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いま、再度の認識が求められるエンゼルケア、エンゼルメイク

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欧米とは違う日本独自の死後処置

患者さんが亡くなったときに、日常の業務として行われる死後処置。
昨今では、「エンゼルケア」という言い方も一般的になってきました。

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海外では、土葬が主流であるため、エンバーマーと呼ばれる有資格者が全身の洗浄や消毒処置だけでなく、防腐処理まで施す「エンバーミング」を行うのが一般的です。
しかし、日本では古くから火葬を習慣としていたため、エンバーミング技術はそれほど広がっていません。
その代わりに、死者をきれいな姿で送りたいという思いから、家族が行う「死化粧」は古くから行われてきました。

現在の日本では、ほとんどの患者さんが病院で亡くなるため、遺体に施すエンゼルケアは、看護師などの医療従事者と家族が共同で行い、その内容はエンバーミングと死化粧を融合させたものとなっています。
ちなみに「死化粧」は現在、エンゼルケアの一環で「エンゼルメイク」と言われます。

エンゼルケアはなぜ必要なのか?

本来、エンゼルケアは遺族のグリーフワーク(身近な人の死に直面し、悲嘆にくれる人がたどる心のプロセス)の第一段階となることが多く、残された家族にとって欠かせないものとなっています。
そのため、エンゼルケアは、患者さんが亡くなったときに、どの病院でも行われます。
しかし、その方法や、誰が実施するのか、エンゼルメイクまで実施するのか、といった点は施設ごと、病棟ごとに異なります。

これは、エンゼルケアが診療報酬上「医療ではない付帯業務」であるため、医療保険適用外になっていることが一因であると思われます。
そのため、エンゼルケア自体が有料であったり、看護師に対して特別にエンゼルケアの教育を行っている施設も多くはありません。
なかには、「自分たちが看護してきた患者さんの最後のケアとして、きれいな姿で送り出したい」という願いから、看護師が自前でメイク用品を用意するケースもあるようです。

看護師にとってのエンゼルケア、エンゼルメイク

エンゼルメイクの定義は「医療行為による侵襲や病状などによって失われた生前の面影を、可能な範囲で取り戻すための顔の造作を整える作業や保清を含んだ、“ケアの一環としての死化粧”である(エンゼルメイク研究会より抜粋)」といわれています。
ケアを施した看護師にとって、「きれいな姿を整えてあげられた」という満足感は、「ベストを尽くした看護ができた」という自信につながるでしょう。

その一方で、エンゼルケアと同様、エンゼルメイクの手順や方法についても、ほとんどの看護師が先輩から教わったり、自己流だったりということが多いようです。
また、スタッフによってエンゼルメイクについての考え方や心の持ちようが違うこともあるので、「どうやったらいいのかわからない」という戸惑いの声が多く聞かれます。

例えば、「血色をよくするためには、チークや口紅を派手にすればいい」、と単純に考えてしまいがちですが、臨終直後から肌の状態は刻々と変化していきます。
皮膚が乾燥し、だんだん弱くなっていきます。
肌の色も青白くなっていきます。
そのため、まず乾燥対策やカバー効果のあるファンデーションを利用し、マッサージをするなどの工夫が必要です。
あくまでも、家族の記憶に近い故人の生前の姿に近づけることが目的なので、生前と違いすぎて家族が驚くようなメイクは歓迎できません。

また、「手を組ませるために手首を縛ると、皮膚が変色するおそれがある。顔にかぶせる白い布は、死を受容しきれていない家族の悲嘆を助長させる」という意見などもあり、『エンゼルケアは「処置」ではなく「ケア」である』との観点から、エンゼルケアそのものの考え方の見直しも求められてきています。

このように、看護師にとっては、細かいケアの方法もそうですが、「死後の身体の変化に合わせてどのような処置が適切か」、「遺族とのコミュニケーションをどのような形でとるべきか」、「看取りの手段として、エンゼルケア、エンゼルメイクがどんな効果があるか」などについて、看護師同士が共通認識を持っておくことが大切です。一度、職場のみなさんで話す場を持ってみてはどうでしょうか。

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