リクルートの看護師転職パートナー ナースフル

閉じる

明日役立つ手技から働き方、医療ニュースまで、看護に活かせる情報をお届け ナースフルマガジン

がん患者さんの感情表出を促すコミュニケーションスキル“NURSE”とは

最新ナースコラム > 医療の最新ニュース

当コンテンツは株式会社 リクルートメディカルキャリアが運営する「ナースフル」というサイト内のコンテンツです。
もし、当コンテンツに関してご不明な点がある場合は、こちらの運営者情報ページからお問い合わせください。


がん患者さんの意思決定支援や不安解消のために

 医療においては、患者さんと医師の間で生命、治療、予後など多くの情報が伝えられ、そこにはバッドニュースが含まれることも少なくありません。そんなときに患者さんの意思決定支援や不安解消に努めるのが、看護師の重要な役割のひとつです。そのためには、患者さんと看護師との間でのコミュニケーションを通じた信頼関係の構築が求められます。また、コミュニケーションの充実は、患者さんの病気への理解度を高め、医療への満足度を向上させることにもつながります。
 特にがん領域では、バッドニュースを伝える際のコミュニケーションスキル“SPIKES”をはじめ、いくつかのコミュニケーションスキルがあります。なかでも看護師に求められるのは、バッドニュースを伝えられた後の患者さんや家族の気持ちに寄り添い、感情を表出させるためのコミュニケーションスキルです。患者さんの感情を引き出すことは、患者さん自身が感情と向き合い、整理する機会となり、患者さん自身による治療の選択など、重要な意思決定へとつながります。がん患者さんの感情表出を促進させるコミュニケーションとして知られるのが、米国がん研究所が推奨する“NURSE”です。
 “NURSE”とは、N=Naming(命名)、U=Understanding(理解)、R=Respecting(承認)、S=Supporting(支持)、E=Exploring(探索)を意味するもので、患者さんの感情に寄り添う総合的なコミュニケーションスキルとして知られています。

“NURSE”によるコミュニケーションの手法

 具体的なコミュニケーションスキルとしては、3つのポイントがあります。

①「はい」「いいえ」で答えられる質問ではなく、「いかがでしょうか」といったオープンクエスチョンを用いて、すでに患者さんが知っていることを引き出す。これにより患者さん自らが問題を理解できるように促し、看護師がそれに説明を加えながら理解度を確認する

②感情の表出を促して傾聴し、肯定的に接する

③患者さんの感情を積極的に探して表現してもらったり、患者さんが類似点、相違点に気づくように促したりする

上記をふまえて、NURSE(表)の技法を使い、患者さんが自分の感情を表出し、その感情と向き合えるように支援します。

表 NURSEの一例

NURSE 内容 会話例
N(命名) 患者さん自身が自分の感情のなかに何が起きているのかを形容詞で命名する それは本当に寂しいですね
U(理解) 患者さんの感情が「理解」できると伝える あなたが寂しいと思うのは当然だと思います
R(承認) 感情だけでなく、姿勢や態度、人格などを含めて承認する よくがんばられましたね
S(支持) 看護師やチームが患者さんを支持したいということを伝える 病気と闘っている間、側にいますよ
E(探索) 患者さんの話からさらに質問を重ねて探索し、共感を深める 今、どのようなお気持ちですか?

 ただし、これらのスキルはあくまでも基本的な知識、技法として知っておくべきことで、患者さんとの会話をこの技法にはめ込まないようにしましょう。患者さんが本当の気持ちを表出できるように、患者の言葉に耳を傾けて言葉をかける・共感の態度を示すことが何より大切です。

コミュニケーションスキル習得への関心の高まり

 “NURSE”は、日本看護協会の「がん医療に携わる看護研修事業」のなかで作成された 指導者研修会用テキスト『看護師に対する緩和ケア教育テキスト』でも紹介されています。また、がん診療連携拠点病院を中心に研修なども実施され、基本的な考え方を学ぶとともに、ロールプレイングで実践的なスキルを身につけています。
 2016年2月に開催される日本がん看護学会学術集会でも、NURSEなどの実践例を踏まえた感情表出を促すケアについてシンポジウムが開催される予定で、さらにがん看護におけるコミュニケーションスキルやその習得の重要性がクローズアップされていくものとみられます。

TOPへ