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「エンド・オブ・ライフケア」の捉え方

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がん患者さんを中心に提供される緩和ケア

厚生労働省の人口動態統計(平成25年)によると、死因の第1位はがんで、心臓病、肺炎、脳卒中と続きます。
しかし、これらの病気も治療法の進歩に伴い、発症した場合にも予後が長く、経過をみながら再発を予防できる慢性疾患の1つとして捉えられるようになってきました。

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とはいえ、病気が再発・転移する場合もあります。
その場合は、積極的な治療と並行して、痛みなどの症状を抑えてQOL(生活の質)を向上させるケアが行われる比率が高くなり、やがて緩和ケアへと移行します。
各施設でも、多職種連携の緩和ケアチームによって、患者さんが最期までQOLを保つことができるよう、身体的、精神的、社会的、スピリチュアルな痛みを取り除くアプローチがなされています。

そもそも、緩和ケアは痛みの緩和だけでなく、食欲低下、息苦しさ、身体のだるさ、気分の低下など、さまざまな症状に対して対応するものであり、本来対象としているのはがん患者さんだけではありません。
しかし、日本では「緩和ケア=がん患者さんのためのもの」との認識が強く、緩和ケアを受けている多くはがん患者さんというのが現状です。

「最期」を尊重した医療・ケア

一方でがんに次いで死因の上位にあげられる心臓病や肺炎、脳卒中に対しても、治療を終え、その後リハビリテーションを続けたり、再発予防に努めながら生活をする人が増えています。
また、高齢化が進むなかで、がん治療を続けながら透析医療を受けている、脳卒中の後遺症で摂食・嚥下障害があり誤嚥性肺炎で体調を崩す、といった複数の病気や障害をかかえる人も少なくありません。

そんななかで、クローズアップされるようになってきたのが「エンド・オブ・ライフケア」という考え方です。
これは「エンド=終焉」「ライフ=人生」と、文字通り、人生の終焉を迎える人に対する「ケア」であり、がん患者さんはもちろん、非がん患者さん、老いや虚弱となった高齢者など、人生の終焉を迎える人すべてを対象としたケアです。

エンド・オブ・ライフケアの考え方は、緩和ケアと本質的には変わりません。
しかしが、緩和ケアがさまざまな苦痛を緩和することでQOLを向上させ、最期までその人らしい人生を送ってもらえるように支援するのに対し、エンド・オブ・ライフケアは、人生の終焉という時期に焦点を当てている点が異なるといえるでしょう。
特に、非がん患者さん(慢性疾患や老いによる虚弱など)の場合は、「いつからが人生の終焉期なのか」を判断することが困難ともいわれていますが、高齢化が進むなかで、ケアを提供する看護師にとって、根幹になる考え方だといえるでしょう。

エンド・オブ・ライフケアにおいて看護師に求められるもの

エンド・オブ・ライフケアは、年齢にかかわらず「死」を意識したときから始まります。
「患者さんが最期までどのように生きていきたいと考えているか」を最重視し、患者さん自身、家族、医療従事者すべてが、それを共有したうえで、治療の選択にかかわり、療養あるいは看取りの場を選択していきます。
患者さんがQOLを保ちながら、残りの人生をその人らしく生き抜き、よりよい死を迎えられることを目標とします。

「死を意識したとき」とは具体的には、

  • 余命を告げられる、あるいは死が近くにあることを予測させる病気の診断を受けたとき
  • 持病が進行し、死が迫っていることを知ったり、感じたりしたとき
  • 加齢に伴って身体機能の低下を感じたとき
  • 家族に死が迫っていることを知ったとき
  •  など

このような時期になったら患者さんや家族は、もしもの際の治療の方法や療養場所、死を迎える場所を選択し、DNARオーダー(※1)、アドバンス・ディレクティブ(※2)などをしておくことが重要です。
そして、その意思表明を支援するのが看護師の役割となります。
最期まで患者さん自身の思いを尊重し、自立を支援しながら、患者さんや家族が示す意向に沿ったケアを実践することが求められます。

(※1)DNARオーダー:蘇生処置を行わない取り決めなど
(※2)アドバンス・ディレクティブ:自身の判断能力が失われる前に、医療行為の意向をあらかじめ示すこと

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