存率を高めることがわかっています。
 フライトナースは、救急外来や病棟の勤務で積んだ経験を活かし、多職種と協力することが求められる仕事です。真っ先に現場に駆けつけて、限られた時間・資源のなかで患者さんのために力を発揮できることは、看護師としての大きなやりがいとなるでしょう。
 また、救急患者さんの場合、搬送時は意識がないことも多く、搬送時にかかわったフライトドクターやフライトナースの顔を覚えていない人も少なくありません。しかし、無事に治療を終えられた患者さんやそのご家族が、後日お礼に訪れることもあるといいます。そんなときにフライトナースとしての充足感が得られるのかもしれません。

学会のフライトナースの選考基準を満たすには

 フライトナースになるには、ドクターヘリが配備されている病院に勤務し、救急看護の経験を積むことが求められます。日本航空医療学会のフライトナース委員会では、フライトナースの選考基準を
1. 看護師経験5年以上、救急看護師経験3年以上または同等の能力があること。また、リーダーシップがとれること
2. ACLSプロバイダーおよびJPTECプロバイダーもしくは同等の知識・技術を有す
3. 日本航空医療学会が主催するドクターヘリ講習会を受講している
としています。フライトへの搭乗機会は病院によっても異なりますが、普段の勤務は救急外来など、ほかの看護師と同じです。フライトに搭乗したときにはかなり緊迫した場面での業務となるため、その後も通常の日勤や夜勤につかなければならないという点では、ハードな仕事であるといえるでしょう。なかにはヘリによる乗り物酔いがつらいと感じる看護師もいるようです。
 それでも救急医療の最前線で患者さんの処置やケアにあたることができる、やりがいのある仕事。興味のある人はドクターヘリのある施設での、看護師の受け入れ状況をチェックしてみましょう。

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