リクルートの看護師転職パートナー ナースフル

閉じる

明日役立つ手技から働き方、医療ニュースまで、看護に活かせる情報をお届け ナースフルマガジン

脊髄損傷者専門トレーニング施設で働く看護師にインタビュー(後編)

最新ナースコラム > 現場インタビュー「私の転機」

看護師の資格を活かして
脊髄損傷者の再歩行を目指すトレーナーに

日本初の脊髄損傷者専門トレーニングジム「J-Workout」でチーフトレーナー、メディカルマネージャーとして活躍する清瀬麻依子さん。
看護師としての経験がどのように活かされているのか、前半に続き、現在の活動や将来の展望について伺います。

J-Workout公認トレーナー
チーフトレーナー/メディカルマネージャー
清瀬麻依子さん

看護を知るトレーナーとして
強みを活かしたい

―J-Workoutに入職するにあたり、看護師としてのキャリアが途切れることへの不安はありませんでしたか?
看護師として救急の第一線にいましたし、不安がなかったわけではありません。
しかし、看護師の資格がなくなるわけではありませんし、J-Workoutでも看護師としてのスキルは活かせると思っていました。

J−Workoutでトレーニングを受けている脊髄損傷者のなかには褥瘡がある人や人工呼吸器が必要な人もいます。そういった医療的ケアが必要な人を受け入れるには医療の知識やスキルを持つスタッフが欠かせません。
ただ、トレーナーの仕事は体力的にも大変で学ぶことも多く、私には無理だと決めつけてしまっていました。
なかなかトレーナーとしての実践に本腰を入れられなかったのも事実です。
しかしJ-Workoutは、脊髄損傷者のトレーニングを行う国内唯一の施設であり、私はそこのただ1人の看護師資格を持つスタッフです。
そんなとき、「あなたがJ-Workout所属の看護師として世に出たときには、J-Workoutのトレーニングについて聞かれるでしょう。トレーニングも理解している看護師というのがより強みになるよ」と言っていただきました。
「看護師資格を持っているJ-Workoutのスタッフ」というだけではなく、私たちJ-Workoutが1番強みにしているトレーニングを理解して、日々実践していることを踏まえたうえで看護師としての目線で話ができれば、これ以上のものはないと思えたのです。
そこからはトレーナーとしての勉強により力を入れていきました。

―トレーナーとしての勉強、実践の難しさはどんなところにあるのでしょうか。
J-Workoutでは、脊髄損傷者一人ひとりに対して身体状況に合わせた完全オーダーメイドのトレーニングを実施しています。
安全を担保することはもちろんですが、確実に成果をあげるためには高い知識とトレーニングのスキルが求められます。
もちろん体力も必要です。

ただ、J-Workoutではトレーナーの知識や体力に合わせて段階をあげながらトレーニング技術を学ぶことができるので、やっていくうちにトレーナーとしての自信もついてきました。
身体の理解は運動生理学などのより深い専門知識が必要で、看護師として学んできたことだけでは足りません。
勉強することも多く、学び続けることは大変ですが、J-Workoutのクライアント様が好きでしたし、この人たちのために何かしてあげたいという気持ちのほうが強かったです。
また、最近では勉強し続けることのほうが自信にもつながると感じています。

看護師としての知識や経験を活かして
将来は在宅でのトレーニングも提供したい

―看護師としての視点がトレーナーとしても活かせていると感じることはありますか?
トレーニングを実施するうえでクライアント様からの情報収集は欠かせません。
その際に活かせているのは傾聴力ではないでしょうか。また、その日の顔色や声のトーン、そして雰囲気などを感じ取る力というのは看護の実践が活きていると思います。

また、状況判断をし続ける力、状況に応じて考え方を展開していく臨機応変さは、とくに救急の現場で働いてきた経験が活かせていると思います。
私が看護師の資格を持っていることを知って、トレーニングに来られていないときでも電話で身体の相談をしてくれる人もいます。
トレーニング以外でもクライアント様といろいろなところに外出するのですが、バルンカテーテルの人には何かあっても私と一緒なら安心だと頼られることもあります。
そんなときには看護師をしていてよかったなと思います。

―今後トレーナーとして、看護師としてどのようにキャリアを積んでいきたいと考えていますか?
脊髄損傷の人の再歩行を目指すには何年もかかるケースがあります。
同じ人を何年も見続けるのは医療機関ではできませんし、そこにいる看護師として、クライアント様に安心感を与えられる存在でありたいと思います。

また脊髄損傷者のなかにはジムまで来られない、でもトレーニングをしたいという人もいます。
ゆくゆくは在宅の脊髄損傷者に対しても自宅でできるケアやトレーニングを広めていきたいと思っています。

交通事故やスポーツ外傷などで脊髄損傷になった人はたくさんいるのですが、社会に出られず思い通りの生活ができていない人も少なくありません。
将来的にはこうした人たちの生活が少しでもよくなるような働きかけができればと思っています。

清瀬麻依子さん
J-Workout公認トレーナー
チーフトレーナー/メディカルマネージャー
2006年、兵庫県立看護大学(現:兵庫県立大学看護学部)卒業後、大阪大学医学部附属病院に入職。高度救命救急センターに5年間在籍した後、J-Workout株式会社に入職。現在はJ-Workout大阪スタジオに在籍し、チーフトレーナー、メディカルマネージャーとして活躍。

お仕事探しでお悩みの方は、こちらの入力フォームからナースフルへご相談ください。あなたでなければ務まらない仕事、あなたが主役になれる仕事がきっと見つかります。

TOPへ