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看護専門外来設立へ スペシャリストたちの取り組み(前編)

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病院の在院日数が短縮され、在宅で療養しながら社会生活を送る患者さんが増えています。そんななか、スペシャリストがその専門性を発揮し、患者さんのケアや相談を受ける外来部門として注目されている看護専門外来。各施設が開設を進めており、外来通院の患者さんだけでなく、家族や地域の訪問看護師や介護職員との連携の場としても機能しています。関東中央病院では2015年11月に、看護専門外来を中心とした患者支援センターを開設しました。開設までの経緯と仕事のやりがいについて、今回から2回にわたって専門資格をお持ちの2人にお話をうかがいます。

退院後の生活支援や継続的なケアを行う看護専門外来

公立学校共済組合 関東中央病院
(右)がん看護専門看護師/皮膚・排泄ケア認定看護師(WOC) 井本俊子さん
(左)皮膚・排泄ケア認定看護師(WOC) 石川扶貴子さん

さらなる学びの必要性を感じ、認定看護師から専門看護師に

――専門分野の知識を習得しようと思ったきっかけを教えてください。
井本さん(以下、井本) 二次医療機関である当院では、救急患者さんの受け入れを多く行っています。なかでも消化器疾患の患者さんの受け入れ件数が多く、ストーマ造設患者さんの2/3が緊急造設手術です。心身ともにケアに難渋する患者さんが多く、退院後も外来で看護師がフォローアップしていく必要性を感じていました。2008年、ストーマ看護外来の開設に必要な皮膚・排泄ケア認定看護師の資格を取得しました。

石川さん(以下、石川) 私は入職後、6年間の外科病棟勤務を経てICU立ち上げに携わりました。10年間ICUに勤務しましたが、そのなかで多くの緊急ストーマ造設患者さんの看護を経験し、ICUにおける創傷管理の重要性を感じていました。2011年に皮膚・排泄ケア認定看護師(WOC)教育課程に入学し、修了後は一度ICUに戻り、褥瘡のハイリスク患者さんの多い整形外科病棟に異動しました。ICUとは違う看護が経験できたのは良かったと思います。

――認定看護師としてどのような活動をされていますか?
井本 当院では私が初のWOC認定看護師だったこともあり、認定看護師の専門性、活動について理解してもらえるまでに時間がかかりました。当初の目的だったストーマ看護外来を2008年8月に外科外来の一角にブースを設けて開設しましたが、活動日は月1回に留まり、そのほかは病棟勤務をしながら時間外にコンサルテーションを受けていました。かなり大変ではありましたが、1年間の認定看護師としての活動時間、コンサルテーション件数、超過勤務時間を計算し、当時の看護部長に報告。その結果、活動日を週1回にしてもらうことができました。その後ストーマ看護外来に加え、褥瘡管理業務を開始し、2010年に専従の褥瘡管理者になりました。
 そのなかで私は、ストーマ造設患者さんが多いがん看護についてより深く学び、支援を充実させたいと考えました。大学の通信教育部、大学院へと進学し、2014年にがん看護専門看護師の資格を取得しました。認定看護師の教育課程に進学するときは、出張扱いの制度を作っていただき、また大学院進学の際も時間給制度を作ってもらうことができたので、忙しくはありましたが、働きながら学ぶことができました。

石川 半年ほど前から私が専従の褥瘡管理者になり、ストーマ外来も少しずつ井本さんから引き継いでいます。また、専従になる前から皮膚科と連携して、皮膚・排泄ケア認定看護師ができる範囲でのフットケア外来を始めています。将来的には、糖尿病合併症管理料の算定を目指しています。

明確なビジョンを描き、看護専門外来の開設へ

――今回開設した患者支援センターについて教えてください。
井本 2015年4月に現在の中畑看護部長が就任され、がん相談室の開設を検討するなかで、看護専門外来や薬剤師による相談業務を担う患者支援センターの構想が打ち出されました。看護部長には、「患者さんにとって自分たちがやっていることはこんなに大事なことだと、もっと声をあげて言わないといけない。患者さんの生活の質を上げることに力を出せるでしょう」と指導をしていただきました。“どこでどのようにして看護専門外来をやりたいか”を明文化して自ら図面も書き、看護部長や副院長などにプレゼンしました。「私はこうしたい」という強い思いを持ってビジョンを伝えたことで、計画が実現しました。
 患者支援センターは外来1階の待合室から見える場所に決まりましたが、壁を取り払い、部屋数も増やす必要がありました。事務担当者との交渉がうまくいかないときは看護部長や副看護部長が一緒に交渉にあたってくれるなど、全面的に協力していただきました。感染管理認定看護師などからも意見をもらい、壁の色から机の形まで自分たちで決められたことは本当に良かったと思います。

石川 計画は井本さんをメインに相談しながら決めていきましたが、特にストーマケアやフットケア外来はベッドと足や手の洗い場、シャワーでお湯が使えるなど特別な設備が必要なこともあり、粘り強く交渉しました。ストーマ看護外来は以前から場所を変えて実施していましたが、今回は場所を借りるのではなく、そのために設計された外来でしたし、できる限り希望を叶えてもらうことができたと思います。(次回に続く)

■「看護専門外来設立へ スペシャリストたちの取り組み(後編)」はこちら
https://nurseful.jp/article/magazine/?p=1770


井本俊子さん
看護専門学校卒業後、関東中央病院に入職。2007年、社会保険看護研修センター皮膚・排泄ケアコースに入学し、翌2008年皮膚・排泄ケア認定看護師の資格を取得。2009年、武蔵野大学通信教育部科目等修生看護学コース、2012年武蔵野大学大学院看護学専攻(がん看護CNSコース)に入学。2014年、がん看護専門看護師資格取得。2010年に専従の褥瘡管理者を経て、2015年、専従の緩和ケアチーム看護師となる。

石川扶貴子さん
看護専門学校卒業後、関東中央病院に入職。外科病棟、ICU勤務を経て、2011年、日本看護協会看護研修学校皮膚・排泄ケア認定看護師教育課程に入学。翌2012年に皮膚・排泄ケア認定看護師の資格を取得。2015年に専従の褥瘡管理者となり、看護専門外来では、ストーマ看護外来と糖尿病フットケア外来を担当。

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