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看護あるある手技Q&A カテーテルによる医療関連機器圧迫創傷

仕事に役立つ看護手技 > 疾患・部位別の看護 編

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褥瘡の原因は、寝たきり以外にどんなものがありますか?

膀胱留置カテーテルなどの医療関連機器が原因となる褥瘡が、近年注目されているわ。

リコ:褥瘡というと寝たきりの患者さんに特有のものだと思いがちですが、それ以外にも原因があるそうですね。

ヨシミ:病院や介護施設などで気をつけたいのが医療関連機器圧迫創傷ね。
今回は膀胱留置カテーテルを例にとって、どのようなものなのか見ていきましょう。

医療関連機器で圧迫されて褥瘡が生じる

医療関連機器圧迫創傷(medical device related pressure ulcer;MDRPU)は、その名の通り医療関連機器が原因で起こる創傷のことで、日本褥瘡学会は次のように定義しているわ。

医療関連機器による圧迫で生じる皮膚ないし下床の組織損傷であり、厳密には従来の褥瘡すなわち自重関連褥瘡(self load related pressure ulcer)と区別されるが、ともに圧迫創傷であり広い意味では褥瘡の範疇に属する。なお、尿道、消化管、気道等の粘膜に発生する創傷は含めない1)

同学会が2012年度に行った調査では、全褥瘡に占めるMDRPUの割合は、一般病院(療養型病床なし)で12.4%、一般病院(療養型病床あり)で6.4%、大学病院で20%に上ることが明らかになったの1)
一般的な褥瘡とは異なり、MDRPUのほとんどは院内・施設内発症だから、医療従事者として予防に力を入れる必要があるわね。

原因となる医療関連機器は施設によっても違いがあるけれど、代表的なのが医療用弾性ストッキングやギプス、気管内チューブ、NPPVマスク、膀胱留置カテーテルなどよ。
介護施設では、車椅子のアームレストやフットレストが原因となる例も多いようね。

MDRPUは「機器要因」「個体要因」「ケア要因」の3つが、多くの場合、絡み合うことで発生につながると考えられているの。
機器要因とは、医療関連機器のサイズや形状がマッチしていないといったことね。
個体要因とは、患者さんの皮膚の菲薄化や循環不全、浮腫の有無などのことよ。
ケア要因には、外力低減ケアやスキンケアに加え、栄養補給や患者教育も含まれるわ。

適切なカテーテルを選び、外力低減ケアに努めよう!

それでは、具体的にどんな点に注意してアセスメントやケアを行えばいいのか、膀胱留置カテーテルを例に考えていきましょう。
膀胱留置カテーテルによってMDRPUが発生しやすい部位は、尿道粘膜皮膚移行部や外陰部、男性については陰茎の陰囊角部(陰茎の陰囊側で、尿道の屈曲する部位)で、カテーテルと接触するところ、汚染や浸軟があるところは要注意ね。

MDRPUを予防するためには、まずは機器要因や個体要因についてアセスメントを行い、適切なカテーテルを選択することが大切よ。
カテーテルが太くなるほど尿道粘膜の損傷リスクが高まるため、尿漏れがあるからといって安易にカテーテル径を上げず、まずは原因疾患となる尿路感染などがないか確認するようにしてね。
また、留置期間を最低限にとどめることも重要よ。

尿道損傷を予防するためには、女性は大腿内側に、男性は下腹部にカテーテルを固定するのが基本だったわね。
このとき、陰茎がねじれたままになったり、股関節の屈曲・伸展で引っ張られたりしないよう注意して。
カテーテルと皮膚との間には、1~2指が入るくらいのゆとりを持たせるようにすることで、MDRPUの予防につながるわ。
カテーテルを入れている間は、陰部洗浄時などに尿道口の発赤や皮膚障害の有無、カテーテルによる会陰部の圧痕の有無などを観察し、患者さんに痛みや違和感がないかを確認しましょう。

また、外力を低減させるという視点も欠かせないわ。
カテーテルを固定しているテープは基本的に毎日張り替えるけれど、固定位置をずらして同じ部位が圧迫されないようにすることを忘れずに。
なお、カテーテルの表面をアルコールで拭くと、表面のコーティングがはがれて摩擦が生じやすくなるから気をつけてね。

スキンケアの際には弱酸性の洗浄剤などを用いて、ぬるま湯でよく洗い流し、水分は押さえるように拭きましょう。
カテーテル周囲の尿漏れなどから皮膚を守るため、撥水クリームを塗るのも効果的よ。


「機器要因」「個体要因」「ケア要因」の3つに注意しながら、MDRPUを予防できるようにしたいです!

今回は膀胱留置カテーテルを例に挙げたけれど、他の医療関連機器の場合にも応用できるポイントだから、しっかりと覚えておいてね。

出典
日本褥瘡学会・編: ベストプラクティス 医療関連機器圧迫創傷の予防と管理. 照林社. 2016.

監修:医療法人社団航洋会 目黒通りハートクリニック 理事長/院長 安田洋先生

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